「性欲はあるのに、妻とはできない」を解決した記録。セックスレスの原因は性欲じゃなかった。
「妻のことは嫌いじゃない。性欲もある。なのに、なぜか“できない”——」
もしあなたが今、そう感じているなら、僕も同じでした。
先に寝たふりをしたり、気まずさから無意識に距離を取ってしまったり…。
妻からの誘いを「疲れてる」と何度も断ってしまったり…。
でも、それはおそらく「性欲がない」からではありません。
この本当の原因は、
「心の距離」にある——
僕は自身の経験を通して、そう気づきました。
このnoteでは、僕が無意識に作ってしまった「心の距離」とは具体的に何なのか、
そして、どうやってその距離を縮め、妻との関係を再び温め直すことができたのか。
そのプロセスと、そこから得た気づきを、僕自身の体験に基づいて綴ります。
かつて「もう無理かもしれない」と、諦めかけていた僕でも、少しずつ関係性を立て直し、
今では自然なペースで妻と触れ合い、以前のような繋がりを実感できるようになりました。
それは、ただ身体の関係が戻ったというだけでなく、
例えば、何気ない会話で一緒に笑ったり、
ソファで隣に座って、ただ同じ時間を過ごすことが心地よかったり。
あるいは、子どもの前でもふとした瞬間にじゃれ合えたりするような。
そんな、以前は失いかけていた温かく、安心できる空気が、また僕たちの日常に戻ってきた、ということなんです。
「嫌いじゃないのに、なぜか妻を避けてしまう」
「もう一度、ちゃんと妻と向き合いたい」と願う男性
そしてパートナーの方も、相手の心理を理解するヒントになるかもしれません。
もし、あなたが同じように悩んでいるなら、この記録が何か少しでもヒントになることを願っています。
よかったら、続きを読んでみてください。
主な内容
なぜ「性欲はあるのに、妻とはできない」のか?
僕自身が向き合って気づいた“無意識の拒否”はなぜ?
妻との空気が自然に変わっていった小さな行動
レスを乗り越えた今、感じている安心とつながり
第1章 「あれ?」と思った、最初の違和感
いつからだろうか。
僕に、決定的な「あの日から」があったわけじゃない。
妻のことが嫌いになったわけでも、もちろんない。
家族としての時間も、以前と変わらず大切に思っていた。
でも、気づけば、何かが少しずつ変わり始めていた。
思い返せば、いくつかの出来事が重なっていた。
長く続いた不妊治療。
当時は、それが「目的」になってしまっていて、どこか義務的だった夜が、心のどこかに引っかかっていたのかもしれない。
仕事も一番忙しい時期で、連日深夜まで働き、疲れ切って帰宅する毎日。
「今日は疲れたから」という言葉が、いつしか常套句になっていた。
そして、待望の第一子が生まれた。
生活は一変し、すべてが子ども中心になった。
愛おしい存在が増えた喜びと共に、夫婦だけの時間は圧倒的に減り、夜は寝不足と戦う日々。
妻も僕も、親であることに必死だった。
そんな目まぐるしい日々の中で、僕は、ふとした瞬間に「あれ?」と感じることが増えていった。
例えば、寝室で。
以前なら自然に触れ合えていたはずなのに、なんとなく体が動かない。
妻と向き合うことに、言いようのない「億劫さ」を感じ始めている自分に気づく。
「そろそろ、しないとな…」頭では思うのに、気持ちがついてこない。
それどころか、妻からの誘いを断ってしまう…。
そんなことが、一度や二度ではなかった。
妻がこちらに体を向けてきたとき、無意識に背を向けてしまった夜もあった。
その背中に感じる妻の気配に、申し訳なさと、どうしようもない焦りが込み上げてくる。
自分でも、なぜ避けてしまうのか、わからない。
性欲がないわけじゃない。一人ですることはある。
