no.28 / 茶色のランドセル(#日向荘の人々 / 連作短編集⑤)
ーー小説版ーー
※目安:約1.4万文字
両親は、本当は女の子が欲しかった。
……というのは、妹の凜音が生まれた時に何となく気づいた。
俺が小学一年生の夏休みのことだ。
そんなことを心の片隅におきつつも、気にしないふりをして日々を過ごし、時は流れて小学四年生の十二月。
「三学期の学校公開日に、多目的室で二分の一成人式をします。一組と二組合同です。自分の成長を発表したり、これからの将来を考えたり、ご両親に感謝したりする会にしましょう」
教室は多様な反応でざわついている。俺は先生の言っている事をさらりと聞き流しながら、配布されたプリントを静かに読んでいた。ひとつは、家の人に渡す学校公開日のお知らせ。もうひとつは、家の人に自分の成長をインタビューするワークシート。
学校公開期間のうち、土曜日に設定された二分の一成人式。うちの親は、仕事だ凜音だとバタバタしているから、きっと来ないんだろうなと思う。俺はそのままパラパラと二枚のプリントを眺めていた。
帰宅するとランドセルを背負ったまま、一言お願い事を予約しておく。
「お母さん、宿題だからあとで質問に答えて欲しいんだけど」
夕食が済んでから、2枚のプリントを持って、予約通り母親のところへ行く。
「何の質問?」
お皿を洗い終わった手をタオルで拭きながら、こちらを向いてくれる。
「三学期の学校公開日に二分の一成人式をするんだけど」
「ああ、十歳のやつね」
ニコニコしながら学校公開のお知らせプリントを受け取ってくれたから、インタビューのプリントはダイニングテーブルの上に広げておくことにした。
「そこでみんな、自分の成長を発表するんだけど、そのためにいろいろ家の人にインタビューしなきゃいけなくて」
「どれどれ?」
置かれた方のプリントには、インタビューの例としてさまざまな項目が箇条書きにされている。
「名前の由来、どんな子になってほしいと思っていたか……へえ? いろいろあるね」
「うん……」
どうせうちは誰も来れないんだから適当でいいんだけどなと思いながら、でもこんな機会でもないと僕の昔の話なんか聞けないだろうと思って、母親の反応を待った。
「来年の一月、土曜日か。大体の親は休みだからって事なのね。行けるかなぁ?」
来れるかどうか考えてくれているだけでも想定外で、僕はちょっと嬉しかった。
「名前ねぇ。んー、実はね、最初違う名前を考えてたんだ」
「そうなの?」
初めて聞いた。
「病院では女の子ですねって言われてたから、女の子だと思って色々名前を考えてたんだけど、生まれる前に決めていたのが真凜っていうの」
「真凜?」
「だけど生まれたら男の子だったから、凜を取って真にしたんだけど、真もいい名前でしょ? 真実の真。母さんも気に入ってるよ」
そう言って優しくにっこりと笑った。
……そうか、僕は上田中真凜だったのか。
母さんは真という名前も気に入っていると言っているし、僕も嫌じゃないし、何不自由なく幸せに育ててもらっているから文句を言うつもりもない。きっと僕から溢れた凜の字は妹にまわされたのだろう。無駄にならなくて良かったじゃないか。でも、なんだから心の端っこが少しだけチクリとした。
ずっと女の子が欲しかった両親だから、病院で女の子だろう言われて、それを丸々信じて女の子が生まれてくる準備だけをしていたんだろう。だから、僕が赤ちゃんの頃の写真は、凜音の時と同じように可愛い服を着ていたり、髪の毛もサラサラした感じにカットされていたりしていたのか。赤ちゃんだからこうしていたんじゃなくて、女の赤ちゃんに、こうしたかったんだな。
知らない人に女の子と間違えられても、母さんはなんだかにこにこ嬉しそうにしていたし、身長が小さいのを気にしていた僕に、可愛くて良いじゃないと言ったのも、ランドセルの色が黒や紺じゃなくて、一方的に茶色を与えられたのも、そういう事なんだな、と。その時は小さかった出来事をひとつひとつ思い出す度に、どこかへ葬られたはずの真凜が僕の心をチクリと刺しては逃げていった。
何不自由なく、いわゆる幸せな家庭で、両親と妹と僕と、近くに祖父母が住んでいて、一般的な日本人の幸せな暮らし。そう。僕は恵まれている。
だけど、本当は茶色以外のランドセルも見て選びたかったし、ナチュラル風な服じゃなくて友達が着ているようなスポーツメーカーのTシャツが着たいとか、女の子と間違われるような髪型は嫌だとか、中学校ではバスケ部に入りたいとか、ちゃんと言いたかった。そういうチクチクが積もりに積もって……でも、そういうものなのだと諦めた。僕は恵まれているんだから、これ以上わがままを言ったら、きっとお父さんとお母さんに嫌われる。
