映画感想文「人はなぜラブレターを書くのか」真実を元に描かれた淡いラブストーリー、當真あみが女子高生役の時点で優勝である
これが実話とは。
まさに、真実は小説より奇なり。
2000年3月に起きた日比谷線の脱線事故。その事故で亡くなった17歳の青年と彼に淡い思いを抱いていた女子高生の物語。
現代の千葉県郊外。江戸時代の街並みが残る水の街、風光明媚な香取市に住むナズナ(綾瀬はるか)は夫(妻夫木聡)と中学生の娘と暮らしていた。
彼女(高校生のナズナは當真あみが演じてる)にはずっと胸に秘めた思いがあった。高校生の時に毎朝同じ電車の同じ車両で出会う青年、富久信介(細田佳央太)。気持ちをきちんと告げる間も無くいなくなってしまった彼をずっと忘れずに、生きてきた。
ある日ナズナは今は亡き信介へのラブレターを綴る。誰にも渡すことも想定していなかったそれはある日、彼の両親(佐藤浩一、原日出子)の元へと届くことになるのだった。
24年を経た思いは周囲への人々へと影響を与えていく。
なんといってもこれがほぼ事実であるということの重みを噛み締める。実際に亡くなられた方の名前を使った実話である。
更に高校生役のナズナを演じた當真あみの初々しさが沁みる。淡い思いを抱く内気な女子高生。こういう役への適役度120%、彼女が演じる時点で優勝である。
そして正統派ストーリーの中で想定外に胸震えたのは、信介のボクサー仲間を演じた川嶋勝重役の菅田将暉の演技である。特に信介の死を知った時の茫然自失の動揺のリアルさには、切なさが伝わりこちらがもらい泣きした。
尚、これもまた実話である。実際に脱線事故で亡くなられた富久信介氏と同じジムに通っていた川嶋勝重氏はその後、第17代WBC世界スーパーフライ級チャンピオンになっている。
