noteからつながる道を歩いて。"本屋とほん"さんへ。
いつか、行ってみたい場所。
いつか、見てみたい絵。
いつか、読んでみたい本。
気がつけば、そんな"いつか"ばかりが、自分の中に降り積もっている。
年が明けてすぐのある日、手帳に向かい、訪れたいお店や読みたい本のリストを書き出していたときに、そのこと気がつきました。
そして、今年は、ちいさなことでも良いから、"いつか〜したい"という希望を、叶える年にしたいと思ったのです。いつか、と思ってばかりいて、その時が永遠に訪れないこともあり得ることに、思い至ったから。
まずは、わたしの大好きな場所である本屋さんから、順番に。
リストを眺めながら、春になったら訪れようと考えていたのが、奈良県大和郡山市にある、"本屋とほん"さんです。
とほんさんのことを知ったきっかけは、昨年の五月に読んだ、いろさんの記事でした。
いろさんがとほんさんのオンラインショップで購入された雪の活版栞をひとめ見て、なんて素敵なのだろうと思い、とほんさんのインスタグラムも拝見しました。
販売されている本の題名を眺めているだけで、直感的に、わたしの好きな本屋さんだ、と思ったのですよね。
栞はオンラインショップでも買えるけれど、せっかくならお店で手に取ってみたいな、いつかきっと行こう、と思いつつ、その頃何かと身辺が慌ただしい時期で、訪れることができないまま年を越してしまいました。
とほんさんの近くにある郡山城跡は、桜の名所。
今年こそは、春が来たら、お花見もかねて訪れたい…、そう考えていた矢先に、思わぬお知らせを目にしたのです。
愛らしいイラストのデザインペーパーや、ポストカードなど、暮らしの中にやわらかな彩りを添えてくれる作品づくりをされている、みっちさん。
とほんさんにて、約40組の作家さんのオリジナルの栞が販売される企画展示「第十一回栞展」に、みっちさんも参加されるというお知らせだったのです。
さらに、参加されるきっかけとなったのが、上にご紹介したいろさんの記事だったことを知り、そんな巡り合わせにも驚きました。
企画展示の期間は、2/7(金)〜2/26(水)まで。
企画展示の終了後、みっちさんのオンラインショップで販売される予定とのことですが、とほんさんの店内で、栞が並ぶ光景を見たい、と思いました。
春になったら、なんて言っている場合では無かったな。
そう心の中で呟きながら、京都から大和郡山へと向かったのです。
近鉄郡山駅前から続く商店街を歩いていると、カラフルなマンホールが目に入りました。

風は冷たいものの、空は晴れ渡っていてお散歩日和です。平日で人通りの少ない道をのんびりと歩いていると、お店の前に置かれたポストカードのラックが見えてきました。

迷ってしまいました。

"栞があるから私たちは本と現実を迷わず
行き来することができます。"ということばに、
深く頷くのです。

古本が並べられられている棚と、
看板の上で金魚が泳ぐ鉢がお出迎え。
引き戸を開けた正面にある平台の上に、みっちさんの栞があるのが真っ先に目に入り、うれしくなりました。
素材やかたち、色も様々な栞が一面に並ぶ光景に、心の中で歓声を上げてしまいます。
どれも、本のページの間にはさむとき、目にするだけで顔が綻んでしまうようなものばかり。
本も購入したかったので、お財布の中身と相談をして、
とりわけ心を惹かれたものをお迎えすることにしました。

左手が『ひとつぶと 風』、右手が『ひとつぶと 空』。
どれも素敵なのですが、星が描かれた空の
グラデーションが特に好きで、見出し画像にも
挙げさせて頂きました。
手に取ってみると、みっちさんが紡がれた
ことばのきらめきも心に浮かびます。

yoko okada さんの作品も購入しました。
タグで留められた包み紙を開くと…

透明水彩で描かれた本のある光景が美しいです。
三種類ある内のひとつだけを、と思ったのですが、
選びきれず二種類を購入しました。

残念ながら品切れ中でした。
次に訪れるときの楽しみにしています。
『komorebi』には、牧草が含まれた紙が使われていて、
ほのかに日向のような香りがします。
右手は、自分でも「また?」と半ばあきれながら
購入した日下明さんのポストカード。
星と月の下での読書、良いですよね。
さて、栞を心ゆくまで眺めた後、本棚を巡っていきます。
入口に一番近い平台に、先日の記事でふれた千早茜さんの「眠れない夜のために」や、ハン・ジョンウォンの「詩と散策」が置かれているのを目にした瞬間、わたしの好きな本屋さんだという予想は、確信に変わりました。
吉田篤弘さんの本がずらりと並ぶ棚も、堀井和子さんや石井好子さん、くどうれいんさん、高山なおみさんのエッセイが並ぶ、食卓の光景が思い浮かぶ一角も。
まるでわたしのために誂えられたかのように錯覚してしまうほど、好きな本ばかりが並んでいました。
店内を歩いていると、ひときわシンプルな装幀の本が並ぶ棚の前で、足が止まります。
開いてみれば、白い紙にただ文字が並んでいる光景が、どうしてこんなにも美しいのだろうと感じられる本。
文字を目で追いながら、わたしが好きなのは、余白や行間を澄んだ風が通り抜けるような、静かな本だと、そう思ったのです。

西尾勝彦さんの詩集「歩きながらはじまること」。
帯をはずすと、表紙の色はただ一色。
歌集や詩集を読む楽しみのひとつに、
余白を味わうこと、があると思います。
並ぶ本を眺めていて気がつくのは、ZINEやリトルプレスの本の多さです。
旅ついて、詩について、あるいはささやかな日々の記録について…、書き記された本たち。
ちいさな本に作り手の思いが詰まっているような表紙の表情を見つめていると、やっぱり本って良いな、という思いが込み上げてきました。
隣り合う本と本の内容や雰囲気が、共鳴しあっているような並べ方にも心地良さを感じます。
一冊の本が纏う雰囲気に心惹かれて手に取ると、その隣の本からも、静かに響きあう声が聞こえる気がして…、それを味わっていると瞬く間に時が過ぎてしまいます。
最後に、文庫本の棚からそっと一冊を手にしてレジに向かい、そちらにブックカバーを掛けて頂きました。

もう一度読みたいと思っていた小津夜景さんの
「いつかたこぶねになる日」。
ブックカバーは、掛けた本の表紙が透けて見えるほどの
薄さで、その手ざわりが好きです。
素敵な本屋さんに出会えたことに喜びを感じながら、駅に向かう道を歩きました。
いつか行きたい、と思う場所には、できる限り足を運ぶようにしようと、あらためて思います。
そして、なによりもうれしかったのは、noteでのご縁からつながる道を通って、出会えたことでした。
枝折りとなる、道しるべのような文章を書いてくださった、いろさん。
そして、"行くなら今です"と優しく背中を押すような、栞を作ってくださった、みっちさん。
おふたりのおかげで、大好きな場所と、大切なものが、新たに増えました。
本当に、ありがとうございます。
*とほんさんのホームページは、こちらから。
栞展に参加されている作家さんの一覧があります。
*インスタグラムは、こちらから。
いいなと思ったら応援しよう!
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
あなたの毎日が、素晴らしいものでありますように☺️