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感謝の気持ちを込めて【7】#創作大賞2025 #創作大賞感想

人は死ぬまでに、約3万人と出会うらしい。

この数字は、ただ擦れ違うだけの人数ではなく、
ちゃんと自分と関わり合い、
なんらかの接点をもつ人数なのだとか。

しかし実のところ、その一人ひとりが、
何処から来て、何を考えていて、
どんな悩みを抱えているのか——それら全てを知ることなんて、到底、私たちには出来ません。

出来なくていいのです。

だって知らなくても、今日を生きれますから。
平穏に暮らしたいのなら、知らなくていいことなんて、わざわざ、知る必要がないのです。

でももしも、知ってしまったら?
そしてそれが自分にとって、なによりも許し難い事実だとしたら、あなたはどうしますか?

例えばそれが「残酷な正義」で、知れば知るほど、誰かを壊してしまう事実だとしても、あなたはそれから目を背けずに「自分の正義」のため、その事実を知ろうとする努力を続けられますか?

今日紹介するのは、影山さくらさんの小説。

知ることの先に、人は何を見るのか。
知ってしまったことで壊れていく関係性と、それでも消えない誇りを描いた、沈黙と正義の物語。




この物語の主人公・如月麗美は、
ギフト会社の経理部に勤める26歳の女性です。

私が入力した覚えのない仕訳があった。

『気付けば、不正に巻き込まれていた』より引用

会計仕分けの確認をしていた麗美は、
1年ほど前から、身に覚えのない仕分けが
自分の名前で入力されていることに違和感を覚えつつも、特に行動を起こすこともなく、日々の業務を淡々とこなしていました。


下端の女になんか、分かる訳がないんですから

『気付けば、不正に巻き込まれていた』より引用

その日、麗美は、月末の業務をこなすため
夜中の22時過ぎまで仕事を頑張っていました。

気付けばオフィスには自分1人。
明日の予定を考えながら帰路に就いていた麗美でしたが、その途中、会社に忘れ物をしてしまったことに気が付きます。

急いでオフィスへと戻った麗美は、
そこで意外な人物を目にしてしまい——。


とまぁ、こんな感じで。


本作は、約12万7000字の長編ではあるのですが、
話の導入~本筋への移行を、
なんと最初の1話だけで済ませているという、

めちゃくちゃ展開の速い作品となっていますので、
これ以降はもう「みんな読んでみて!」と、
言うほかないのが私の本音であります。

私にはとても書けない展開の速さなので、
正直言って、かなり度肝を抜かされました。

(参考までに、拙作である『うまれつき』は、本筋に入るまでに5万字以上も掛かっています)




何かを守ろうとするとき、人は時として、
目を逸らし、言葉を飲み込む。

それは臆病だからではなく、
守りたい何かが大切であるからこそ、
そこには確かな「沈黙の理由」が存在している。

その沈黙を信じることも、
その沈黙を断じることも、
同じくらい勇気がいることなのだと、
私は本作を通して学びました。

私は何も知らなかった。

作品のタイトルにもなっているこの言葉は、
決して無知を嘆くものばかりでは
なかったように思います。

寧ろこの言葉は、
自分の中にある「誰かを信じたい気持ち」の
裏返しであり、「知るのが怖かった」と、
言い換えることのできる言葉だと私は思いました。

物語の主人公である麗美は、
良く言えば無垢に、悪く言えば幼く、
物事の善悪をまっすぐに見つめることが出来る、
白黒はっきりとした稀有な女性です。

実は最初はちょっとだけ、
そんな麗美のことを「苦手だなぁ」と、思いながら
本文を読み進めていました(すいません!)

しかし物語の中で、
そんな麗美も、揺らぎ、迷い、戸惑い——。
だけど必ず、また立ち上がる。

そんな彼女の様子を見ているうちに、
気付けば麗美のことが、
そこまで苦手ではなくなっている自分がいました。

(でもまだちょっと苦手です! すいません!)

物語の終盤、色んな経験を経て、
麗美の心は、ほんの少しだけ変わります。

それは成長と言えるのかもしれないけれど、
あぁ……これが「無垢との別れ」なのかと、

私はある種、親のような目線でしみじみと
その様子を読んでいたのですが、
いやはやまったく、そんな「大人への変化」など、如月麗美に起こるはずもなく。

最後の最後まで、彼女は変わらず
猪突猛進な馬鹿中の馬鹿でした 笑。

この物語の中には、詰まるところ、
明確な悪人はいないように思います。

誰もがどこかで目を逸らし、
かつて大切にしていた「自分の正義」を、
どこかに置き忘れてしまっている。

その積み重ねが、静かに、しかし確実に
人を「大人」へと変えてしまう。

私自身にも、そして皆さんにも、
そう言える過去があるのではないでしょうか。

そんな過去に思いを馳せ、
もう一度ゆっくりと考える機会を
この作品は、我々「大人」に与えてくれているように思いました。

——怖くても、ちゃんと知ること。

たとえその先に痛みが待っていたとしても、
それがきっと、誰かを
本当に守ることに繋がるのだから——。


……というわけで、


私もまた、麗美のように
真実から目を背けないと決心いたしました!

まずは上司の違和感MAXな髪型の正体を…
いや、やっぱり、私にはできない!

ま、待つんだ、麗美!
世の中にはなぁ、
知らなくていいこともあるんだよぉぉお!笑

如月麗美の
白黒はっきりとした感じを表現したつもりです!

私は何も知らなかった

( I didn't know anything )

私の脳内イメージで描きました!
キャライメージを壊したのならごめんなさい


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