「真、志望校決めた?」
高二の三学期。配布された進路調査票を眺めていると、後ろの席から背中を突かれる。川中田だ。俺が上田中でこいつが川中田。しかもフルネームは川中田仁。上田中真と紛らわしい音で、出席番号順は隣だし体格も同じくらいだったから、クラスの中ではすっかり一括りにされていた。
「俺は就職。仁は?」
仁は目をまん丸にして一瞬言葉を失った。公立高校だけどいわゆる特進校で有名な母校では、進学率は9割以上にものぼる。高二の時点で就職と決めているやつはなかなか少ない。
「え? おれ、俺はM大」
「へぇ、余裕なんじゃない?」
「へへ、だろ? それにしてもおまえ、就職すんの? すげーな。大手? 職種は?」
「……別に、働ければどこでもいい」
今度は口までまん丸にした仁が、完全に言葉を失った。きっと、無計画な俺に呆れているんだろう。
「さっさと書いちゃおうぜ、これ」
俺は前に向き直ると、サクサクと調査票を書き上げた。俺はただ、就職して家を出て自分で稼いで、言いたい事を遠慮しないでも自分の力で望みを叶える生活が送りたかっただけだ。
高校を卒業した年の五月。無事に就職した俺は、いつものように1人で昼食をとっていた。
「上田中くんは南高出身なんだね。なのに大学行かなかったの? なんで? もしかして進学できないくらい成績悪かったとか?」
同じ部署の先輩から「なんで?」なんて、面倒くさい上にデリカシーのない質問をされた。なんででもいいじゃないか。とはいえこの地域の公立では難関校として割と有名な南高出身だったから、高卒で中小企業に就職したのがよほどおかしく見えたのだろう。一応、七クラスある系統別成績順のクラスでは、文系トップのクラスにはいたんだけど、そんなのここでは関係ないし、誰も興味ない。どうでもいい。
「そんなとこです」
「へぇー。でもま、腐っても南高だな。仕事できるし覚え早いし、がんばれよ」
「ありがとうございます」
実家にいた頃の悪い癖は社会人になっても抜けることはなかった。人は、そう簡単には変わらない。会社から二駅のところに借りた一人暮らしの部屋では快適に過ごせていたけど、会社ではやっぱり思った事が言えなかった。
だんだん、一日が始まる朝の瞬間が辛くなって、それを思うと夜寝るのが怖くなって、ならばいっそ地続きの毎日を送ろうと、寝ずに出勤したこともしばしばで。
直接的な不調の原因なんてわからない。会社にブラックの要素を感じた事はないし、仕事の内容が大変だったわけでもない。俺より大変な思いをしている人はもっとたくさんいるはずだから会社でも特に話題することはなかった。環境には、全てにおいて恵まれている。そもそも愚痴をいうのが嫌いなくせに、その他の思った事さえも言えない性格なのはある意味問題があるだろう。結局寝られないのは自分の都合で、睡眠不足は自分の責任で、そんなのを言い訳に昼間眠くなるわけにもいかなくて。だから眠気覚ましになんだかよくわからないドリンクを飲んだ。
石の上にも三年。
入社式の時に誰か偉い人が挨拶で言っていた言葉が頭を掠めた。そう、三年は頑張ろうと。今辛いのはきっと、俺の努力が足りてないからだ。高校生気分が抜けていないのかもしれない。三年頑張れれば、その後だってきっと大丈夫。社会人として順応できるようになるまでは何があっても頑張ろう。
「シン……真!」
身体を叩かれている感覚に目を開けると、目の前には血相を変えた母さんがいた。
「……っ、よかった、……よかった……」
母さんは青白い顔をしたまま、ヘナヘナと座り込み、良かったと何度も言いながら泣いた。
会社を無断欠勤して二日間連絡が取れず、身元保証人である実家の両親へ連絡が入ったのだという。母さんが管理会社に事情を話して部屋の中に入ると、床に倒れ込んでいる俺を発見した。幸い息があるから必死に起こし続けてくれていた。ほら、やっぱり俺は恵まれている。心配して助けに来てくれる家族がいる。
入社して、三年目まであと二ヶ月の時だった。これと言って病気の所見はなく、ストレスによるメンタルの不調だということで診断がおり、実家で療養するため退職をした。
……三年、頑張れなかった。
「お兄ちゃん、今からでも大学行けばいいのに」
退職して、一人暮らしの部屋を引き払って実家でのんびり過ごす俺に、中二の凜音がキツイ一言をぶつけてきた。けど、キツイ事言うなよと心の中で思うだけで、相変わらず言葉にはしない。中学生相手にそんな事言ったところで、情けないだけだからだ。
「二十一歳だけどちっちゃくて可愛いから、今から半年勉強して入学しても、全然違和感なく大学一年生で通用するよ!」
あー、それは慰めてるつもりなのだろうが、一番ムカつくやつだぞ。
