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「代替効果・所得効果」は何の役に立つ? スーパー・iPhone・ガソリンでわかるスルツキー分解


「代替効果」「所得効果」「スルツキー分解」。
経済学を学ぶと必ず登場する言葉です。
しかし、多くの人がこう思います。
「試験には出るけど、実生活では何の役に立つの?」
実は、この考え方は企業の価格戦略、マーケティング、政府の政策評価など、私たちの身近なところで活躍しています。
この記事では、できるだけ数式を使わずに、スーパーやiPhone、ガソリン価格など身近な例で、「代替効果」「所得効果」、そして「スルツキー分解」をわかりやすく解説します。

まず結論
価格が変わると、人が買う量も変わります。
その理由は、実は一つではありません。
経済学では、
価格変化による影響=代替効果+所得効果
と考えます。
この考え方をスルツキー分解と呼びます。

覚え方は「だ→し=出汁」
試験でも役立つ覚え方があります。
だ → し
つまり
代替効果 → 所得効果
です。
「出汁(だし)」と覚えてしまえば順番は忘れません。

代替効果とは?
代替効果とは、
相対的に安くなった商品へ乗り換えること
です。
価格が変わると、
「他の商品と比べて安いか、高いか」
が変わります。
その結果、人は商品を選び直します。

スーパーの牛肉
牛肉100gが500円から400円になりました。
これまで豚肉を買っていた人が、
「今日は牛肉にしよう。」
と思うようになります。
これは
牛肉が相対的に安くなった
からです。
これが代替効果です。

ガソリン
ガソリンが170円から130円になりました。
すると
「電車ではなく車で行こう。」
という人が増えるでしょう。
これも代替効果です。

iPhone
iPhoneが大幅値下げされました。
Androidを買う予定だった人が、
iPhoneへ変更します。
これも代替効果です。

所得効果とは?
所得効果とは、
価格変化によって実質的な購買力が変わること
です。
例えば牛肉が安くなると、
同じ生活を送るためのお金が少なく済みます。
すると、
余ったお金で

  • デザート

  • ワイン

  • 高級食材

なども買えるようになります。
これが所得効果です。
ポイントは、
給料は変わっていないのに、実質的には少しお金持ちになったのと同じ
ということです。

逆に価格が上がると?
ここが試験でも意外と重要です。

牛肉が値上がり
400円だった牛肉が500円になりました。
代替効果
牛肉が高く感じるので、

  • 豚肉

  • 鶏肉

へ乗り換えます。
つまり、
牛肉から離れる。

所得効果
牛肉にお金を取られるので、

  • デザートを我慢

  • 外食を減らす

  • 家計全体を節約

するようになります。
つまり、
実質的に少し貧しくなった状態
です。

ガソリンが値上がり
130円から180円になりました。
代替効果
車ではなく

  • 電車

  • バス

  • 自転車

を利用します。
所得効果
ガソリン代が増えたので、

  • 旅行を減らす

  • 外食を控える

  • レジャーを我慢する

人も増えます。

iPhoneが値上がり
15万円から20万円になりました。
代替効果
Androidへ乗り換える。
中古品を購入する。
所得効果
スマホに予算を使ったため、

  • AirPodsは買わない

  • ケースは後回し

  • 旅行を延期

など、家計全体に影響が出ます。

代替効果と所得効果の違い
ここまで読むと、
「なんとなく違う」
ことは分かったと思います。
一言でまとめると、
代替効果
他の商品へ乗り換える話
所得効果
家計全体が豊か・貧しくなる話
この違いです。

スルツキー分解とは?
では、スルツキー分解とは何でしょうか。
価格が変わった結果、
人の行動が変わります。
しかし、その理由は

  • 他の商品へ乗り換えたからなのか

  • 実質所得が変わったからなのか

を区別しないと、
正しい分析はできません。
そこで
価格変化による影響を
代替効果+所得効果
に分けて考えるのが
スルツキー分解です。

企業はどう使っている?
例えばコンビニでアイスを100円値下げしたとします。
売上が伸びました。
でも、
理由は

  • 他社アイスから乗り換えたのか

  • 浮いたお金でアイスを追加購入したのか

では意味が違います。
価格戦略を考える企業は、
この違いを知りたいのです。

政府も使っている
例えば、

  • 消費税

  • ガソリン補助金

  • 電気料金補助

こうした政策では、
「人々がどう行動を変えるか」
を分析する必要があります。
その際にも、
代替効果と所得効果という考え方が使われています。

マーケティングでも重要
例えばChatGPT Plusが半額になったとします。
利用者が増えました。
その理由は、
代替効果
ClaudeやGeminiから乗り換えた。
所得効果
AIサービスに使える予算が増え、
複数のAIを契約した。
企業はこの違いを分析して広告や価格を決めています。

スルツキー分解とヒックス分解
経済学では、
もう一つ有名なのが
ヒックス分解です。
違いは、
何を一定にするかです。
スルツキー分解
ヒックス分解
元の購買力を維持
元の満足度(効用)を維持
実証分析でよく使われる
理論分析でよく使われる
試験では、この違いも頻出です。

試験ではここを押さえる!
価格効果=代替効果+所得効果
順番は代替→所得
覚え方は「だ→し=出汁」
代替効果=他の商品へ乗り換える
所得効果=実質所得が変わる

まとめ
代替効果・所得効果は、単なる試験用語ではありません。
価格が変わると、人はなぜ行動を変えるのか。
その理由を分解して考えるための「人間行動の分析ツール」です。
企業は価格戦略を考えるために。
政府は政策の効果を検証するために。
マーケターは売れた理由を分析するために。
そして私たち自身も、「なぜ値上げで買うものが変わるのか」を理解するために役立ちます。
スーパーで値札を見たとき、ガソリン価格のニュースを見たとき、スマートフォンの新モデルが発表されたとき──。
ぜひ一度、「これは代替効果かな? それとも所得効果かな?」と考えてみてください。
きっと、経済学がぐっと身近に感じられるはずです。

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