なのに、妻を前にすると、心が、体が、ブレーキをかける。
妻を傷つけているかもしれない。
その罪悪感はあったけど、あの頃は気づかないふりをしていた。
なぜ、そうなってしまったのか。
その理由に、僕が少しずつ向き合い始めるのは、もう少し先のことになる。
第2章 「できない」理由を探して:見えてきた心の壁
妻を傷つけているかもしれない罪悪感はあったが、
すぐには行動はできなかった。
この気まずい現実から目を背けたいという気持ちがあった。
でも、それとは裏腹に、「ちゃんとしたい」という気持ちがどこかにあったからだろうか、
自分の心の中を、少しずつ見るようになっていった。
最初に言い訳にしていたのは、「疲れ」だった。
仕事の忙しさ、育児の慌ただしさ。
それは本当のことだったし、「今日は疲れているから無理だ」と自分に言い聞かせるのは簡単だった。
実際、体が重い日も多かった。
でも、心のどこかで気づいていた。 「疲れ」だけが理由じゃないって。
休日で、時間も体力もあるはずなのに、やっぱり妻に触れるのをためらっている自分がいる。
セックスを、どこか「こなすべきタスク」のように感じ始めている自分に、うすうす気づいていた。
ムードを作って、タイミングを見計らって… その全部が、すごく面倒に感じていた。
これは、「疲れ」という便利な言葉の後ろに隠れた、もっと奥にある何かがあるんじゃないか、と。
次に気づいたのは、「恐れ」だった。
もし誘って、断られたら? 変な顔をされたら? あるいは、うまくいかなかったら…?
そう考えると、誘うという一歩が、途端に重くなった。
別に、妻に拒絶された経験があるわけじゃない。
でも、いつからか、「うまくいかなかったらどうしよう」という不安が、行動できなくさせていた。
失敗するくらいなら、最初から何もしない方がマシだ、と。
そんな臆病な計算が、無意識のうちに働いていたのかもしれない。
プライドを守りたい、という気持ちもあっただろう。
誘わないことで、傷つく可能性から自分を遠ざけていた。
そして、妻に対する「見方」の変化だった。
子どもが生まれ、妻は「母」になった。 家事も育児もきちんとこなす、頼もしいパートナー。
尊敬していたし、感謝もしていた。
でも、いつの間にか、その「母」としての姿があまりにも強くなって、 僕の中で「女性」としての妻を感じる気持ちのスイッチが、うまく入らなくなっていたのかもしれない。
夜、隣にいる妻を見ても、「お母さん、今日も一日お疲れ様」という気持ちが先に立ってしまう。
妻は何も変わっていないのに、僕の側の勝手な見方が、二人を隔てる壁を作っていた。
もっと言えば、「安心感」も油断につながっていた。
長年連れ添った妻は、隣にいて当たり前で、そこにいるだけで安心できる。
それは素晴らしいことのはずなのに、いつしかその安心感に甘えていた。
「わざわざセックスという形で向き合わなくても、まあいいか」という気持ちが生まれていた。
安定した関係性に甘えて、努力を怠っていた。
こうして一つ一つ、自分の心の中の言い訳や恐れ、変化をたどっていくうちに、大事なことに気づいた。
結局、僕は、「自分を守ろうとしていた」んだ、と。
面倒だと感じることや、失敗して傷つくことから。
妻を「女性」として見られない自分と向き合うことから。
今の安定した関係を壊すかもしれないことから。
それら全てから、「気づかない」「何もしない」という選択をすることで、自分を守ろうとしていた。
避けることは、僕にとって無意識の自己防衛だった。
「性欲はあるのに、妻とはできない」
この状態は、性欲の問題なんかじゃなく、僕自身が作り上げていた、何枚も重なった「心の壁」のせいだっ
た。
そのせいでずっと妻を傷つけていた。
これをどうすればいいのか?