「凜、お兄ちゃんは療養中なの。回復するまではゆっくりさせてあげてね」
「はぁい」
僕とほぼ同じ身長の妹は、むぅと膨れながらも母の言葉に従った。
「凜音はもう受験勉強頑張ってるんだな」
「うん。私も南高合格してみせるからね。で、K大行くの」
「そうか。まぁまだ二年なんだし、無理するなよ」
「お兄ちゃんは? 大学受験しないの?」
「俺は、もう学校はいいや」
「もったいないの、せっかく南高卒業したのに」
勿体無いという価値観で大学なんていくところじゃない。南高だって、ただ数ある高校のうちのひとつなんだから……なんて、張り切る妹の前では言えなかった。母さんは就職してからの新生活でストレスを溜め込んだと考えているようだけど、たぶん違うと俺はぼんやり気づき始めていた。本当の意味での療養なんて、きっとここにいたらできないんだろうな。
その翌年の三月。そろそろ行動に移そうと考えていたことをいよいよ母親に伝える。
「母さん、俺考えた事があって、今ちょっといい?」
自分のことなんて家族にもほぼ話したことがない俺にとって、緊張したのは確か。
「ん? 何?」
洗い物を終えてタオルで手を拭いてから、ダイニングテーブルを挟んで向かい側に座った母親も、何を話されるのかという雰囲気で、若干緊張気味に俺を見た。
「そろそろ社会復帰を考えたくて」
「……あぁ」
そういう話かと言わんばかりにほっとした表情になる。メンタルを病んだ家族の言動なんて、無意識だとしても腫れ物に触るような反応をせざるを得ないんだろうな。
「少しずつならいいんじゃない? 病院には言ったの?」
「とりあえず意見書っていうの書いてもらって、正社員はまだ無理だけど、就業支援を受けながら短時間の就労を目指すのはいいんじゃないかってアドバイスもらった。アルバイトとか」
つまるところ相談ではなく、事後報告ってやつだ。俺には、自分の事を話すのでさえ、主治医の後ろ盾が必要だった。
「そう。お医者さんがいうなら、いいのかもしれないね」
「で、アルバイトが決まったら、また一人暮らしがしたいんだけど」
「……え?」
俺の気持ちは、周囲の期待する流れに添えないらしい。そう思って喉に出かかる事もなく飲み込んだ言葉たちがどれだけあっただろうか。だからこれは最初で最後のわがままのつもり。大丈夫なのかと問い続ける母さんに「本当はここに居たくないんだ」とは決して言えるはずもなく。
「自立したいだけ。今度こそ無理はしない。大丈夫だから、安心して」
としか言えなかった。
就労支援を受けながら、実家から程よく離れた地域でバイトとアパートを探した。どちらかというと都市部だけど、住宅街感もあるけど近所付き合いが少なそうな程よい環境。最低限一人暮らしに困らない設備と安い家賃が最優先の条件。築年数は、住めればいくら古くても構わない。バイト先さえ難なく行ければ、駅から遠くたって構わない。条件は多いけど、今の俺に必要な要素なのだ。
そうやって見つけた激安家賃の昭和アパートに、自分だけが快適であればいい空間の維持。経費を抑えようと思えば結構抑えられて、ストレスのない範囲で生活費の予算を削った。そのために必要な収入は、無理のない範囲でシフトが組めるアルバイトでもなんとか賄えそうだった。
夏と秋の境目。残暑が何となく和らいだ頃、無事に引っ越しが済んだ。古さ故なのか、六室ある日向荘は半分が空室だったようだけど、ここだけ募集がかけられていた102号室へ、車を出してくれた父さんと荷物を運び込む。そう、俺はこんなに恵まれている。
荷物はそんなに多くなかったから、レンタカーのハイエース一便で事が足りた。最低限の大型家電に関しては後日新居に配送される。
「父さん、ありがとう」
「荷解き手伝わなくて大丈夫か?」
「大して荷物ないし、このぐらい自分でできる。大丈夫、ありがとう」
「そうか。何かあればいつでも電話するんだぞ」
もう二年前のあんな出来事はゴメンだよな、本当にごめん。
「うん。母さんと、凜音にもよろしく」
「あぁ、気をつけてな」
「うん。父さんも、気をつけて」
それから一ヶ月ほどたった日の夜のこと。
メリメリという妙な音が聞こえたのには気づいていた。でも何なのか疑問も持たずに、数日続いた同じメニューのカレーライスをよそって椅子に座る。
「いただきまーす」
一人でも行儀良く呟いてスプーンを手にする。最近の習慣のままカレーライスをすくい口に運んだ。
ぱくり。うん、カレーライスはやっぱり便利な食べ物だよな。
『バリッ!バリバリ……』
先ほどまでメリメリしていた音がどんどん大きくなって近づいてくる。
『バリバリバリバリ』
『ドドーーン!』
『ヒャーーーーーーッ!?』
『バラバラバラ…』
何だ!? 地震? え? 爆発とか?
