映画感想文「名無し」独特のテイストで見応えはある、しかし後味悪し、それが佐藤二郎テイストだ
暗い、重い、辛い。
オカルトホラーテイストに騙されるが、とても重い作品である。俳優の佐藤二郎原作、脚本、主演。
真っ昼間のファミレスで無差別殺人を繰り返す男が突然現れる。街はパニックになる。身元がなかなかわからなかったその男は、山田太郎。児童養護施設で育った不思議な少年だった。
作中では、彼の今までの人生が少しずつ明かされていく。そしてなぜこんなことをするに至ったのか、わかる展開になっている。
しかも、その辺りの謎がなかなか全ては明かされず、現実と過去を生き来しながら、ちょいだししていくところがうまい。そこは脚本のうまさが際立つ。
だが、困ったことにわかったとて、すっきりせず、ひたすら戸惑う。
確かに不幸である。辛い生い立ちだ。そしてきっと無差別殺人犯はこうだと言いたいのだと思う。そうかもしれない。そうなのだろう。
でも、だからと言ってこんなことしていいとはならぬ。
そう、なるほど、と話の展開はうまいのだが、心がこの物語に着いていかない。この男に共感できない。どうしても好きになれない。
しかし、それこそが佐藤二郎の真骨頂である。そんなモヤモヤとした、佐藤二郎らしさを堪能できる作品ではある。
そして脇を固めるMEGUMIがよかった。最近この手の汚れ役に体当たりだ。美容本を出してるお洒落番長テイストからすると全く異なるが、女優として覚悟ある感じは好感度高い。
尚、ホラー味は薄いく、苦手な私でも大丈夫だった。たが、流血やグロい場面も多いので視聴しながらの飲食はお勧めしない。
