AIは「お世辞」を言わない。月次日報をNotebookLMに分析させて突きつけられた、中小企業DXの「現在地」
SAKAMOTO.Good Rulerです。
ちょっと、想像してみてください。
月100件を超える営業日報を、AIが一件ずつ読み込み、淡々と「論評」してくれるとしたら——。
今、私はAppSheetで蓄積してきた営業日報を、GoogleのAIツール NotebookLM に読み込ませ、月次で営業活動を論評させています。
そこで見えてきたのは、AIの驚くべき性能……ではありませんでした。
突きつけられたのは、
**自分がこれまで書いてきた日報の「足りなさ」**でした。
今日は、「AIを使えば何かが変わるはずだ」と期待した先で直面した現実と、
営業マンとしての、かなり生々しい本音をお話しします。
これは成功談ではありません。
むしろ、まだ答えの出ていない「格闘」の途中経過です。
1. AIという「冷徹な鏡」に映ったもの
月次の活動データをNotebookLMに放り込み、私はこう問いかけました。 「今月の営業活動から、成約率を上げるための改善点を教えてほしい」
返ってきたのは、こんな指摘でした。
「〇〇社への提案時間は平均60分ですが、成約したケースはすべて30分以内です。一方、長時間かけている案件は、物理的制約で結局否決されています。時間をかけるべき相手を、間違えていませんか?」
……刺さりました。
ですが同時に、震えるような気づきがありました。
「これは、AIがすごいから出てきた答えじゃない」
結果的に、25年前から細々と続けてきた「地味なファクトの蓄積」が、今になってAIを“鏡”として機能させてくれたのです。
移動時間、滞在時間、訪問回数。
これらをAppSheetで構造化して残していたからこそ、AIは「努力量」という幻想を剥ぎ取り、**“時間の使い方のムダ”**を突いてきた。
AIは魔法ではありません。
ただの、極端に正直な「鏡」なのです。
2. なぜ「成果が出ていない」のか
ここで、正直な現状をお伝えします。
まだ、目に見える成果は出ていません。
理由はシンプルです。
AIに鋭い論評をさせるための 「入力データ」 が、圧倒的に足りていないのです。
たとえば、日報に「価格で折り合わず」としか書かれていなければ、AIもこう言うしかありません。
「価格を下げてみてはどうでしょう」
当たり前ですよね。
でも実際の現場では、こんな背景があったはずです。
競合A社が、ちょうど新商品を出した直後だった
担当者が、別の課題(物流やリードタイム)を口にしていた
決裁ルートに、こちらが把握していない特殊な事情があった
こうした**「事実の断片」**が入って、初めてAIは「なぜダメだったのか」「どこが分かれ目だったのか」を語り始めます。
AIは、入れたデータ以上の答えは返してくれない。
だからこそ私は、AIを「経営の鏡」だと感じています。
3. 営業マンの本音。「正直、しんどい」
ここからは、少し身も蓋もない話をします。
日報を細かく書くのは、正直しんどい。
めちゃくちゃ面倒です。
商談が終わり、次のアポへ向かう短い隙間時間。
スマホで細かい内容を打ち込む。
これを毎日、何件も。正直、やりたくありません。
商談中にスマホを出し続けるのも、お客様への気が引けます。
ボイスレコーダーを回すのも、現実的ではありません。
だから断言できます。
「現場がやりたくない仕組みは、どれだけ正しくても定着しない」
それでも、私が日報を手放さない理由があります。
それは、営業の勘や経験を、次の世代に“渡せる形”で残したいからです。
気合や根性論ではなく、技術でこのしんどさを減らせないか。
そこに、DXの真の価値があると信じています。
4. 次の一手。「話すだけ」で日報ができたら?
この「入力の壁」を越えるために、今、検証している構想があります。
それが、「音声入力 × Gemini による自動構造化」 です。
目指しているのは、単なる文字起こしではありません。
商談後の帰り道。
車の中で、3分間だけ要点を話す。
それをAIが「ファクト」と「所感」に分解し、日報の各項目へ自動で振り分ける。
※これは現在、構想・検証段階です。
完成形ではありませんが、「目指す入力体験」はここだと確信しています。
商談そのものを録音する必要はありません。
商談直後の、熱が残っている記憶をAIという秘書にパスする。
これなら、現場の負担を最小限にしながら、AIが論評できる「質のあるデータ」を蓄積できます。
さいごに
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事は、AIの導入を勧めるためのものではありません。
AIに日報を読ませたことで、**「自分が何を見て、何を見落としてきたか」がはっきりした。
**その事実を、包み隠さず共有したかっただけです。
DXの成否を分けるのは、ツールではありません。
「商売をどう構造化したいか」という経営の意思です。
とはいえ、意思だけでは現場は回りません。
次回からは、この葛藤の中から生まれた「話すだけ日報」をどう実装するか。
具体的なコードと構成を、包み隠さず公開していきます。
「これ、うちでも使えるかもしれない」 そう思った方は、ぜひ次回も覗いてみてください。
低コストDXは、特別な会社のものではありません。
次は、あなたの番です。
次回予告:営業マンをタイピングから解放せよ。
AppSheet × Gemini × GASで実現する「話すだけ日報」の実装全公開
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