地響きを伴った激しい音がした方向を見る。なんか、人の声も混じってた気がするけど?
「そもそも何が……」
状況が飲み込めない。引っ越したばかりだというのに、もしもここに住み続けることができなくなったりでもしたらシャレにならない。
音がした方には、空室のはずである103号室。ただ、若干上の方から聞こえてきた感じもする。となると、203号室。そこは入居者がいたはずだ。あの声はそこの人か? 大丈夫かな。
激しい崩壊音で日向荘を騒然とさせた203号室の住人が、大家さんと一緒に俺の部屋102号室を訪ねてきたのは、その翌日だった。
「ごめんなさいねぇ、こちらの鳥海さんのね、本が! 本当に多くて、重くて床が抜けちゃったのよ、一部分だけなんだけどねぇ。鳥海さんが言うには相当な音と地響きがあったみたいだから、昨日はびっくりしたでしょう? ここも古いアパートだから仕方ないんだけどね、簡単な補修が済んだら203号室は封鎖して、鳥海さんには上田中さんの隣、今空室の103号室に入居してもらうのでね、よろしくお願いするわね。二、三日後くらいには転居作業が入ると思うから、隣が少し騒がしいけど、ごめんなさいね。何かあったらすぐに連絡してくださいね」
「……えっと、ハイ」
鳥海さんと紹介されたその人は、すらりと高身長で、俺より軽く二十センチ以上は大きい。ボサボサの髪とメガネで顔が隠れているけどたぶんイケメン。鳥海っていう名前までオシャレな気がする。きっと活動エリアだって俺とは接点がないような煌びやかな場所な気がするし、今はヨレヨレな格好をしているけど、外出時はきっとバシッとキラキラキメて出かけるのだろうな。そのギャップすら女子受けしそうな。ここに住んでいる意味さえわからない……口にはしないが気に食わない。まあ、九割ヒガミだけど。
「えっと、ごめんね」
なのに、大家さんに隠れるようにオロオロして玄関のドアノブをガチャガチャ動かしながら、落ち着かない様子で謝ってくるものだから気が抜けて思わず笑ってしまった。大家さんより三十センチくらいデカいあなたが隠れるなんて物理的に無理だよとは、やはり言えなかった。
「鳥海さん、この度は災難でしたね。102号室の上田中真です。フリーターです、よろしく」
「シン……? あれ? おわり? 聞き間違い?」
気のせいかもしれないけど、鳥海さんは若干ソワソワしている。
「シン、で終わりです。上田中真。どうかしました?」
「そっか、シン……いやなんでもないよ、ごめんね。俺は、鳥海拓人。ネットでいろいろ売ってます。いつもほとんど家の中にいるので、よろしく。迷惑かけたらごめんね」
え? 自己紹介地味すぎ。いつまでもドアノブをガチャガチャ動かしながら話す姿は、落ち着かないのか緊張しているのか、もはやよくわからないけど、意外と良いやつかもしれないと思った。簡易補修工事は意外とすぐに終わり、翌日バイトから帰宅する頃には、同じ業者によって鳥海さんの大量な荷物が103号室に運ばれていた。立ち会っていた大家さんによると、ずっと繋がりのある馴染みの業者さんらしい。何でも屋さんのように請け負ってくれるそうだ。
その日の夜、玄関の外から声がして、103号室に誰か客がやってきたようだ。ボソボソと低い声でしばらく会話が続くと、バタンと扉の閉まる音がした。大家さんと挨拶に来た日は、おどおどと地味で不思議な言動をしていたけど、やっぱり普段から友達が訪れるような陽キャなんじゃねーか。パリピめ。と、またもやそんなヒガミを抱いていた。
次の日、いつもより少し遅れてスーパーへ夕飯を買いに行って帰宅すると、ちょうど二階から背の高い武士のような住人が、外階段を使って降りてきたところに遭遇した。
「あ、102号室の。こんばんは。201号室の大井です」
「上田中です」
「申し訳ない、上田中さん。では失礼」
「……あ、すみません。じゃぁ」
大井さんはそのまま俺の横を通り過ぎ、103号室の前で立ち止まった。何やら買い物用の保冷バッグのようなものを抱えている。
コンコン、コンコン
「はぁーい! ちょっとだけ待ってー」
中から大きな声がした。鳥海さんだ。ん? 二人は知り合いなのかな? まもなくして扉が開く。
「おおー! 今日は何?」
「サバの味噌煮だ」
「煮魚とはすげーなっヒャッフゥーーー!」
あ、この奇声。203号室の床が抜けた日に、破壊音に混ざって聞こえた声と同じ。
「じゃ、どーぞー」
「失礼する」
