【いまあなたに伝えたいこと】小さく生まれた君が、僕を強くした
いまあなたに伝えたいことがある。
あなたの物語の最初のページは
2400gという数字から始まった
あなたは2400gで産まれた。
「生まれましたよ。2400gの女の子。
ちゃんと産声、あげてましたよ。」
助産師さんのその声が、
やけに明るく聞こえたのを
覚えている。
“ちゃんと”という言葉に
あのときの僕は、
どれほど救われていたんだろう。
入院中、2200gまで落ちた体重。
たった200gの差が
あのころの僕たちには、
とてつもなく遠かった。
でもそこから、
あなたは少しずつ増えていった。
本当に少しずつ。
それでも確実に。
ある日の午前、
僕のスマートフォンが震えた。
「予定通り退院できるって」
妻からの短いメッセージ。
その一文を、何度も読み返した。
たったそれだけの言葉なのに、
肩の力が一気に抜けた。
画面越しに、
あなたの重みが少し増した気がした。

ミルクを飲ませるたび、
あなたはすぐに眠ってしまったね。
小さな口で一生懸命吸って
途中でふっと力が抜ける。
「寝ないで、もう少しだけ」
そう言いながら、
足の裏をそっとくすぐったり、
ほっぺを撫でたり。
本当は、起こすのがかわいそうだった。
でもね。
それでもあなたは、
何度も目を開けてくれた。
ぼんやりとした瞳で、
もう一度くわえ直して
また吸い始める。
あのとき、僕は確かに感じていた。
“この子は生きようとしている”って。
「大きくなろう」としている力が、
小さな体から、確かに伝わってきていた。
守っているつもりだったのに
本当は、僕のほうが支えられていた。
初めての沐浴。
あまりに軽くて、
両手の中で水に浮かぶあなたを
どう扱っていいのか分からなかった。
ぎこちない手つきで、
恐る恐るお湯をかける。
あなたは泣きもせず、
ただ静かにそこにいた。
まるで、「大丈夫だよ」と
言っているみたいに。
初めて服を着せた日も覚えている。
袖に小さな指を通すだけで一苦労。
首がぐらぐらして、
ボタンを留める指が震えた。
こんなにも小さいのに
ちゃんと人間で、
ちゃんと僕の娘だった。
あれから時間が経って、
あなたは少しずつ重くなった。
腕の中の重みが増えるたび、
安心も増えていった。
でもね。
あなたが小さかったあの時間は、
決して「心配な思い出」なんかじゃない。
あれは、
あなたが初めて見せてくれた強さの証。
もし将来、
自分が小さいとか、足りないとか
誰かと比べて落ち込む日が来たら
思い出してほしい。
あなたは、生まれた瞬間から
ちゃんと闘ってきた。
眠りながらも、
起こされながらも
それでも口を開いて
もう一度吸い続けた。
あの根っこは、今もあなたの中にある。
2400gは、弱さの数字じゃない。
あなたが最初に背負った、勇気の重さ。
いまあなたに伝えたいこと。
大きくなってくれてありがとう。
そして、
あのとき僕に
「生きる力」を教えてくれてありがとう。
あの日、
小さなあなたからもらった力を
僕は一生忘れない。
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