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小規模旅館に愛をこめて・・・予約の“タイミング”で、旅も商売も大きく変わる

一般の人々は、プライベートな飲食や旅行の予約を一体いつしているのでしょうか?

まず、誰もが「行きたい!」という強い気持ちを抱く特別な日があります。年末年始やお盆休みといった定番の大型連休はもちろんのこと、若い世代にとってはクリスマスやバレンタイン、最近ではハロウィーンも一大イベント。温泉旅館なら、ここに「休前日」も加わってきます。

こうした“特別な日”は、それ自体が「目的」になるため、予約も早めに埋まっていきます。
中には、複数の店や旅館を同時に仮予約し、直前になって最終決定をする“迷惑な猛者”もちらほら。
それほどまでに需要が集中するのです。

一方で、平日となると話は変わります。
知名度の高くない温泉旅館であれば、当日予約でも部屋が空いていることは珍しくありません。
最近は人手不足などで休館する施設も増えてきていますが、それでも1週間前なら問題なく予約できるケースが大半です。

宿泊業において最も分かりやすい成果指標は「稼働率」。
つまり部屋をどれだけ動かせたか。
だからこそ、直前でも空室があれば、割安なプランで販売してでも埋めたい、というのが現場の本音です。

でも、ちょっと待ってください。
「直前だから安くする」のは、本当に得策なのでしょうか?

たしかに空いている部屋を放置しておくよりはマシ。でも、安く売りすぎた結果、あとから「もっと高くても泊まりたかった」お客様を取りこぼしてしまうことも。
逆に、需要が低い日なのに強気な価格設定をしてしまい、まったく売れずに“その日が終了”――なんて苦い経験をした旅館経営者も少なくないはずです。

インターネットの普及、そして「じゃらん」や「楽天トラベル」などネットエージェントによって、宿泊予約の世界は劇的に変わりました。
いまや宿泊当日でも、スマホ一つで空室状況がチェックでき、その場で予約まで完了する時代です。
その結果、予約の“リードタイム”――つまり「予約日」と「宿泊日」の間隔はどんどん読みにくくなっています。

言い換えれば、「読み違えたら最後・・・(泣)」。
せっかくのお客様を逃してしまい、大きな売り上げ機会を失うリスクすらあるのです。

だからこそ、過去の予約データを分析することが重要になってきます。
「いつ、どんなタイミングで、どれくらいの価格なら予約されやすいのか」――
最低でも1年分のデータを蓄積して見ていけば、地域や施設ごとの“予約パターン”が見えてきます。これが分かれば、予約の「取り損ね」は確実に減らせるはずです。

ここで登場するのが、「レベニューマネジメント」という考え方。
これは簡単に言えば、“限られた部屋で、どれだけ売上を最大化できるか”を考える経営戦略です。

販売価格、販売日、予約の入り方、さらには近隣の旅館やホテルの価格動向まで、あらゆる情報を元に、最も売れやすい価格と販売タイミングを見極めていく手法です。とてもロジカルで、奥深い世界。

ただし、これをうまく活用するには、過去データの蓄積と精度が欠かせません。
小規模な施設やデータ管理が難しい経営状況では、導入が難しい場面もあるでしょう。しかしそれでも、今後の旅館経営においては、こうしたデータと向き合う姿勢がますます重要になっていきます。

完璧にやる必要はありません。
まずは「いつ、どんなお客様が、どの価格で予約してくれたか」を、地道に記録していくことから始めてみましょう。
それだけでも、次の一手を打つ材料になります。

“予約のタイミング”を制する者が、商売を制す。
そんな時代が、すでに始まっているのです。

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