大井さんは、鳥海さんの部屋に入って行った。まぁ、鳥海さんは先日まで二階の住人だったんだし、もともと知り合いだったんだろう。昨日の来訪者も、もしかしたら大井さんだったのかもしれない。俺は二人を見届けた後、自分の部屋へ戻った。
とはいえ楽しそうな話し声が聞こえてくるわけでも、来客があるような物音がするわけでもなく、時折鳥海さんの変な声が聞こえる程度で、大井さんの声はしない。かと言って部屋を出て行ったような物音もしない。
「ごちそーさんでしたー」
「おお。世話になった」
外からそんな声がして、カンカンカンと外階段を登る音が聞こえてきたのは、22時頃だった。
それからしばらくたった日曜日のお昼過ぎ、スーパーで、またあの人に会った。
「上田中さん、奇遇ですね」
「あ、大井さん。こんにちは」
201号室の大井さんだ。実はその間も大井さんは毎日のように鳥海さん宅を訪れているから、少し気になる存在だった。
「……一週間分、ですか?」
カゴにたくさん入った食材が目に入ったから、随分と買い込むんだなぁと思って質問すると、大井さんも自分のカゴをじっと見てから、俺の質問に納得するように「あぁ、これか」と言った。
「一週間とまではいかないが、毎日買い物するのも億劫なのと、あとは二人分だから量が多いんだ」
……二人分か。
「えっと、鳥海さんですか? 仲良いんですね」
俺が言うと、大井さんは一瞬目を丸くした。
「煩くしないようには気をつけているのだが、何せ隣だからな。迷惑をかけていたらすまない」
「いえ、その、迷惑ではなくて。特に気にはならないんですけど、毎晩十時頃に外階段の音がするので、毎日一緒に遊ぶなんて仲良いんだなぁと思って」
「いや、あれはその……」
ん? 大井さんは何か言いづらそうにソワソワしている。
「実は、Wi-Fiを借りていて、だな」
「……Wi-Fi、ですか?」
ちょっと話が読めない。
「その見返りとして夕飯を提供している」
「は?」
「そういう反応も無理ないが、最近料理関連の動画配信を随分と観るようになって、そうなるとスマホのデータ使用量も半端なく」
「動画なら、そうなりますね」
「先日大家さんと挨拶に来た件で、一時的にパソコンやらの電子機器をウチで預かっていたのだが、どうやら拓人はネット環境にかなりの拘りがあるようで」
挨拶の件……床が抜けた、あれか。拓人、そういえばそんな名前だったっけ。鳥海拓人。
「ちょうどデータ使用量の事でいろいろ検討していた時期だったから、ダメ元で交渉してみた。携帯以外の回線を新規契約するのは少々気も重い」
「まぁ、そうかもですね」
「それ以降、俺は夕飯を拓人に提供し、拓人は俺にWi-Fi接続を許可する。あそこにいる間、俺はタブレットで動画を見ながらレシピをメモっているし、あいつは本読んで変な声出してるだけ。全くの別行動。つまり、遊んでいるわけではない」
「そうだったんですね」
「だから以前から面識はあったものの特に話した事はなかったし、交流するようになったのは拓人が203号室の床に穴を開けてからなんだ」
「へぇ」
「もしよければ、上田中さんもどうですか。三人で飯食うのも良いのでは」
「……」
いいのかな、俺なんかがお邪魔して。鳥海さんにだって確認してないのに。ただでさえ他人と同じ空間で過ごすことが得意じゃないんだけど。
「無理にとは言わないが……」
「え? いえ、鳥海さんに聞かなくて良いのかなぁとか」
「あぁ一応事前に聞いてもいいが、まぁ玄関先で話せば問題ないだろう」
そんな感じなのか。なら、試しに参加してみるのも良いかもしれない。やっぱり無理なら次回から断れば良いし。
「あ、でもそれなら俺も何か手土産を……食後のデザートなんてどうですか」
「それは助かる」
大井さんはそう言うと親指を立てた。
コンコン、コンコン
「開いてるよー!」
中から屈託のない声がして、大井さんはすぐに玄関を開けた。
「あの、お邪魔します」
「あれ? シン・タナカ……?」
「上田中真、です」
名前間違ってるし。しかもなんか映画のタイトルみたいに呼ばれてるし。
「あぁ、拓人すまない。スーパーでばったり会ってな。良かったら三人で食べないかと俺が誘ったんだ。拓人は問題ないだろ」
「いいよー、田中さんいらっしゃーい!」
「……上田中です」
「えー、なんか小難しいなぁ。102号室の人だから102で良い?」
いや、そっちの方が言いづらくないか?
