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まいにち易経_0329【天の下に雷行き、物ごとに无妄を与う。先王もって茂んに時に対し万物を育う。】[25䷘天雷无妄:象伝]

象曰。天下雷行。物與无妄。先王以茂對時。育萬物。

象に曰く、天の下らい行き、物ごとに无妄をあたう。先王以てさかんに時に対して、万物をいくす。

【現代語訳】
象伝に曰く、天の下を雷が行き渡り、万物おのおのに无妄(=ありのままの自然な状態)を与える。先王はこれを手本として、万物が盛んに成長する時節に合わせて、万物を育むのである。

【意訳】
遥か天空の下を、春を告げるかのように雷が鳴り響き渡ります。その力強い響きは、まるで眠っていた大地のあらゆるものを揺り起こし、それぞれが天から与えられたありのままの、偽りのない姿で活動を始めるよう促すかのようです。木々は芽吹き、花は咲き、鳥は歌い、獣は野を駆ける。すべてが天の理に従い、自然の摂理のままに生き生きと躍動するのです。これこそが「无妄」の姿、すなわち天から与えられた純粋で自然な状態にほかなりません。

いにしえの聖き王たちは、この大自然の壮大な営みを深く心に刻み、それを民を導き、国を治める上での大切な手本としました。彼らは、決して人間の浅はかな知恵で自然の流れに逆らったり、無理強いをしたりすることはありませんでした。むしろ、万物が自ら成長し、その持てる力を最も発揮する「時」というものを見極めることに心を砕いたのです。

そして、それぞれの草木が伸び、動物たちが活動する、その最も良き季節やタイミングに合わせて、そっと手を差し伸べ、必要な助けを与え、その成長を見守りながら、あらゆるものを豊かに育んでいきました。それはまるで、熟練した庭師が、一本一本の木や草花の性質を知り尽くし、最もふさわしい時に水や肥料を施すように、細やかな配慮と深い知恵に満ちた、愛情深い営みであったことでしょう。

随所に主たり

古来より、人々は壮大な自然の営みに畏敬の念を抱き、その奥に潜む摂理を読み解こうとしてきました。易経えききょうという深遠な書物には、宇宙と人生の様々な様相を映し出すと呼ばれるシンボルが記されています。その一つに「天雷无妄てんらいむぼう」という教えがあります。これは、天空に轟く雷が無心であるように、人もまた私欲や偽り(もう)から離れ、純粋で誠実な心で生きることの大切さを示唆しています。

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