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【Lil Fovnt #76】文化と歴史の切り売りーFIFAインファンティーノ会長の暴走

7月にFovnt Freaksにおいて、「The Arena」というテーマで、本質を見失った空っぽのアリーナについて書いた。ワールドカップ2026のことだ。
まさかその直後に、こんな露骨な答え合わせが待っているとは思わなかった。

国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティーノ会長が、ワールドカップを含む主要大会の運営や商業活動を担う新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を設立しようとした 。

そして、その株式の20〜30%を民間投資家に最大42億ドル(約6880億円)で売り飛ばし、資金調達をしようと画策したのだ 。
この新会社の評価額は、200億ドル(約3兆2700億円)とも見積もられていた 。

一応、この調達した莫大な資金はFIFA加盟211協会に分配してサッカーの発展基盤に充てることを目的として掲げていた。

しかし、投資グループの主導者には、トランプ米大統領の親戚が運営する投資ファンドまで名を連ねていたという 。
どうもきな臭く見える。

インファンティーノ会長が起こしたこの暴挙は、120年以上かけて世界中の人間が築き上げてきた「サッカー」というカルチャーを、単なる金融商品としてマネーゲームのテーブルに乗せようとしたわけだ。

当然、世界中から猛反発が起きた。
欧州サッカー連盟(UEFA)は「ワールドカップは売り物ではない」とW杯などのFIFA主催大会のボイコットも辞さない構えを見せ 、「サッカーの魂と統治は、取引される資産ではない」と痛烈に批判した 。
日本サッカー協会の田嶋幸三名誉会長も、FIFA理事の立場から「商業的な要素や外部からの影響を受けるべきではない」と真っ向から反対を表明している 。

結果として、世界的な批判を浴びたこの計画は、公表からわずか数日で撤回に追い込まれた 。

カルチャーは決して切り売りできるものではない。 
この歴史ある文化を数字で表すべきではなく、数字で表せるものでもない。

そして忘れてはいけないのが、このワールドカップは世界中の人のものであり、誰かのものになってはいけない。
庶民のもので、金持ちのものだけになってはならない。
 FIFAには、そんな文化と歴史を守る義務がある。
それがわかっていないのだろうか。

自分たちが日々向き合う小さなモノづくりでさえ、そこには絶対に切り売りできない熱量とストーリーがある。
ましてや、世界最大のアリーナを率いるトップがその本質を忘れてどうするのか。

インファンティーノ会長がそれをわかっていないのであれば、会長を変えてほしいと願う。

ワールドカップを楽しんでいる自分たちも、そのカルチャーの一部だ。
ワールドカップが、心から楽しめるアリーナから変わってしまわないよう、私たちもしっかりと見ていこうと思う。

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