鳥海さんの住む103号室は俺の住む102号室とほぼ同じ造りだけど、角部屋ということもあって窓が一箇所多かった。玄関入ってすぐの小さな土間と右手につながる小さなキッチン。今風に言うとすると約六畳のダイニングキッチンと、奥に一部屋和室がある。玄関入って左手方向には扉があって、格好よくいうとユニットバスがある。とはいえここは昭和アパートの日向荘、風呂トイレ一緒という、タイル張りのレトロな空間。
「あんたの言ってた、魚焼きグリルの中に入れて使う黒いトレー、今日ポチっといたよ」
「あぁ、助かる。届いたら早速焼き魚食いたいな」
「いいねぇ!」
鳥海さん、大井さんのことはあんたって言うのか。俺はもはや数字だし。名前覚えるの苦手なのかな。そんなことを考えていたら、同じタイミングで「ちょっと待てよ」と鳥海さんが呟いた。
「んー、三人でいるとなると、いよいよ『あんた』じゃ都合悪いかな。……あんた、視力いくつ?」
「視力か? 俺は0.02と0.01だが」
うわ、大井さん視力悪っ。
「なにそれっヒャヒャヒャそんな数値測れるの! ちなみに102も眼鏡かけてるけど視力は?」
「俺は0.2と0.3です」
「なるほどね。俺は覚えてないけど小数点第2位までは行ってなかったはずだから……そっか。あんたは今日から『メガネ』だっフィーーーーッフーーー!」
「メガネ……? 三人とも眼鏡使用じゃないか」
「だって、視力一番悪いんだから、一番度が強いメガネ使ってるんだろ? メガネオブメガネで、コードネームはメガネだ! ヒャヒャヒャッ」
鳥海さん、着眼点と着地点が独特すぎる。無邪気に笑うけど、独特な視点が想定外すぎて、どことなく狂気を感じる。
「じゃあ改めて102とメガネ、よろしく。102もこれから毎日ウチで飯食うんだろ?」
そんな事は言ってないけど……でもニコニコ楽しそうな鳥海さんに「もう来ません」なんて言いにくい。
「じゃあ、さっさと台所借りるぞ。今日は親子丼だ」
「ヒャッフーーーーーー!俺、卵ふわふわがいい!」
「わかった。102は?」
「……じ、じゃぁ俺も同じので」
「そうか」
俺が毎日来るのかどうかの返事をする間もなく、大井さんは玄関横のキッチンスペースで手早くお米を研いで支度を始め、鳥海さんは俺がここで毎日夕飯を共にすると勝手に決めたように納得して、ゲーミングチェアに座ったまま本を読み始めてしまった。
「あのさ、ありがとね」
「え? なにがですか」
しばらく経って、ご飯が炊き上がるタイミングに合わせるように、鳥海さんはふと読んでいた本を机に伏せ俺にお礼を言った。
「203号室に穴が空いて103号室移動しただろ? 俺の隣の部屋にいて二ヶ月以上経っても出て行かないでいてくれたの、102が初めなんだよね。だからちょっと嬉しい」
そういってにこりと笑った鳥海さんは、身体だけは大きいけど子供のようだ。それにしても……みんな二ヶ月持たなかったって事? 一体なぜだ。
「ほら、俺うるさい……じゃん?」
自分でも気づいていたのか。恐る恐るという言葉がピッタリな目つきで、俺よりも上からの位置なはずなのに妙に上目遣いでたずねられた。確かに時々叫ぶのうるさいなとは思うけど、そんなふうに見られると強く言えない。
「確かにたまに騒がしいけど。でもそれを言ったら俺も知らない間に何かしちゃうかもだし、こういう建物に住んでいる以上はお互い様かな、と思いますよ」
「やっぱりすげぇいいヤツだなぁ! ヒヒヒ!」
鳥海さんは上目遣いを解いて、安心したように満面の笑みを見せた。そんな、俺はいいヤツじゃないよ。口に出す勇気がないだけの饒舌な腹の中なんて、誰にも見せたことがないんだから。
「一応叫んじゃうの自覚あるんだよ。意識してる時は何とか抑えられるけど、ずっとそうしてるの疲れるし。子供の頃は怒られてから『またやっちゃった』って思うんだけど、大人になると怒らずにスッと去ってくだけ。それもそれで結構堪えるんだよなぁ。だから、お隣さ嬉しくて! うるさかったらいつでも文句いってくれていいから、これからも102号室にいてね。仲良くしような、いっちゃん」
「い、いっちゃん?」
「102って長いから1のいっちゃん! 俺のことはたくちゃんって呼んでいいよ」
……それなら上田中のかっちゃんでも良い気がするけど。
「よし、二人ともできたぞ」
鳥海さんはそれまで座っていたゲーミングチェアを、座ったままコロコロ転がしてテーブルのあるダイニングキッチンへ乗り込む。
「じゃあ102はこっちで」
「うん」
数少ない食器とか炊飯器、冷蔵庫などが並ぶ壁側の席を指さされる。俺は大井さんに言われた通り、静かに指示に従った。
「いただきまーす」
三人で、ラーメンどんぶりによそわれた親子丼を食べ始める。
「大井さん、これめちゃくちゃ美味い」
入れ物が入れ物なだけに量が半端ないけど、今日は全部食べられそうな気がするから不思議だ。
「そうか、それは良かった」
