【Lil Fovnt:#2】数字を身に付けるということ
皆さんは、普段腕時計って使ってますか?
着けているとしたら、スマートウォッチ?
それとも自分みたいに、ただ時間を刻むだけの単なる腕時計?
アナログ?デジタル?
というのも、つい最近、ある人に時計を贈る機会があった。
選んだのは、アップルウォッチのようなタッチパネル系ではないスマートウォッチ。
実は自分が普段着けているのと同じ、あの四角いフォルムのG-SHOCKだ。
ただ、中身はスマホと連携するスマートウォッチというもの。
でも、自分自身の手首に巻かれているのはスマートウォッチじゃない。
むしろスマートウォッチは使ったことがない。
今、愛用しているのは、昔ながらのただのG-SHOCK「GW-M5610U」だ。これを選んだ理由はすごく単純で、昔、親父が初代G-SHOCKを使っていて、自分もそれを着けたかったから。
「スマホを見ればいつでも正確な時間がわかるのに、なぜわざわざ腕時計をするの?」
よく言われる言葉だけど、自分の感覚は逆だ。
ポケットからスマホを取り出すと、どうしても時間以外のものが目に入ってくる。
未読のメッセージ、アプリのバッジ、どうでもいいニュースのポップアップ。ただ「今何時か」を知りたいだけなのに、否応なしに情報の渦に巻き込まれる。それがなんだか少しうるさい。
だから、スマートウォッチを使わないのかもしれない。
ただ「時間だけ」を提示して、それ以上何も求めてこない単機能な道具が手元にあると心地いい。
じゃあ、なぜ自分はあえて単なる腕時計を使うのか。
それは単純に時間が知りたいからじゃない。
純粋に、「数字」を身に付けたいのだと思う。
誤解のないように言っておくと、針の時計も好きだし、決してデジタル表示にこだわっているわけじゃない。ただ、今の自分にとっては、これを身につけるタイミングだったというだけだ。

液晶画面という決められた枠の中で、パキッと切り替わっていくデジタル表示。
そこには感情や余計なコンテクストはなく、ただ淡々と規則正しく形を変えていく無機質な数字があるだけ。
自分にとってあの時計は、便利な機能拡張ツールというより、タイポグラフィやインダストリアルデザインの延長にある。
そういう独立した「数字」という要素を、一つのグラフィックとして身に纏っていたいのかもしれない。
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