解決策は、まだ全く見えていなかった。
でも、少なくとも、「理由がわからない」という暗闇からは、一歩抜け出せたのかもしれない。
第3章 もう、逃げないと決めた夜
自分が無意識に壁を作って、妻を避けていた理由はなんとなくわかった。
「疲れ」や「恐れ」、「妻への見方の変化」、
そして「自分を守りたい」気持ち…。
頭ではなんとなく理解した。
でも、じゃあどうすればいいのか? その壁をどう壊せばいいのか?
答えは出ないまま、時間はただ過ぎていった。
正直、心のどこかでは、 「このままでも、仕方ないのかも…」 なんて、まだ言い訳を探していたのかもしれない。
そんな、ある夜のことだった。
子どもたちは寝て、リビングでぼんやりテレビを観ていた。
隣には、いつも通り、妻がいた。
特に何か話すわけでもなく、ただ時間が流れる。
僕たちの間には、いつもの、少しだけ気まずいような、静かな空気があった。
その沈黙を破ったのは、妻だった。
ふと、僕の方を見ずに、呟くように言った。
「最近、一緒に寝てくれないよね?」
…ドキッとした。
心臓が、きゅっとなる感じがした。
うまく言葉が出てこなくて、
僕は、ただ 「…ああ、そうだね」 と、小さく答えるのが精一杯だった。
その一言に、妻がずっと感じていただろう寂しさや疑問が詰まっている気がして、 たまらなく、申し訳なくなった。
やっぱり、気づいてたんだ。 僕が、無意識に避けていること。
そして、言葉にしないだけで、傷ついていたのかもしれない。
それでもずっと、責めることなどせず、優しく笑顔で僕に接してくれていた妻。
分かったはずの「自分を守る壁」。
失敗するのが怖いから。 面倒だと感じるから。 妻を「お母さん」として見てしまうから。
そうやって自分を守っていることが、 一番近くにいる妻を、こんな気持ちにさせていた。
このままじゃ、まずい。
そう思った瞬間、 今まで見て見ぬふりをしてきた、 心の奥にあった気持ちが、無視できないくらい、はっきりと顔を出した。
「本当は、もう一度ちゃんと繋がりたい」
その気持ちは、ずっと僕の中にあったんだ。
ただ、怖くて、面倒で、自信がなくて、蓋をしていただけで。
もちろん、今さら向き合うのは怖い。
どうなるかわからない不安もある。
でも、 このまま何もせずに、心が完全に離れてしまうことの方が、 もっとずっと怖いと思った。
もう、言い訳するのはやめよう。
「疲れてるから」とか、 「仕方ない」とか、 そういう言葉で自分をごまかすのは、もう終わりにしよう。
どうすればいいかなんて、まだ全然わからない。
でも、 とにかく、もう一度、ちゃんと妻と向き合ってみよう。 逃げずに、関わっていこう。
そう、心の中で決めた。
第4章 まずはセックス「以外」から。僕が始めた小さなこと
「逃げずに、向き合おう」と決めた。
決めたはいいものの、 正直、何をすればいいのかなんて、全然わからなかった。
ただ一つ、決めていたことがある。
それは、 「いきなりセックスを目指さない」 ということだ。
正直なところ、 それは当時の僕にとって、 ちょっと「ハードルが高すぎる」と感じたから。
いろんな気持ちの壁がまだそこにあるのに、 いきなりそこを目指すのは、無理があると思った。
それよりもまず、 なぜか妻を避けてしまう自分をなんとかしないと。
失くしてしまった、 もっと基本的な繋がりを取り戻すことから始めよう、 そう思った。
だから、本当に小さなことから始めた。
例えば、ソファに座る時、 ほんの少しだけ、意識して妻の隣に寄ってみるとか。
以前は無意識に、 スペースを空けて座っていたから。
別に、すぐに触れようとか、 そういうんじゃない。
