見出し画像

また書き出せるのかと不安なわたしを支えてくれた物語 〜『月夜のグリーンカーテン』あとがきにかえて〜

この小説を書き始めたのは、
実は小説を書くのをおやすみしていた期間だった。

なんだそりゃ、ちゃんと休めよ、と言われるかもしれないけれど、
まぁこんな事情があって、というのと、
こんな理由で題材を選んで、というのを、
あとがきにかえて書いてみることにした。


5月に入り、編集者さんと約束していた、
おやすみ明けが近づいてきていた。
「私、また書き出せるのかなぁ」
と正直、ちょっと不安になってもいた。

体力的には問題ない。
遠くまでもいけるし、人混みもOK。

問題は、過度な集中。そのあとにくるめまいだ。

書いて、過度な集中をしたあと、めまいがこないか。きたとしても、少し休めばちゃんと回復できるのか。

もう、それは、どうしたって書いてみないと分からんのではないか。

ということで、試しに書き始めてみたのが、
この小説『月夜のグリーンカーテン』である。

弓岡睦月は、新宿のビル街にある観葉植物の店『ブローニュ』のやとわれ店長だ。 店では、訪れる人たちの悩みに笑顔でこたえ、 家では、植物や生活を愛でながら、日々暮らしていた。 ある日、店のオーナーの荻上玄に店特注の植木鉢を作るよう命じられ、 陶芸家である綴京香のアトリエを訪れる。 彼女は、「植物を燃やしたことがある」と話し──睦月の止まっていた時間は、少しずつ動き始める。 グリーンを、生活を、人とのつながりを深く愛したくなる物語。

『月夜のグリーンカーテン』よりあらすじ

おやすみをいただいていた間、
しばらくは寝込んでいたわけだけど、
初めて電車で出かけて行ったのは、
何駅か先にある、大きめの観葉植物屋さんだった。


お休み前から植物を育てるのは好きだった。
家から一歩も出ない生活になると、
愛でる時間も増え、
好き度はより増していった。
あたらしい子をお迎えしたい!そんな思いもつのった。

久しぶりの一人の遠出は、とてもドキドキした。
めまいがきたらどうしよう、とか考え始めると余計に不安になる。
移動中もずっと軽い動悸が続いていたのだけど、
その観葉植物のお店に足を踏み入れたら、すーっとそのドキドキがひいていった。
気づけば、何時間も店内を眺めていた。

すっごいなぁ!好きの力!
と感動したものである。



小説を書こうと思ったとき、
「今回はとにかく好きなものを愛でながら書いてみよう」
というのが私のテーマだった。
そうしたら、書きながら自分を癒すようなこともできるんじゃないか、という思いもあった。

そのテーマ以外にも、
今回、私がこの小説の中で新たに取り組んだことはいくつもある。

・実在する街を、多面的に書く
・登場人物をたくさん登場させて、書き分ける
・連作短編ぽく書く
・日常のほっとする瞬間をたくさん書く

など!
自分で設定したチャレンジが、自由にできるのも楽しかった。
この小説を書けば、その能力を伸ばせる!というのは、書くモチベーションにも、勉強するモチベーションにもなった。


そんな感じで書き上がりました。
書き上がったことが、めちゃくちゃ嬉しい!

もしかしたら、もう新しい物語は書けないのではないか?
と不安がよぎる時期もあったから、それを乗り越えられたのが何より嬉しい。

あと、書き上がりそうだけど、このスローペースだともう締切間に合わないかも……?という時も何度かありましたが、読んで頂ける方、ブックマークしてくださる方のおかげで、なんとか締切ギリギリ間に合いました。ありがとうございます。

まだ読んでないよという方は、読んでいただけたら嬉しいです。いつでも、感想もきかせてくださいね。




いいなと思ったら応援しよう!

せやま南天 読んでくださり、ありがとうございます! いただいたサポートは、次の創作のパワーにしたいと思います。