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【Lil Fovnt #54】新設ラウンド32。アジアの現在地と、可視化された残酷な距離

昨日の自分の愚行、昼飲みの誘惑に見事なまでに惨敗した結果こうなってしまったが、改めて書いておこうと思う。

自分が自堕落な時間を過ごしている間にも、ワールドカップの熱狂は止まらない。

気がつけば、日本を絶望させたあのブラジルが、ノルウェーに敗退して大会から姿を消した。
それにしてもノルウェーのハーランドはマジでヤバい。
中継の解説でも「作戦ハーランド」なんて身も蓋もないことを言っていたが、文字通りその理不尽なまでの個の暴力だけで、あのブラジルを沈める結果を出してしまった。

しかし、今回書いておきたいのは、今大会から新設された「ラウンド32」の話だ。
参加国が48カ国に拡大され、新たに生まれた決勝トーナメント1回戦。
結論から言うと、ここでアジアのチームは全て姿を消すことになった。

今大会、アジアからは9カ国が参加した。
枠が広がったことでアジア全体のレベルが底上げされたような錯覚に陥りそうになった。
だが、現実は残酷だ。

9カ国も出場しながら、グループステージの混沌を抜け出し、ラウンド32の舞台に駒を進めることができたのは日本とオーストラリアのたった2カ国のみ。
イラン、韓国、サウジアラビアといったアジアのトップ層を含め、7カ国(イラク、ヨルダン、カタール、ウズベキスタン)が早々に大会を去った。

そして、突破した日本とオーストラリアもこの新しい壁を越えることはできず、ベスト16を前に全滅した。

このアジアの惨状をさらに際立たせているのが、同じく新興勢力と括られがちな「アフリカ勢」の異常なまでの躍進だ。
今大会、アフリカからは10カ国が参加したが、なんとそのうち9カ国(アルジェリア、カーボベルデ、コンゴ民主共和国、エジプト、ガーナ、コートジボワール、モロッコ、セネガル、南アフリカ)がグループステージを突破している。
敗退したのは、日本と同じグループだったチュニジアのみ。

モロッコ、エジブトはラウンド32も突破し、ベスト16にも進んでいる。

「出場枠が広がった」という同じ条件の下で、アフリカは世界との距離を確実に詰め、アジアは完全に置いていかれた。

ごまかしの利かない「規格外のパワー」や「歴史に裏打ちされた強豪のしたたかさ」を前に、アジアの戦術や組織力だけではどうにもならない分厚い壁が立ちはだかっている。これが、世界における我々のリアルな現在地だ。

一方で、このラウンド32という未知のシステムがもたらした強烈な熱狂もある。
躍進するアフリカ勢を象徴するように、個人的に今大会のラウンド32で一番熱かったのは、カーボベルデが王者アルゼンチンに見せた善戦だ。

名前すらピンとこないであろうアフリカの小さな島国が、絶対王者に対してあわやというところまで肉薄し、最後まで鋭い牙を剥き続けた。結果的にアルゼンチンが王者の底力を見せたものの、あの試合には「48カ国制」と「ラウンド32」だからこそ生まれる狂気とロマンが確実に詰まっていた。

ブラジルが沈み、王者が小国に冷や汗をかかされる混沌とした戦国時代。
新しいシステムは、アジアと世界の残酷な距離感を可視化すると同時に、どんな国にもジャイアントキリングの可能性を提示している。

ここからどうやってその絶望的な差を埋め、世界と戦っていくのか。

今大会、日本はある一定の評価を得たと思うが、アジアの現在地は、そのまま日本の現在地でもある。

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