給湯器が壊れた日常と、ミトコンドリアを刺激する冷水健康法の果てに見つけた「お湯のありがたみ」
皆さんおはようございます。6月17日、水曜日を迎えました。
今朝のバレンシアも、息を呑むほどに見事な快晴です。
朝の9時半を過ぎる頃には、肌を刺す太陽の光が「ああ、今日も本格的に暑くなるぞ」という確かな予感を運んできます。日向を歩いていると容赦ない熱気を感じますが、それでも日陰に入れば、地中海から吹き抜けてくる乾いた涼しい風が、火照った身体を優しく撫でていく。
そんな素晴らしい天気のなか、僕の心は今、とてもさっぱりとした幸福感に満たされています。 実はここ1、2週間のあいだ、家の給湯器が機嫌を損ねて完全に壊れてしまっていました。つまり、自宅で温かいシャワーを浴びることができなかったのです。
それが昨日の夕方、ようやく業者による修理が完了し、家に「お湯」が戻ってきました。「蛇口からお湯が出る」という、日本では蛇口の数だけ当たり前に存在している奇跡。そのありがたみが、じんわりと染み渡っていくようでした。
かつてニュージーランドで暮らしていた頃にも、こうした「ある日突然、お湯が出なくなる事件」にはしょっちゅう見舞われていました。そういう時、人間は大人しく冷水シャワーを浴びるしかありません。 幸い、今のバレンシアは夏ですし、元々僕は真冬であっても「ミトコンドリアを刺激して免疫力を高める」という一種の健康法として、あえて冷水のシャワーを浴びたり、真冬の湖で泳いだりする悪癖があります。
ニュージーランドの友人からは、それやるなら不健康でいい。と言われて変人扱いされていました。笑
だから水シャワー自体は、頭がすっきりと冴え渡ってむしろ気持ちよかったりもしたのですが、それでもやはり、一日の終わりに温かいシャワーに包まれる安心感は、何物にも代えがたいなと改めて痛感しました。
失ってみて初めて、僕たちは日常のすぐ足元にある大切なものの価値に気づかされるわけです。
一ユーロ186円の景色と、メッシが変える朝の重力
温かいシャワーで身を清めたあと、朝のニュースをいくつかチェックしていて、僕は少しだけ複雑な、あるいは静かな思考のなかに落ち込んでいました。
為替のレートを見ると、1ユーロが186円という、驚くような数値を叩き出しています。 日銀による利上げ(言うても1%程度のものではありますが)のニュースを聞いていたので、どこかで「これで少しは円安にも歯止めがかかるか、あるいは円高へと振れるのではないか」という淡い期待を抱いていたのですが、現実はそう甘くはありませんでした。市場の冷徹なダイナミズムは、僕たちのささやかな期待をあっけなく通り過ぎていきます。
贅沢な暮らしをしているわけではないので、生活がにっちもさっちもいかなくなる、というほど困窮しているわけではありません。普通に観光客として滞在するよりは、家を借りて生活してしまった方が遥かに安く済むという現実もあります。
けれど、日本円だけで生活を営んでいる身としては、何かを支払うたびに「どこかもったいないな」という不条理な感覚がどうしても頭の片隅をよぎります。世界という大きなシステムから、僕たちの母国が少しだけ静かに置いていかれているような、そんな妙な切なさを朝のコーヒーをすすりながら感じていました。
果たしてこの波はどこまで行くのか、もはや一人の観客としてその行方を見届けてやりたい、という奇妙な楽しみすら湧いてきます。
そんな少し重たいニュースの空気を一瞬にして吹き飛ばしてくれたのが、ワールドカップのハイライト映像でした。
なんと、あのメッシがハットトリック(1試合3ゴール)を達成したのです。 画面の中で彼がゴールネットを揺らす瞬間を何度も見返しながら、僕は朝から一人で大興奮していました。
決めるべき立場の人間が、世界中の凄まじいプレッシャーを背負いながら、本番の舞台で平然と3点をもぎ取ってみせる。その圧倒的なメンタルの強靭さ、そして年齢を感じさせない精密な技術の美しさには、ただただ脱帽するしかありません。
「やれやれ、やっぱり凄い人間というのは、どこまでいっても凄いものだな」と、胸の奥がすっと熱くなるのを感じました。
為替の不条理なシステムに頭を悩ませるよりも、一人の人間が体現する圧倒的な個の力に興奮する方が、月曜日の朝のスタートとしては遥かに健全ですね笑。
聖堂のチケット事情、そして動く書斎のロードマップ
さて、僕たちの次なる旅の目的地である「バルセロナ旅行」の計画ですが、昨日でほぼ全てのピースが綺麗にカチリと揃いました。 現地の宿も、バレンシアからの交通手段も、そして何より一番の難関だった「サグラダ・ファミリア」の入場チケットも、無事に全て抑えることができたのです。
それにしても、サグラダ・ファミリアの「イエスの塔」完成に沸くバルセロナの熱量は、事前の想像を遥かに超えていました。 チケットの予約画面を覗いたところ、なんとほぼ1ヶ月先まで全ての日時が完全にソールドアウト(完売)になっていたのです。
もしこれからスペインへの旅行や滞在を計画している方がいれば、悪いことは言わないから、主な観光地のチケットだけは、航空券と同じくらい前の段階で確実に予約しておくことを強くお勧めします。現地に行ってから「入れなかった」では、流石に目も当てられませんから。(先日ナスル朝宮殿には入れなかったのは僕です)
相変わらず、妻のビザの正式な承認証(紙の書類)はなかなか届かず、それが来ないことにはその次のステップの手続きに進めないという、相変わらずの「宙ぶらりん」な状態は続いています。
けれど、バルセロナ旅行への具体的なロードマップが確定したことで、僕たちの7月までの視界は割とクリアになりました。
足元が少しずつ固まってきたところで、手元には相変わらず進めるべき仕事が山のように溜まっています。 1週間ぶりの温かいシャワーで身体のサイクルを完璧に整え、メッシのハットトリックから極上のエネルギーをもらった今、今日の僕は無敵に近いコンディションです。(単純なんです)
皆さんも、どうぞご自身の日常のなかにある「小さな当たり前のありがたみ」を感じながら、素晴らしい水曜日の一日をお過ごしください。
ありがとうございました。