ただ、 「ちゃんと、あなたの隣にいますよ」 っていう感覚。 それを、まず自分自身が取り戻したかった。
まずはただ「隣にいる」ことに慣れるのが大事だと思った。
高いハードルをいきなり跳ぶんじゃなくて、 まずは地面をしっかりならすような感覚だった。
それから、 「ありがとう」とか、 「お疲れさま」とか、 そういう当たり前の言葉を、ちゃんとかけるようにした。
「おはよう」 「いってらっしゃい」 「おかえり」 も、以前より少しだけ、 柔らかい声で言うように心がけた。
忙しさとか、 僕自身の気まずさとかで、 いつの間にか、そういう基本的なコミュニケーションさえ、 おろそかになっていたから。
これは、「妻を一人の女性として、ちゃんと見れていなかった」 ことへの、僕なりの反省でもあった。
言葉にするって、 たとえ小さくても、 相手をちゃんと気にかけてるっていうサインだ。
そう意識して続けるうちに、 ほんの少しだけれど、 妻を避ける気持ちが薄らぎ、自然と接することができるようになってきた…
そんな気がした。
妻と向き合うのと同時に、 僕自身のことも、ちゃんと立て直そうと思った。
ちゃんと寝る。 なるべくバランスよく食べる。
お風呂にゆっくり浸かる。 軽くでもいいから、体を動かす。
特別なことじゃない。 本当に、基本的なことだ。
でも、こういうことを意識するだけで、 少しずつだけど、心と体にエネルギーが戻ってくる感じがした。
なんていうか、 「男として」とか、そういう大げさなものじゃなくて、 単純に、自分自身に少し余裕が生まれる感じ。
気持ちが、少しだけ前向きになる感覚。
散々言い訳にしていた「疲れ」に、 簡単に負けないためにも、これはすごく大事なことだった。
自分に元気がないと、 難しいことや、ちょっと勇気がいることにも、 なかなか向き合えないから。 (まさに、セックスという高いハードルも、その一つだった)
こんな風に、 「隣にいること」 「言葉をかけること」 「自分を整えること」 を、毎日、意識して続けた。
もちろん、すぐに何かが劇的に変わったわけじゃない。
本当に、少しずつだった。
僕が「ありがとう」って言ったら、 妻がふっと、本当に自然に笑ってくれたり。
ソファで隣にいても、 以前のような変な緊張感が、 少し減っていたり。
子どものことで一緒に笑う時間が、 前よりも、心から楽しいって感じられたり。
そういう、本当に小さな、 でも確かな変化を感じるたびに、 胸のあたりが、じんわり温かくなるのを感じた。
「あ、これでいいのかも」 って、少しホッとした。
まだ大きいハードル(セックスのこと)は目の前にあるし、 不安だって消えたわけじゃない。
でも、 「もしかしたら、このまま続けていけば、いつか…」 っていう、小さな希望みたいなものが、 僕の中で、確かに育っていくのを感じていた。
この、地道な一歩一歩が、 きっと未来につながっている。
そう信じ始めていた。
第5章 僕から「誘った」夜
小さなことの積み重ね。
それを続けて、 ある夜のことだった。
その夜は、なんだか自分でもわかるくらい、 妻との間に流れる空気が、以前と違っていた。
リビングで、隣に座っていても、 変な緊張感がない。
他愛ない話をして、 自然に笑い合える時間があった。
(ああ、続けてきて、よかったかも…)
セックス「以外」の関わり。
それが、確実に僕の、 凍っていた何かを、少しずつ溶かしてくれている。
そんな手応えを感じていた。
でも、 一番高いと思っていたハードル。
それは、まだ越えられていない。
いつまでもこのままじゃ、ダメだ。
怖い。 正直、めちゃくちゃ怖い。
この、せっかく少し良くなった空気が、 また壊れてしまったら?
