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「居抜きオフィス」で見落としがちな、3つの注意点

最近、「居抜きのオフィスに移転したい」という経営者が増えています。居抜きというのは、設備や什器備品、家具などがついたままの物件のことです。

居抜きのメリットは、なんといっても移転コストを抑えられることです。内装工事や家具の購入費用を圧縮できます。さらに内装工事期間も短縮できるので、たとえば通常だと6ヶ月かかるような規模の移転プロジェクトが3ヶ月になったり、という場合もあります。

ただし、普通のオフィス(内装や家具がついていない、まっさらな物件)と比べて居抜きは非常に難易度が高く、注意しなければならないことも多いです。

① 居抜きの募集自体が少なく、入居後のトラブルも起こり得る

まず第一に、居抜きで募集をしている物件自体が非常に少ないです。空室の数でいうと普通のオフィスの5%程度しかないと思うので、いい物件が見つかるかどうかは運と縁次第です。

居抜きというのは基本的に期間限定です。テナントが退去する際に居抜きで貸し出せるリミットがあり、それを過ぎると原状回復工事をしなければなりません。たとえば退去予告が6ヶ月前として、原状回復工事が3ヶ月かかるとなると、居抜きで募集を出せる期間は実質3ヶ月間しかない、ということになります。

さらに、「入居後すぐにドアが壊れてしまった」「予定外の什器が残置されていた」などのトラブルも起こり得ます。契約時にしっかり取り決めをしておかないと、責任の所在があやふやになってしまいかねません。

ちなみに、「居抜きで入居すれば退去時も原状回復が不要になる」と思っている方がいますが、これは大きな間違いです。まずはオーナーの承諾を得なければなりませんし、先ほど書いたように居抜きで募集を出せる期間は限られています。引き継ぎ先が見つからなければ当然原状回復義務が発生するので、それなりの費用がかかることは頭に入れておいていただければと思います。

② 理想の間取りでないと働きづらくなる

自分たちで内装工事をしないのであれば、間取りがどうなっているかは非常に重要なポイントですが、実際のオフィス探しの場面では意外と見落とされがちで、広さと賃料だけを見て判断してしまう経営者が非常に多いです。

たとえば、2人用の住居を探すと想像してみてください。「1LDKでも3LDKでもOK」という人はいませんよね。オフィス探しも同じで、執務スペースは何席分で、会議室がいくつ必要で、というイメージがあると思います。これをピッタリ満たす物件に出会うのは難しく、さらに賃料やエリアなどの条件を加えると、100%満足できる物件が見つかるのはほぼ奇跡に近いと思います。

既存の間取りに満足していないのに妥協して入居してしまうと、外部の会議室を借りざるを得なかったりして、結果的に働きづらくなってしまうこともあります。

③ 会社のメッセージを十分に表現できない

居抜きの内装には、前テナントのカラーが色濃く残っています。会議室の壁がガラス張りだったり、ビリヤード台が置いてあったり、壁に大きなアートが飾られていたり。そのすべてに企業文化や組織風土が反映されています。

こちらの記事でも書きましたが、オフィスは従業員や求職者へのメッセージそのものです。本来であればどんなメッセージを伝えたいかをベースに内装を決めていくのが正しい順序ですが、居抜きの場合はそれができません。よく「デザインがオシャレだから借りた」という方がいますが、大事なことを見落としていると思います。

企業文化や組織風土が100%合致する会社など存在しませんから、ありものの内装で自分たちのメッセージを十分に表現するのは難しいでしょう。つまり、居抜きでは「自分たちはどんな会社か」をしっかり伝えられない、ということです。

もし居抜きを借りるなら、こんな工夫がオススメ

ここまでお伝えした通り、居抜きというのは注意すべきポイントが沢山あります。

念のため補足しておくと、僕がお伝えしたいのは「居抜きは完全にNG」ということではなく、「コストだけを意識しすぎると自分たちの働き方や企業文化とズレが生じてしまう」ということです。

とは言え、創業したばかりのスタートアップだと予算に限りがあるのもよく分かります。「今回はどうしてもコスト圧縮のため居抜きを借りたい」という企業にオススメなのが、一部分だけでも手を加える、という方法です。

たとえば、備え付けのチェアが従業員の体格に合わない場合は新しいものを買ったり、コーポレートカラーの小物を目につくところに散りばめたりすると、“自社らしさ”を少し表現できると思います。「最低限ここだけは工夫しているよ」というメッセージを込めるだけでも、従業員の納得度は上がると思うので、ぜひ取り入れてみてください。

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