小さな日記|大富豪
▼お正月といえば、今も昔もゲームで盛り上がる。
娘たちは年上の従兄弟たちと、トランプの「大富豪」に興じている。手札が早くなくなった順に、大富豪、富豪、平民、貧民、大貧民と階級が決まる。そして次のラウンドでは、強い者には有無を言わさず強いカードが献上され、弱い者には「強者が適当に選んだカード」が与えられる。勝者敗者の道理を突きつけられるこの遊び。私は実は、嫌いじゃない。
しかし、このルールを聞いた長女は間髪入れずに、「それじゃあ、大貧民はずっと、大貧民のままってこと….?」と顔をこわばらせた。
……そう。もう気づいてしまったか。これは遊びを装った、社会構造の教材だという話。世の中という不条理を学んでいるんだろうか...
しかし、全く希望がないわけではない。「革命」を起こせば、この世のものの価値の上下が逆転するわけだ。ただし、革命なんて簡単に起こせるはずがないし、その上、革命が起きてもちょっと面倒くさい層、富豪や平民あたりは、波風を立てずそこそこの勝ちに落ち着こうとする。そして、世界はだいたい現状維持。
…..非情だなぁ、よくできてるなぁ。
しかし、新年早々、幼い子どもがこの現実を学ぶ必要があるのだろうか。そもそも、これは本当に「楽しい時間」になっているんだろうか……
▼正月休みはダラダラすればいい、と思われがちだけれど、ダラダラし続けるのも案外しんどい。かと言って、カード遊びを続けるのも、意外と精神が疲弊する。
そこでとりあえず、実家近くのショッピングモール的な場所に避難してみた。新年早々誰が来るんだろうと思っていたら、駐車場もレストランも満員御礼だった。
あの人もこの人も少し前まで、「大富豪」の世知辛さに心を削られていた、そんな似たような人たちに違いない。そしてきっと、全員が心のどこかで同じことを考えている。
新年早々、みんな、やることないんだなぁ….
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