IAおじさんと未来すぎるビル
AI(エーアイ)というとみんな大好き人工知能のことなんですけど。
IA(アイエー)というとインフォメーション・アーキテクチャの略でして。
情報を整理して、ユーザーが迷わず目的にたどり着くように設計することだったりします。
自分もなんだか、そういうことを生業の一部としている者でして、
情報!アクセス!任せとけ!って感じで十数年この業界にいるんですが。
先日、専門学校での講義を頼まれまして。
ほら、僕もなんだかんだこの業界に長くいるし、
まあ実際はただいるだけなんですけど、
とにかくその、こういう、いかた?とかを
そろそろ若者に教えてあげてもいい頃かなと。
絶妙ないかたを身につけて、みんなでいよう!この業界!
てな感じで専門家を気取って、
グリーン車に乗って行ってきました。
まあこれでも招待される側ですから、用意されるんですよグリーン車が。
すごいよね。
思ったより緑じゃないね。グリーン車。
大阪、名古屋、東京といった主要都市の学校をまわって、
それぞれ1時間半の講義を受け持つって依頼なもんだから、地図を片手に向かうんですけど。
なんだろ、行ってみたら建物がね、でっかい自社ビルなんですけど。
名古屋の未来人が作ったみたいな。
なんかめちゃくちゃオシャレで、イノベーティブな感じあふれてて。
すげー!未来のやつだ!
かっこいい!ってなって。
ひとしきり眺めて、
ぐるっと一周まわって。わーわーいって。
結局入り方が分からない。
えー!!なにこれ!入り口どこ!?
ちょっとまってどういう構造物なのこれ。
様子が未来過ぎて何していいかわかんない!
で、よく見ると入り組んだガラスの向こうに受付っぽいのが見えるんですけど、どうやったらあそこに行けるのか皆目見当がつかない。
一体どうしたらいいんだ!このままでは講義の開始時間が来てしまう!
なにか、なにか方法はないのか!
と、インターステラーの最後の方みたいになってました。
いやまあ担当者にすぐ電話すればいいんですけど。
でも、なんというか、
インフォメーション・アーキテクチャでござい!とかいって、
情報!アクセス!お任せあれ!とかいってる人が
意気揚々とグリーン車でやって来て、
結果ビルに入れないって、なんかもうダメじゃないですか。
その時点で失敗をお約束してるじゃないですか。
それだけはできない。ダサすぎる。
なんとかせねば。
つってぐるぐる回っているうちに、
生徒らしき人たちがどこかから吐き出されて来るのが見えて。
おいおい嘘だろ?今どっから出てきた?
もしかして、壁とかがにょぃーんってなって入口生まれてない?
未来過ぎてもうそうなっちゃったの?
そのアクセス方法は、まだ知らないが・・・イチかバチか、壁に突撃してみるか!?
うおお!南無三!!ドンッ!!・・・ッてぇ・・。
で。
まあ人の出どころを追っていったら
なんか普通に上の階の、
ガラス張りの自動ドアから出入りしてました。盲点!
危うく5次元世界から重力操作でバイナリ化したメッセージを送るとこだった。
バイナリって?
生徒の人波にまぎれてなんとか5分前に現場入りし、プロジェクタなどの準備が間に合わなくて結果5分押すというぐだぐだ講義を展開してまいりました。
時間が押すごとに生徒達の休憩時間が削られるため殺気のようなものが立ちこめる中、なんとか登壇を終えまして、
次の現場へ向かうべく足早に教室を後にし、
ビルを出る時はなんか見たことない扉から出されました。
ええ!?さっきあった?この扉。怖い!
あの、情報設計やってますが、
ビルにアクセスできないです。
すみません。
帰りもグリーン車乗ってすみません。
なーんにもわかんない。もう。
車内で渡されるお手拭きみたいなのいつ使えばいいのかわからないし。
Wifiの繋ぎ方もわからないし。
PCで作業してたら酔うし。
何の情報にもアクセスできないし使いこなせない。
世界の情報設計が分からないおじさんが過剰包装で移動してるだけだった。
鈍行に乗せてくれ。
#モノカキングダム2025