頭の中で、ぐるぐると言い訳が回り始める。
でも、ここで動かなきゃ、 きっと何も変わらない。
変わるとしても、もっと時間がかかる。
いや、もしかしたら、もう手遅れになるかもしれない。
(…よし)
僕は、心の中で、小さく、でも強く、覚悟を決めた。
会話が、ふと途切れたタイミング。 僕は、一つ、深呼吸をした。
そして、妻の方をちゃんと見て、 少しだけ、声が震えたかもしれないけど、言った。
「…あのさ、今夜、一緒に寝ない?」
自分でも驚くくらい、 ストレートな言葉だった。
妻は、一瞬、 本当にびっくりした顔をした。
時間が、すごくゆっくり流れる。
そして、 「…うん」 と、静かに、でもはっきりと頷いた。
その瞬間、僕の体から、 どっと力が抜けるような感じがした。
寝室に行って、隣に並んで布団に入る。
しばらく、沈黙。
でも、それは気まずい沈黙じゃなかった。
なんだろう、 お互いに、この状況を確かめているような、 そんな時間。
僕から、そっと、妻の手に触れてみた。 温かかった。
妻も、 僕の手を、そっと握り返してくれた。
ドキドキした。
でも、やっぱりそれは嫌な緊張じゃなくて、 温かくて、 久しぶりの感覚だった。
何か、気の利いた言葉を言えたらよかったのかもしれない。
でも、まだ照れくさい。
その夜、僕たちは、本当に久しぶりにセックスをした。
正直、ぎこちなかった。
お互いに、どこか探り探りで、 照れくさくて、 ちょっとだけ、笑ってしまったかもしれない。
でも、それでよかった。
完璧じゃなくて、全然よかった。
大事なのは、「うまくやる」ことじゃなかった。
こうしてまた、 触れ合って、 同じ時間を共有して、 「一緒にいる」って感じられること。
それが、嬉しかった。
終わったあと、 隣で穏やかな寝息を立て始めた妻の顔を見ながら、 僕は、ただただ、 深い安堵感に包まれていた。
(よかった…)
心の底から、そう思った。
一度で全てが元通りになるわけじゃない。
でも、 高いと思っていた壁を、勇気を出して、 そして、妻と一緒に、 越えることができた。
それが、何より大きな、確かな一歩だった。
そして、あの夜、改めてはっきりとわかった。
僕の問題は、セックスが「できない」ことそのものじゃなかった。
ちゃんと妻と「向き合えなくなっていた」こと。
その壁を、ようやく壊し始めることができたんだ、と。
次の章では、そこから少しずつ、日常に戻っていった僕たちの話。
「向き合う」と決めてから変わった、心の変化について綴っていきます。
第6章 新しい「ふつう」の作り方
あの夜。 僕たちが再び繋がれた、あの夜の後。
すぐに全てが魔法みたいに元通り! …なんてことは、もちろんなかった。
長年の間にできた溝は、 そんなに簡単には埋まらない。
でも、 何かが、確実に変わった。
セックスも、 あの夜以降、すぐに以前のように…とはいかなかった。
ぎこちなさも、照れくささも、 まだあったと思う。
でも回数とか、時間とか、 そういうことじゃなくて、 ただ触れ合えること、 一緒にいられることの温かさを、 素直に、大事にできるようになった。
それは、あの夜に感じた気持ちの、 確かな続きだった。
日常の会話も、 少しずつだけど、変わっていった気がする。
以前なら、当たり障りのない世間話か、 子どもの連絡事項くらいしか話せなかったのが、
例えば、僕が仕事でうまくいかなかったことを、 ちょっとだけ弱音として話せるようになったり。
妻が、パート先のちょっとした愚痴をこぼしたり。
そういう、 他の人から見たら本当に、 なんてことないやり取りが、 すごく大切に思えた。
今はただ、隣に座って、 穏やかに同じ時間を過ごせる。 それが苦じゃなくなった。
「ちゃんと繋がってる」って、 こういう、 日々のささやかな瞬間の積み重ねの中に、 あるのかもしれないな、と思った。
もちろん、今でも完璧じゃない。
