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「やる気」に頼らない創作最大化の方法

小説を書くことに限らず、創作を人生の糧にする者にとって創作時間をどう確保するかは、無職で養ってくれる人でもいなければ最大の問題だろう。実際、僕自身の経験を振り返ってみれば、創作には概ね夕食後の時間をあててきた。ときには、仕事の合間時間を使ったりもしている。

しかし、年齢、仕事の内容や家庭環境の変化などによって、今までのやり方がこれからもできるとも限らない。仕事で出張が多かったり、資格取得の勉強をしなければならなくなったりすると、創作の時間を確保するためには相当に工夫が必要になる。僕はそう考えていた。しかしそれは間違いだった。

最も重要で、もっとも集中が必要なことは、一日の最初にやるべきだ。なぜなら、もっとも疲労が少ない時間帯だからである。これが今日の記事の結論だが、なぜそうなるのかということを説明していく。

1 導入

創作はしばしば「やる気」で語られる。今日はやる気があるから書ける、やる気がないから書けない、といった説明である。しかし実際の創作は、そのような感情の有無で安定して成立するものではない。問題は「やるかどうか」ではない。「やれる状態かどうか」である。

同じ人間でも、ある日は数千字書け、別の日は一行も進まない。この差は意志の強弱ではなく、状態の差である。創作を安定させるためには、この「状態」をどう設計するかが重要になる。

2 時間は余らない

まず前提として、時間は余らない。平日は仕事があり、生活があり、疲労がある。この三つで一日の大半は消費される。仕事+生活+疲労で一日は成り立っている。その中に余る時間はない。

余った時間そのものがないのだから、余った時間で創作する」という発想は成立しない。ここが多くの人が誤解する部分である。創作は「余った時間」で行うものではない。あらかじめ割り当てた時間で行うものである。この前提を受け入れない限り、創作は安定しない。

3 ルーティンの本質

創作を継続するためにルーティンが重要だと言われることが多い。しかしルーティンは単なる行動の自動化ではない。ルーティンの本質は、選択の削減である。今日は書くかどうか、何時に書くか、どこで書くかといった選択が毎回発生すると、それ自体が負荷になる。

人は選択を繰り返すほど疲労するため、判断の段階で止まることが増える。ルーティンを設計するとは、「選ばなくても実行される状態」を作ることである。時間帯、場所、行動順序を固定することで、創作は判断ではなく手続きになる。

4 最重要:時間帯設計

創作の質は、時間帯によって大きく変わる。これは意志ではなく、身体の状態に依存する。夜は疲労が蓄積している。思考は鈍くなり、集中は途切れやすい。その結果、書けたとしても品質は下がる。

一方、朝は回復している。思考は整理され、集中も持続する。この時間帯では同じ時間でも明らかに質が高い。この差は無視できない。創作量だけでなく、内容そのものが変わる。したがって、創作は「いつやるか」でほぼ決まる。

5 三分類モデル

生活を整理するためには、活動を三つに分けると有効である。
① 生産(執筆)
② 投資(インプット)
③ 維持(仕事・家事)
生産は直接的に作品を生む行為であり、最優先である。投資は知識や技術の蓄積であり、中長期的に効く。維持は生活を成立させるために不可欠である。

この三分類で一日を捉えると、何に時間を使っているのかが明確になる。創作が進まない原因の多くは、生産の時間が確保されていないことにある。

6 やらない設計

創作時間を確保するためには、「他のことをやらない」必要がある。しかし重要なのは意思で我慢することではない。やらないように設計することである。例えば、食事中にスマホを見ない、トイレにスマホを持ち込まない、動画視聴を制限する。

なぜスマホを見ながらがよくないかと言えば、5分で終わることを15分にも20分にもしてしまうからである。これらは小さな行動に見えるが、積み重なると大きな差になる。トイレにスマホを持っていかないだけで、30分は時間を確保できるようになる。意思で制御するのではなく、行動環境を変える。これが継続の条件になる。

7 集中を壊す要因

創作において最も大きな障害の一つがスマートフォンである。短い動画やSNSは断続的な刺激を与え、思考を分断する。集中がしばしば途切れる状態では、長時間の創作が難しくなる。思考が深まる前に別の刺激が入り、集中が維持できないためである。

一方、音楽は性質が異なる。Spotifyやポモドーロ動画のような連続的な音は、思考を遮断せずに維持する働きを持つ。完全な無音よりも、一定の音環境の方が集中しやすい場合もある。重要なのは、思考を切らない環境を作ることである。

8 結論

創作量は才能ではなく、設計の精度で決まる。やる気は波があり、再現性がない。一方、設計は再現できる。創作とは時間の残りでやるものではない。時間を先に割り当てることによって充実した状態で創作に取り組むことができる。

この一点を理解し、時間帯、ルーティン、環境を設計すれば、創作は安定する。逆に言えば、設計を持たない創作は継続しない。創作を最大化するとは、能力そのものを高めることではなく、取り組む状態を作ることである。

冒頭に書いたように、僕は夕食後から就寝までの時間を使って長らく創作をしてきた。しかし最近は、資格取得の勉強が追加されたり仕事が激務になったりして、今までの時間帯では疲労して執筆の効率が大幅に下がっていた。

なので状態を作るように検討し、一時間早く起床して一日の最初にまず執筆を持ってくるようにしたのだ。その結果、フレッシュな状態で執筆に取り組めるため、集中力が増し、執筆が苦痛ではなくなった。そしてさらに、インプットしたい作品や資料を見る時間も大幅に増えた。

日常に疲れて創作ができないという創作者は、ぜひとも一日の最初に創作を持ってきていただきたい。それだけで創作の効率が大幅に上がるはずである。

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