歯医者で思う - 最後はその人を信頼するかどうか
「なんてこった!」
歯医者での衝撃の事実から数ヶ月。治療も無事に終わり、ある人を思い出しました。
ノーベル賞を受賞した名古屋大学の野依教授の研究室で活躍されている方とバンコクでコーヒーを飲んだときのことでした。
教授が炭素について考える日々

「俺何やってるんだろう?って思う瞬間は毎日あるよ。
でも、いつか人類の役に立てばと思って、なんとか戻ってくるんだよね。」
この言葉には、ずっしりとした重みがありました。
研究者として、毎日炭素のことを誰よりも考えている方でも、悩みながら研究されているんだということを知った瞬間でした。
だからこそ、自分が何を信じて研究するかということがカギになってくるとのこと。
彼は続けてこう言いました。
「データってね、取る人や機関によって数値がなぜか違うんだよ。不思議だよね。二酸化炭素の値も、同じ国なのに人や機関によって数値が違うことがある。なんでだろうねー。」
はっきりとはお話されませんでしたが、答えは持っているようでした。
「だからこそ、私たちが使うデータも、最後は論文を書いた人が今までにどういう研究をしたり、どういう信念を持っているかを知る必要があるんだよね。果たして私がそのデータを信頼できるか、を確認するために。」
炭素の話を超越していました。
その人を信頼できるかは自分が決める。
最後に判断するの自分。
そう気づかされた瞬間でした。
バンコクの歯医者にて

「何か歯がしみるなー。」
と何度か歯医者に行ってみたものの、レントゲンを見ても虫歯でも歯肉炎でもありませんでした。
3歳までアメ、ガム、チョコレートを禁止してくれた親に感謝です。
それでも去年末から何か気になり始めたので、何人かの先生に診てもらいましたが、問題ないと言われました。
疑問に思っていましたが、ある日一人の先生がこう言いました。
"Your tooth might have a crack."
え?Crackってヒビ?
なんてこった。

(こんな感じ)
なるべく痛くない方法で治療してほしいと願いながらも、これを放置した時のシナリオを3つほど説明してくれました。
「ヒビはレントゲンにも映らなくて、本当に小さいものは外からは見えない。だけど今日調べた感じだとヒビだと私は思うし、これは放置しても治らないね。」
なんてこった。
タイの田舎で食べたスープの中に骨が入ってて「ゴリッ」って音がした時か(複数)、毎日ボスに踵落としされないように横向きで寝ているからか、筋トレで食いしばったか、色々と頭を過ぎります。
アメリカのUCLAで4年以上修行し、実績も積んできたその先生の真剣な眼差しと冷静な判断、そして私を安心させてくれる一言をかけてくれました。
「実はね、私も同じ歯があるの。嫌だけど向き合わないとね。ストレスフルな仕事だから知らない間に奥歯で噛んでるんだよね。」
そうか、歯医者の先生にも歯があるんだ。そして同じ症状があって経験があるんだ。
心を決めました。
さらに、その先生がオススメする神経のスペシャリストの先生を部屋に呼んでくれて、二人の先生が私の奥歯のレントゲンを見ながら20分ほど議論を重ねました。
二人とも本当に親身に話を聞いてくれて、この上ない安心感があります。
話し合いの後に、治療の選択肢を2つほど提示され、一緒に決めました。
あまりに感動して、先生に聞いてみました。
私:「歯医者さんが他の先生を信頼するポイントは何ですか。」
先生:「学歴は一つの要素でしかなくて、毎日真剣に向き合っている人かどうかだよね。みんなやっているとは思うけど、歯医者は知識だけでなくてスキルも磨かないといけないからね。仕上がりを見ればその人の仕事はわかるよ。」
まさにプロフェッショナリズム。
この先生たちに託そうと思った瞬間でした。
そして治療を進めると、やはり小さなヒビが入っていたようで皆さんの判断が正しかったことがわかりました。
最後は自分が信頼できるかどうか。
ずっとその言葉が頭の中にありました。
最後に
インターネットで情報が溢れる中で、情報は量だけではなくて質や信頼性であることは多くの方も語られていると思います。
最後の最後に人や情報を信じるかどうかは、自分に託されている。
自分に託されているからこそ、私たちが知見を広めたり、信頼できる人の繋がりを持っておくことの必要性がある。
フェイクニュースが瞬時にフェイクだとわかるには勉強が必要です。
本質を見抜く目を育んで行きたいものです。
(歯が治ってよかった😌)

いいなと思ったら応援しよう!
▼ 30-50代でお仕事の方向性にぼんやり悩んでいる方はぜひこちらへ |
https://sites.google.com/atj.asia/partner-takagishi/home