「うん、メガネはこう見えて料理上手いんだよ」
「しかし……」
「ん? どうした、いっちゃんの事見て?」
「いや、102がラーメンどんぶりによそわれた飯をがっついているのを見てだな、ちょっとこれは普通のどんぶり買った方がいいかなと気付かされたというか」
「ああ、確かに! いっちゃんとラーメンどんぶり親子丼のコントラストはヤベーーッヒャーーーッフウウウウ!」
あんたたちがデカいだけじゃん……と、心の中でツッコミを入れる
「無理せず、食べきれなかったら残していいぞ」
「食べきれます!」
「これはこれは可愛らしいサイズだな! ヒヒヒヒヒ!」
「……」
一人じゃない夕食。今までだって家族と食卓を囲んだ事なんて数えきれないほどあったのに、この日他人であるはずの三人で一緒に食べた親子丼は、めちゃくちゃ美味しかった。
こうして日向荘での俺の生活は始まったのだ。メガネくんが他の住人にも次々と声をかけて、気づけばまるで家族みたいに、全住人が103号室に集まっている。
こんな楽しい日々を送っていても、入居の時に立てた“自分を変えないと”という決意を達成できたのかなんて、結局答えは決まっている。俺は何も変わっていない。変えることができていない。いつも通り楽しそうなみんなを、少し離れたところから眺めて、俺自身の言葉は腹の中に飲み込んで。
「そういえばさ、いっちゃんは何か趣味とかあるの?」
「え?」
「趣味でも好きなものでもさ。遊びでも本でも音楽でもゲームでも食いもんでも、なんかあるっしょ?」
そういえば、そんなの考えたことなかった。
「無趣味っていうか……な」
「ふーん。まぁ、無趣味っていうのも一つの好みだよな。俺はこれね、帰宅部シリーズ。俺の人生を変えた本!」
へぇ。そんなふうに言い切れる本に出会えるなんて、なんかすごいな。
「キツネはきつねうどんが好きなんだろ? ヒヒヒ」
「僕は音楽一筋っスよ! きつねうどんは少しの間食べなくても我慢できますけど、作曲はできなくなったら、僕死んじゃうんスからね!」
「やべーじゃん!」
「そんなこと言うなら、たくあんさんの帰宅部シリーズも取り上げちゃいますよ」
「えー、やだー」
キツネくんも、そういうの、なんかいいな。
「メガネは料理だろ?」
「そうだな。自分のバランスを整えるのにとても重要なものだ。それを一緒に食べてくれる仲間がいるからこそ腕を振るえるという事でもあるがな」
「僕あれっスね、メガネさんのカレーが好きっス!」
「市販のルゥじゃないからな。こだわりのスパイスを厳選している。調達先はスーパーだが」
好きなだけじゃなくてすごく上手だからすごいな。メガネくんの作るご飯は本当に美味しい。
「ござるはヒーロースペシャルタイムだろ?」
「特に激推しは、文具戦隊ブングオーのイエロールーラーである!」
イエロールーラーの名乗りポーズなのか、堂々としたござるくんが変な型を決めた。
「そこはレッドじゃねーのかよ! ヒャヒャヒャ!」
「マニアは色に惑わされずに、ちゃんとキャラクター性を見て推すものなのである!」
いつも物静かなござるくんだけど、ヒーローの話をするときだけは目の色が生き生きと変わる。
「いっちゃんのそういうやつ、知らなかったなぁって思って。なるほど、無趣味かぁ」
たくちゃんはいつもの無害なニコニコ顔でこちらを見るけど、本当にそんなもの考えたことなかったかもしれない。四年前に倒れてからは療養が第一だったし、それまでの記憶だって何となく薄れてきちゃったし。なにしろ、周囲に気を使うことばかり考えていたから、自分が何が好きかなんて気付こうともしなかったんだろうな。
「……どうした?」
「あぁごめん俺、ぼーっとしちゃって。自分のこと何も知らなかったなって……考えちゃってた……」
好きなものがあるのかないのかさえわからないなんて、情けなくて言えない。無趣味かどうかでさえ、はっきり言い切れないのに。
「人生は長いからな、ゆっくり気付いていけばいいんだ」
「そうそう、好きなものがあってもなくてもいいし、みんなが良いっていうものを良いと言えても言えなくてもいいし、別にわかってもらえてももらえなくても、自分が満たされればそれでいいと、俺は思うんだよ。だからどんな自分に気付いていっても、嫌いになっちゃダメだよ」
「それってあれっスね! たくあんさんの『反宇宙主義団シリーズ』にもそんなセリフあったっスよね!」
「おお! キツネ、良く覚えてんじゃねーか」
「当たり前っスよ。何度も読みましたから」
「つまり102氏は、そんな頑なにならなくても、自分が好きなものを好きって言って、やりたいことをやりたいって言えばいいのであるな」
「そーそー」
「俺が……好きなもの?」
目の前の変わらぬニコニコ顔が、うんうんと頷いている。やっぱり俺は恵まれている。家族にも環境にも仲間にも恵まれてる。
「なんなら嫌いなものを嫌いって言ったっていいんだから」
嫌いなもの?
