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海外案件を頼んだら、小学校の先輩が出てきた件

「世間は狭いなあ」と感じる場面は少なくない。
特に僕のように会計士として独立していると、その狭さはときに
“閉所恐怖症レベル”である。

たとえば、初対面の人と名刺を交換して数分後、
「あ、あの人の同期だったんですね!」とか
「実は、僕も元○○監査法人です」といった展開は、わりと日常茶飯事。
業界の構造上、似たような経歴の人間が多いので、二段くらい掘ればけっこう誰かとつながる。

そんな中で、先日起きたある出来事は、
さすがに僕も「いや、これは狭すぎるだろ」と天を仰いだ。


マレーシア案件、始動

ことの発端は、とあるクライアント社長の移住である。
近年、海外移住やデュアルライフを検討する人が増えており、その波に乗ったかのように、とあるお客様がマレーシアに引っ越されたのだ。

当然ながら、税務対応が必要になる。

日本国内の税務申告なら僕一人でも対応できるが、外国が絡むと話は別だ。国際税務の専門知識も必要になるし、そもそも現地事情に精通していないと、話にならない。
となれば、頼るべきは「現地の専門家」である。

そこで、僕は知人をたどりにたどった。

僕 → 同じ法人の税理士 → その知り合いの東京在住の税理士 → マレーシア在住の日本人会計士

ちょっとした“人脈トレジャーハント”の末、ようやく目的の人物にたどり着いた。
遠回りではあるが、海外案件としては意外とスムーズな方だと思う。


まさかの返信

僕はありがたくメールグループに加えてもらい、さっそく丁寧に挨拶を送った。
「はじめまして。今回はご協力ありがとうございます。
クライアントのA社に関して〜」という、よくある事務的な導入である。

すると、先方から返信が届いた。

内容を読んで、僕は思わず画面を二度見した。

「久保さんって、もしかして○○小学校・○○中学校出身ですか?」

はい、その通りです。

「僕、3学年上なんです。実家も○○町ですよね? 」

……嘘でしょ?

これにはさすがの僕も、しばし絶句した。

まさか、マレーシア在住の日本人会計士が、自分の地元の先輩だったとは。いや、「紹介の紹介のそのまた紹介」でようやくたどり着いた人物が、まさかの“ご近所さん”だったとは。

案件そっちのけで、僕たちはしばらく地元トークに花を咲かせてしまった。

その場で航空券を検索する男

ここまで来ると、じっとしていられないのが僕の性分である。

「これはもう、現地に行くしかない」と半ば義務感のように決意し、クライアントの面談スケジュールを口実に、数ヶ月後にマレーシアを訪れることを即決した。

ビジネスミーティングという名目で、半分は“地元民再会の旅”。
マレーシアにいるご近所の先輩と、熱帯のカフェで「あの頃の○○中の話」をするなんて、誰が想像しただろう。


好奇心が運んでくれる“偶然の縁”

今回の出来事で改めて感じたのは、「興味を持つこと」「動いてみること」「人に会って話すこと」の三つの力である。

テクノロジーがどれだけ進歩しようとも、人間の縁というのは最終的に“誰と話すか”で決まる。もし僕が、面倒くさがって人をたどるのをやめていたら、マレーシアの地で中学の先輩と再会することはなかった。

情報の時代だからこそ、最後に力を持つのは“人のネットワーク”であり、そこに飛び込む勇気である。


世間の狭さと、人生の面白さ

「世間は狭い」というのは、単なる偶然ではない。
好奇心と行動力が、それを“必然”に変えていく。

僕はこれからも、仕事を通じて、あるいはプライベートで、どんどん人に会って、話をして、世間の狭さと人生の面白さを満喫していきたい。

たとえ次の現場がアフリカであろうと、地元の誰かと出会う気がしてならない今日この頃である。


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