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【Lil Fovnt #86】文字で楽しむ音。人生の舵を切らせた1冊の音楽雑誌

今月、「雑誌(マガジン)」を(Black Music Review)テーマにFovnt Freaksを作っている。
前回のFovnt Freaks#75では音楽雑誌のカテゴリーでブラックミュージック専門誌「bmr(Black Music Review)」とヒップホップの専門誌「blast」を取り上げさせてもらった。

音楽雑誌はジャンルもさまざま、他にもいろいろといい雑誌は多くある。
しかし、今回、「bmr」「blast」と同じジャンルの雑誌を取り上げさせてもらったのには、理由があった。
今回はそんな話。

当時、自分にとって、この2誌は毎月絶対に欠かせないバイブルだった。しかし、毎月2冊とも買うのは学生の財布には少し厳しい。
この2誌のバイブルを必要とする者がもう一人いた。

そこで二人で、暗黙のルールを作った。

「俺がbmrを買うから、お前はblastを買え」

毎月発売日になるとそれぞれが担当の雑誌を買い、隅から隅まで穴が開くほど読み込み、そして時期を見て交換し合う。それが自分たちの泥臭い、でも最高に贅沢な情報のディグり方だった。

自分が担当していたのは「bmr」の方だ。

最新のR&Bやソウル、ヒップホップのディスクレビューから、アーティストの生い立ち、サンプリングの元ネタ、そして現地のカルチャーや時代背景まで。 ページをめくるたびに、海の向こうの熱量がインクの匂いとともにダイレクトに伝わってきた。

そして、この「bmr」との出会いこそが、自分の人生の方向を決定づけたと言っても過言ではない。

ブラックミュージック、そしてそのカルチャーにのめり込んでいた自分は、なんとなくその文化に携われないだろうかと考えていた。

そんな中、bmrで音楽について語るライターたちの文章を読み、音楽を楽しんでいる自分がいた。

その時、ふとこんな考えが頭をよぎった。

この雑誌は、ただの作品紹介ではない。
音の裏側にあるアーティストの狂気や、その時代の空気感(Ambiance)を、言葉というツールを使って完璧に読者の脳内に再生させている。
文字を通じて音楽の楽しみ方を提案している。
文字で楽しむ音がそこにはあった。

「音楽を直接鳴らさなくても、文章だけでここまで人の心を揺さぶり、カルチャーの熱を伝えることができる」

自分が本当にやりたいのは、プレイヤーとしてステージに立つことではない。
カルチャーの熱量や、モノづくりの狂気、その奥にある「空気感」を言葉で切り取り、誰かに届けることだ。

その後、自分がbmrなどでライターをすることはなかった。

しかし、ここから自分は、明らかにモノの見方が変化した。

今こうして、「Skip Social Studies」というブランドを通じて文章を書き、カルチャーやモノの魅力を伝えている自分の根本的なDNAは、間違いなくあの頃読みふけった「bmr」のページの中にあった。

自分は一冊の雑誌に人生を変えられたと言っていい。
なので、今回Fovnt Freaksでは、どうしてもこの「bmr」を取り上げる必要があった。

情報が溢れ、雑誌が次々と休刊していく現代。
それでも、テキストが持つ「熱」と「狂気」の力は絶対に失われないと、自分は信じている。

かつての自分が、あの雑誌の文章に人生を変えられたように。

Skip Social Studies
Ambiance Maker  Ko-Ta

Instagram(
nobvl_officialskipsocialstudies

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