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初めて英語で笑いが取れた時の話 - シドニーの床屋にて

"You are so funny!"

シドニーの床屋の店内が笑いの渦に包まれました。

英語で初めて笑いが取れたこの体験は、
「私が英語をもっとできるようになりたい!」
と思う原動力になった出来事でした。

高校1年生の夏休みに、オーストラリアでの語学研修に参加しました。私が通っていた高校のプログラムで、現地の家庭に約3週間ホームステイをするというものです。

初めての海外ステイで分からないことだらけでした。日本の文化をオーストラリア人に伝えようと張り切って、花火をスーツケースの中に入れてしまい、空港で没収されるという体験もしながらの渡航でした。

シドニーのCranbrook schoolという学校に通うホストブラザーの自宅に3週間滞在しました。

ある日、ホストブラザーとお父さんに、

「床屋に行くから一緒に行こう。」

と言われました。

出発する前に日本で床屋には行ったので、行く必要はなかったのですが、外国の床屋がどのようなものか気になって、一緒に行きました。

行くとは言ってみたものの、道中の車の中で少し心配になってきました。

もみあげってなんて言うのか。

前髪ってなんて言うのか。

バリカンって英語なのか。

長さの説明はセンチなのかインチなのか。

何も言わないと坊主になるんではないか。

ますます心配になってきました。

そして、ホストブラザーたちがどうやって理容師に説明するかを聞いて真似しようと思い、100%の集中力でリスニングすることにしました。

店内に入り、ホストブラザーが一番初めにカット用の椅子に座りました。理容師になんと説明するかを聞くために、私は少し近くに寄りました。

すると彼はこう言いました。

"As usual."

まずいと思いました。

どうやら毎月同じ理容師に切ってもらっていたようで、いわゆる行きつけの床屋だったのです。

頭の横の高い位置までバリカンで刈り上げて行ったので、何も言わないと同じになると思い、さらに心配になってきました。

次はホストブラザーのお父さんが椅子に座りました。100%の集中力でリスニングをしました。

"As usual."

笑顔でこう言いました。

これはまずいことになったと思いました。

今回は自分はカットせずに帰ろうかとも思いました。
髪の毛に関する単語や切り方を説明するためのボキャブラリーが少なすぎたのです。

悩んだ挙句、シドニーで床屋に来ることは一生で二度とないかもしれないと思い、切ってもらうことにしました。

ホストブラザーもお父さんもスッキリした感じで終わり、ついに私の番が来て椅子に座りました。

その床屋に日本人が来たのは初めてだったようで、
みんなが関心深く私の方を見ていました。

理容師のお姉さんが私に聞きました。

”How would you like it cut?”

多分こう言ったように思います。
Howとcutしか聞こえませんでした。

私はここで賭けに出ました。

"As usual."

普通の顔をして言ってみました。

すると、鏡ごしに私の目を見て笑顔でこんな感じで話していたと思います。

"Did you say 'as usual'? You are so funny!"

私を担当してくれていたお姉さんは、両隣に座っていた客も理容師にも説明し始め、店内中を巻き込んで爆笑していました。

初めてシドニーの床屋に来たのに、いつものようにしてくれと言うこの日本人は面白いぞ、とたぶん言っていたんだろうと思います。

何を言っていたかは聞こえていません。

オーストラリア人はこんな簡単に笑ってくれるのかと思ったと同時に、英語で人をこれだけ楽しませることができたことがとても嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。

たった二語の"as usual"でしたが、使う場面を工夫するだけで面白いことになりました。

最後に

英語で何を言うかという事に加えて、どのようなコンテクストでフレーズを使うのかも大事なのかもしれない、ということに気づいた体験でした。

ちなみに髪については、結局説明できずにおまかせ状態になったので、よくありがちな刈り上げスタイルにまとまりました。

髪の仕上がりはともかく、一生に残る体験ができたので思い切った価値はあったかなと思っています。

今日は久しぶりに英語の話で書いてみました。
何かのきっかけになれば幸いです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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