「そんなに硬い顔で我慢ばっかりしてないでさ」
俺、我慢なんてしてるつもりないけど……
「ここにいる全員、みんな違うじゃん? いっちゃんも、自分の思い込みとか周囲からの目とかに縛られてないで、ここでは自然体でいたらいいんだよ」
……自然体って何だ?
「あーっ! たくあんさん、102さんを泣かせちゃダメでしょ! あぁっもう。よしよし。ほら、たくあんさんも黙って見てないで!」
キツネ君の声に驚いてそちらを見ると、心なしか視界が揺れている感じがした。
「えー俺がダメなの? 何か間違えた?」
「ほらこれ、ティッシュ使うである」
「……え……?」
ござるくんがバタバタとティッシュを箱ごと俺の近くに置いてくれる。状況がよく飲み込めない。俺は泣いているのか?
「何も焦ることはない。つまり、もう少し自分に寛容になってもいいんじゃないかと言うだけの話だ」
そう言ったメガネくんは背中をトントンと叩いてくれる。その手に押されるように、自分でも制御が効かなくなった涙が、目から次々溢れてしまう。
「あーあ、ごめんねいっちゃん、俺何か間違ったかも。ほんっと俺こういうとこ」
俺こそごめん、急に泣き出したりして、みんなを困らせてる。でも、上手く声が出なくて、更にみんなを困らせてしまう。たくちゃんはゲーミングチェアから降りると膝を床について、こちらを覗き込んでいる。泣き止まなきゃ。みんなにこれ以上迷惑をかけないように。でも、溢れ出した涙と一緒に何かが胸の奥かが湧き上がってきて、もう全て吐き出さずにはいられない。なんでみんなはこんなに優しいんだよ。
「俺……っ、本当は紺色のランドセルが良かった……」
喉を絞るようにして吐き出された声に、思いもよらない言葉が乗って俺の耳に届いた。ランドセルの話とか、今俺はみんなの前で何を言ってるんだ? やめろやめろ。こんな事今言ったってもう過ぎた事だろ。みんなにも関係ないことじゃないか。
「名前の由来なんて、正直に教えてくれなくても、良かったし!」
堰を切ったように溢れ出した言葉は、涙と共に、もう止まらなかった。
「よりによって凜音に同じ字を使い回すとか。服だって持ち物だって部屋だって、全部母さんの好きなものが準備されてて、なのにしっかり何不自由なく育ててくれて。俺何も文句言えないじゃないか。不満があるなんて言ったら、ただのわがままみたいじゃないか……」
自分でも何を言っているかわからないまま、腹の奥から湧き上がる言葉をしばらく吐き出していた。みんなは代わるがわる俺に声をかけてくれたり、宥めるように背中をさすったり、何も問い詰めず、ただずっと近くにいてくれた。
もし俺が女の子として生まれていたら。
そうじゃなくても
あんなに女の子を切望されていなかったら。
ランドセルを一緒に選ぶことができたら。
妹の名前が凜音じゃなかったら。
就職先をもう少しちゃんと考えていたら。
就職じゃなくて進学してたら。
あのタイミングで倒れなかったら。
そもそも自分の言葉を出すことを
こんなに恐れていなければ……
今更こんなことを思うのは簡単だけど、でも自分の身に起こった出来事のどれかひとつでも違ったら、多分俺は今ここにいなかった。
みんなにも、会えていなかった。
全部繋がってた。
あの日
心を閉ざした俺も。
……ここに辿り着いてよかった。
《茶色のランドセル・完》
ーーフルボイスアニメ版ーー
【連続アニメ小説「日向荘の人々」旅立ち編】
▶︎心のツッコミに定評のある102。だが心の声が口から外に出ていかないのには理由があった……
ep.102「茶色のランドセル」はこちらからご視聴いただけます
声の出演
上田中真/焔屋稀丹さん
真(少年期)真の母/EA011さん
鳥海拓人/韮山蒼太さん
大井崇/Neguさん
金森友太/成林ジンさん
河上翔/控田まりおさん
【朗報】動いて喋る住人たちを覗き見れるのはこのチャンネルだけ!!
▶︎小説版では描ききれていなかった、住人たちの出会い編と、そのシナリオアイズ版(脚本)もよろしくお願います!
▶︎わいわい楽しい【日常編】もついに完結!
全てをそこに置いてきた!!
いいなと思ったら応援しよう!
最後まで読んでいただきありがとうございます!