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【妄想ストーリー】 #25 MY WINDING ROAD

THE YELLOW MONKEYの楽曲『MY WINDING ROAD』の歌詞背景を独自の世界観と言葉で物語にした作品です。


都会の夜は、どこか嘘くさくて冷たい。
ネオンの光はアスファルトの上で濁り、人々はそれぞれの孤独をポケットに隠したまま、足早に通り過ぎていく。
街の空気に漂うのは、慢性的な退屈と、言い知れぬ憂鬱だった。
男は、古びたバーのカウンターに一人、腰掛けていた。
目の前にあるのは、「愛されたい、愛されない」と不敵な冗談を冠した、ひどく渋い色のグラス。
そのワインを傾け、乾いた青い夜を赤く染め上げるように、彼は息を吐き出す。
前作の大きなヒットという予想外の波に飲まれ、世間からは分かりやすい正解や、華やかなアッパーチューンばかりが期待される日々。
しかし、彼の内側にあるのは、そんな薄っぺらな同調圧力に対する冷ややかなシニシズムだった。
「退屈で憂鬱な言葉なんていらないさ。今夜はちゃんと言うよ、おまえが欲しいんだ」
心の中で、あるいは唇の上で、彼はそう呟く。
誰かに向けた言葉のようであり、それは同時に、自分自身がずっと見失いかけていた生の実感に対する飢えでもあった。
場所は変わり、街の片隅にある「Too Much to Bear」と名付けられたセレクトショップ、あるいは鏡張りのブティック。
世間の目を気にして身にまとった、プライドの皮で出来た窮屈なスーツを脱ぎ捨てる。
単純で軽薄な答えなど、この先何度突きつけられたところで何の意味もない。
狂っていること、ままならない現実にもがき続けること、それはまるで、ゼンマイが狂いかけてカチカチと音を立てるボロ時計のようだ。
だが、その不完全な鼓動こそが、確かに彼が生きている証だった。
「踊ろうよSexy groove、ゆっくり Sexy groove…」
頭の中で、いつしかあの懐かしくも退廃的なグルーブが鳴り響く。
夢を殺しかけていたのは、いつだって自分自身だったかもしれない。
愛を忘れかけ、日々にすり減らされた心は、まるで光を失ったボロいディスコのフロアのようにつまらなく淀んでいた。
それでも。  
斜めに切り裂かれたような歪んだ時代の中で、夢中な自分たちを嘲笑う冷たい視線があったっていい。
「あぁ、真夜中に踊り狂いながら、この世界の大きな鼓動を肌で感じるのも悪くないじゃないか」
紫色に妖しく濡れた退廃の時代に、天井から吊るされたミラーボールが、ふとゆっくりと回り始める。
「It's my disco…」ここは俺たちの世界だ。  
背中に背負った希望と、胸の奥底でくすぶる激情。
それらを決して消さないように、彼は長い曲がりくねった道を、傷つきながらも一歩ずつ進んでいく。
不確かな明日へ向かう足取りは重くても、心の底では新しい何かが確実に目を覚まそうとしている。
退屈な夜を切り裂いて、本当の愛と真実を求めるための、鮮やかなスパークが散る瞬間を待ち焦がれながら。
新しい時代の中へ向けて、ミラーボールの光は今日も、孤独な街の底で回り続けている。


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