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SaaStr Annual 2025で感じた、AI変革に対する日本とシリコンバレーの温度差

こんにちは。対話型音声AI SaaS IVRy(アイブリー)CEOの奥西です。
2025年5月13日〜15日にSan Franciscoで開催された、世界最大のSaaSカンファレンス「SaaStr Annual 2025」に参加してきました。

個人として、海外のビジネスカンファレンスへの参加がはじめてだったんですが、日本とシリコンバレーのAIに対する意識の違いに本当に衝撃を受け、少しでもこの温度感を日本に持ち帰れたらなと思い、筆を取ってみました。

IVRy自体はAI SaaSスタートアップとして、「AIプロダクトを開発しているし、AI活用については進んでいるほう」という意識があったのですが、シリコンバレーの空気はぜんぜん違うくて、もっともっと想像を絶するぐらい進んでいました。

シリコンバレーのSaaS業界が想像以上の速度で、AI革命で社会変革が起きていることを意識していて、無意識に持ってしまっているサンクコストをすべて捨てて、Re-Buildすべきという空気感を身をもって実感しました。
早速、現地で感じた熱気と、今後のSaaS業界を根底から変える可能性のある重要な示唆についてお伝えしていきたいと思います。

(追記しました)
盛況につき、急遽ウェビナーを開催します!
もしよろしければご参加ください!


SaaStr Annualについて

毎年、サンフランシスコ・ベイエリアで開催される世界最大級のSaaSカンファレンスで、2025年には11回目の開催を迎え、1万人以上のSaaS・AI・クラウド分野の経営者や投資家が集まります。3日間にわたり、200以上のセッション、ワークショップ、ネットワーキングイベントが行われ、世界トップクラスのSaaS企業の経営者や投資家が登壇します。
昨年はKlaviyoのCEO&Co-Founderがきていたり、今年はDropbox CEO&Founder, Hubspot CEO, Box CEO&Founderといった大物がたくさん登壇していました。

↓昨年のセッション(YouTubeでけっこう見れます)

セッション内容を時系列で解説すると無限に長い記事になってしまうので、その中でも共通項で語られていた部分やメッセージングをピックして書いていきます。

1. SaaSのPlaybookは変わった

SaaStrの創設者であるJasonが語るオープニングから口にしていた「従来のSaaS Playbookは変わった」という発言が衝撃的で、ARR10億円以上から+100%成長を続ければいいという考え方や、Headcountを増やしてARRを増やしていく戦い方の終焉がは語られていました。
※以下記事でも若干近しいことが語られていますが、より明確にChange!を語っていました。

これはAIスタートアップが、5人で50億円のARRを作っていたりするので、Playbookの基準値が変わっていくだろう。
人を採用しなくても異常なほど効率的なビジネスになるようにこだわって考えていくべきという話でした。

そして、今この時代に起業するとしたら、どういうプロダクト構成にする?どういうプロセスにする?を Re-Found(再創業) の気持ちで考えるのが良いのでは?という話がされており、個人的にはとても目から鱗で、改めて自分たちの経営方針を考えてみようと感じました。
※もちろん、日本のMarketへの向き合いとなるので、早く変わりすぎてはいけないですが、無意識からくる常識に当てはまらずに考えてみることがとても大事だという話なんだと思います。

↓Re-Foundは以下のYouTubeでも語られてます。

実際に、Dropbox CEOは自らAI関連のコードを書き、Deep DiveしてAIを学んでいたり、HubspotのCEOもAIによる破壊的イノベーションに強い脅威を感じ、様々な取り組みにすぐに動き出していたり、ARRが数千億円ある巨大なSaaSカンパニーでもかなりの危機感を持って動いているんだなと感じました。

また、Sales&Marketingも従来に比べて、もっと効率的にできないのか?を改めて問い直すセッションもあり、とても興味深かったです。

例えば、シリコンバレーではAI BDRやSDRが流行っていたり(これが良い体験かわからないが)、Moment(AI CRM)やAvoma(AI Sales Coaching)といったサービスを使って効率化していたり、とにかく人ではなくAIでできることはAIを活用して効率的にやろうという意識を強く感じました。

余談ですが、日本に比べて、アメリカってオペレーション能力が高くないので、日本よりもAI導入に対するハードルが低いのかもな?と過ごしていて感じたりもしていました。
※レストランやスーパーとかでもよく間違えるし、ダラダラ対応してるので

2. シリコンバレーはTechnologyの進化を信じている

1の話がなぜ当たり前のように語られ、行動されているのか?を自分なりに考えてみていたのですが、自分としては「シリコンバレーの人たちはTechnologyの進化を本当に信じている」んだなという結論に至りました。

セッションの中で、「でも、まだAIの精度が〜」とか「AIって本当に市場で受け入れられるかな?」みたいな話はひとつもなく、基本的に「AIによって市場は変わるものだ」ということは揺るぎない未来として語られ、なのでその未来に対して、いかに早く準備しておくか?自分たちが最速でたどり着けるか?といったことを議論されていました。
※おそらく、多少の精度を欠いても使ってみたほうが良いよね?というカルチャーがあるのも強いとは思います。

