「豊臣兄弟!」ブームに乗る三重県津市の成長戦略。野洲市議会議員が視察で藤堂高虎から学んだこと
津城の石垣に手を触れると、四百年前の職人の息づかいが聞こえてくるような気がしました。三重県津市への行政視察(市役所・議会)は、企業誘致という現代的なテーマから始まり、気づけば一人の武将の生き様にたどり着く、不思議な一日となりました。

中勢北部サイエンスシティという企業団地、平成12年から分譲を始めて、今では約78社、雇用約3,600人という規模に育っています。企業誘致課とビジネスサポートセンターが同じ場所にあり、誘致からフォローまで一気通貫。担当の方が「役場って規制とかで企業にとって窮屈になりがちだけど、うちは企業側に立って、企業の声を役場につなぐ部署でありたい」と語っていて、すごく共感しました。企業があちこちの部署に掛け合う手間を一括で引き受ける発想は、野洲市にもぜひ取り入れたいです。リーマンショックの時は誘致が思うように進まず苦労した時期もあったそうですが、トップセールスを続け、企業立地奨励金などの支援制度で定着まで後押ししてきた結果が、今の産業基盤なのだと感じました。

そしてもうひとつ、津市で面白かったのが観光の取り組みです。津市は藤堂高虎ゆかりの地。大河ドラマ「豊臣兄弟!」で佳久創(かく そう)さんが演じて一気に注目を集め、そのブームをしっかり観光誘客につなげていました。ガイドさんの説明が絶妙で、「藤堂高虎は身長190cmで、あの大谷翔平選手と同じくらいなんです」と。石像もそのサイズで作られているそうで、歴史上の人物を今の有名人に例えて語ってくれると、ぐっと身近に感じられるんですよね。
考えてみれば、藤堂高虎はただの武将ではなく、津の城主として、まちの基盤をつくった政治家でもありました。城下町を整え、産業を興し、後世につながる仕組みをつくる。今日視察した企業誘致の姿勢も、その延長線上にあるものだと思うと感慨深いものがあります。政治家の仕事とは、自分の代だけでは完結しない「まちの土台」を積み上げていくことなのかもしれません。

野洲市も実は歴史の縁があります。大河ドラマ「平清盛」や「鎌倉殿の13人」でゆかりの地として注目を集めたことがありました。津市のように、ブームを一過性で終わらせず地域の誇りにつなげていく工夫、そして高虎公のように長い時間軸でまちの土台を築いていく姿勢を、自分も見習っていきたいと思います。