疲れて、お互いに余裕がない日もあるし、 ささいなことで意見がぶつかることだってある。 当然だ。
でも、違うのは、 そういう時に、 すぐに心を閉ざしたり、 無言で相手を避けたりしなくなったこと。
まず自分の状態を客観的に見てみたり、
「ごめん、今ちょっと余裕ないや」 って、正直に口に出して伝えられるようになったり。
そうすると、不思議と、 相手も感情的にならずにいてくれたりする。
お互いに、 少しだけ待てるようになったのかもしれない。
それは、 あの夜の後、僕たちの間に、 「大丈夫、この関係は簡単には壊れない」 っていう安心感が、 根っこの部分に、確かに生まれたからだと思う。
情熱的でラブラブ! っていう関係とは、 全然違う。
でも、もっと静かで、 穏やかで、 深いところで、 「ああ、この人と、これからも一緒に生きていくんだな」 って、自然に思えるような。
そういう安心感と、信頼感。
それが、今の僕たちの、 新しい「ふつう」になった。
振り返ってみて、 僕がこの経験から学んだ、 一番大事なこと。
それは、 セックスレスっていう「目に見える問題」だけを、 なんとかしようと焦るんじゃなくて、
その奥にある「心の距離」や、 「向き合えない自分」―― つまり、自分が無意識に作っていた心の壁に気づいて、 そこから逃げなかったこと。
そして、あの頃から地道に続けてきた、 本当に小さな、 ちょっと地味にも思えるようなことを、 「どうせ変わらない」なんて諦めずに、 ただただ、続けたこと。
大きなジャンプなんて、必要なかった。
一歩一歩、 壊れてしまった土台を、 もう一度、丁寧に作り直していく。
結局、それしか道はなかったんだと思う。
最後に、あなたへ
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
もし今、あなたが、 かつての僕と同じように、 「どうしたらいいかわからない」 「もう無理かもしれない」 そんな風に、暗いトンネルの中にいるように感じているとしたら。
僕がこの長いトンネルを抜けてみて、 一番強く感じていることを、 最後に伝えさせてください。
それは、 焦って「セックスを取り戻そう」とか、 「問題を解決しなきゃ」って、 いきなり大きな壁に立ち向かおうとするよりも、
一見、遠回りに見えるかもしれないけれど、 「二人の間の空気」そのものを、 ほんの少しずつ変えていくこと。
それが、結局、一番の近道だった、ということです。
僕も昔は、 「ちゃんと話し合わなきゃ」とか、 「男から誘わなきゃ」とか、 そういう「正攻法」みたいなものばかり考えていました。
でも、 本当に僕たちの関係を、 あの冷たい空気の中から動かし始めたのは、
もっと地味で、 もっと基本的な、 「当たり前だけど、失くしていたこと」 を、一つ一つ拾い集める作業でした。
優しい一言。 隣に座る5分間。 「ありがとう」と伝えること。 そして、自分自身の心と体を、少しだけ大切にすること。
バカみたいに聞こえるかもしれません。
でも、僕にとっては、 この「小さなこと」の積み重ねこそが、 ガチガチに固まっていた心の壁を、 本当に溶かしてくれたんです。
だから、 もしあなたが今、 大きすぎる壁の前で、 どうしようもなく立ちすくんでいるように感じていても、 どうか、希望を捨てないでほしいです。
今日できる、ほんの小さな行動。
その「小さな一歩」に、 あなたが思っている以上の力が宿っていることを、 僕自身の、この回り道ばかりだった経験から、 伝えたいです。
この体験談が、 あなたのトンネルの先に、 小さな希望の光を灯すことができたなら、 それ以上に嬉しいことはありません。
最後まで読んでくださって、 本当に、本当にありがとうございました。
あなたのこれからの日々が、 少しでも温かいものになることを、 心から願っています。
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