ここが日本と違って、本当にTechnologyの進化を信じていて、全員がそこに対してまっすぐ行動していることに、とてもリスペクトを持ちましたし、自分自身もいち技術者・PdMの端くれとして、今まで以上にTechnologyの進化を信じた行動をしていきたいなと感じました。
※日本全体がもっとTechnologyの未来を信じていけると良いなと思いますし、そういう空気感を作るために、IVRyでももっともっと注力していこうと思いました。

カンファレンス後に来たメール
ふつうに、すべてのビジネスはAI-Firstかディスラプトされるかでしょうと書いていて、温度感の違いが感じられる

3. 「早さ」に対する意識が異常

SaaStrのどのセッションを聞いても、スピードに対する意識が異常に高かったことも印象的でした。
上記のCEOたちも早く変わらなければという意識を持っていることはもちろん、PerplexityやOpenAIの方たちも自分たちのMoatは「早さ」と称していて、早く市場にアプローチし、早く市場を取り切ることが本当に大事という価値観を持っていることを肌で感じました。

やはりシリコンバレーの競争環境は、私たちの想像をはるかに超えていることと、AIという破壊的イノベーションが生まれたときは、すべての産業のバリューチェーンが変わるタイミングなので、すべての企業にとってチャンスが存在していて、そこにいち早く切り込みきれるのか?を考えているんだなと思いました。

実際、シリコンバレーのAIスタートアップは996(朝9時から夜9時まで週6日)体制で働いているという話を聞いたり、中国の某有名企業も週7で深夜も普通に働いてる人が多いと聞き、成長速度や進化に対する執着を感じました。
それと同時に、日本の「早さ」に対する意識は、かなりゆるいなと危機感も抱きました。
※別に「時間」を使うことが大事と思ってもいないですが、グローバルのプレイヤーはそのレベルで「時間」を使っているので、日本にいる私達はかなりの「工夫」が必要だろうなと感じています。

日本とシリコンバレーの温度差

日本にいると、AIが当たり前になる世界はもう少し先の未来と考えている人が多いと感じますし、実際そんな空気でいたのですが、シリコンバレーではまったく異なり、確実に来るし、AI時代の当たり前にいち早く"適応"しなければヤバいという意識がとても強かったです。

前にアメリカの方と「日本とアメリカでなんでこんなにソフトウェアの受け入れられる速度が違うんだろうね?」と議論した際に、「アメリカではBlack Berryのような巨大な会社が、iPhoneの登場で一気に衰退していくといった出来事がたくさん起こっていて、アメリカ全体の教訓として、"早く変わらなければ滅びる"という価値観をみんなが持っているんだ」という話を聞いて、とても腹落ちしたことを思い出しました。
真に競争環境が激しい国だからこそ、新しい技術を自分たちに取り込まないと、競合から遅れをとってしまい、ビジネスが立ち行かなくなることを彼らは心の底から知っているのだと思います。

日本では"失われた30年"という言葉よく使われますが、その要因のひとつは"IT化の遅れ"だと言われています。
自分は、当時のシリコンバレーと日本にも、今と同じような温度差があったのではないかと思っています。
そんなにすぐ変わらないだろうと"なんとなく"の意識が、少しずつ日本全体の進化の遅れにつながり、グローバルのサービスに追いつけなくなり、すべてのデータがグローバルのサービスに集約され、MoatとEcosystemが生まれてしまう。
そういった負け構造になってしまっているんじゃないかな?と思います。

そうならないためにも、今僕らの世代が、AIという破壊的イノベーションのタイミングで頑張らないと、またこれからの30年の負債を次の世代に残してしまうのかもしれない。
そんなことを思ったので、微力ながら日本のスタートアップの空気を変えられたらなと思って、つらつらと書いてみました。
※まずは、自分たち・IVRyから色々とはじめたいとは思っています。

まとめ

AIによる産業変革は、SaaSに限らず、ほぼすべてのバリューチェーンに対して起こると思います。
一度立ち止まって、自分たちの常識を見直してみると、AIによる変革ポイントがたくさん見つかると思います。
(実際、IVRyでもたくさん見つかりましたし、まだまだ見つかりそうなニオイがしています)

AIという技術の進化を信じ、一秒でもはやく、自己改革を進め、新しい常識を作っていく。
このブログを読んで、そんな企業が少しでも増えたらいいなと思っています。

P.S. 

IVRyという対話型音声AI SaaSをやっています。

IVRyはAIでもっともっと効率をあげていく会社ですが、とはいえAI活用を推進したり、AIプロダクトを作っていく仲間はまだ足りておらず、AI活用を戦略的に取り組んでくれる仲間を募集しています。
IVRyという会社に少しでも興味を持った方はぜひカジュアルにお話しさせてください!

(追加しました)
盛況につき、急遽ウェビナーをすることになりました!


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