6月に祝日がないのも、梅雨なのも、蒸し暑いのも、全部あいつが悪い
6月になってしまった
メシを食ってクソをして寝ていたら、6月になっていた。
いや待て。
待ってくれ。
5月、お前何しに来たんだ。
何も残ってないんだが。
メシとクソと睡眠の記憶しかない。
手帳を開いたら白紙で、スマホの写真フォルダには謎のコンセントの画像しかない。
それが5月の全記録だ。
そんな5月が終わり、6月が始まった。
あと1ヶ月で2026年の折り返しだ。
矢の如しだなァ!光陰がよォ!!!
光陰矢の如しとはよく言ったものだが、矢どころの話じゃない。
レールガンだ。
音速を超えてる。
気づいた時には貫通してる。
6月について本気で考える
6月という月のことを少し考えてみる。
まず、祝日がない。
これが全てだ。
終わり。
解散。
以上。
……でもまあせっかくなので続ける。
6月には祝日がなく、その代わりに梅雨がある。
もらったものが梅雨だ。
代替品が梅雨だ。
「祝日はないけど雨があるよ」と言われて「ありがとう」と言える人間がこの地球上に何人いるか。
俺には到底思いつかないが、世の中には6月ファンもいるだろう。
6月カレンダーを食卓に置いて一緒に飯を食って、6月になるたびに泣いて喜んで推し活してる奴もいる。
それを頭でわかりながら6月の悪口を言うのは忍びない。
いや、確かに6月にもいいイメージはあるにはある。
ジューンブライドという概念がある。
これは一応いいイメージだ。
6月に結婚すると花嫁が生涯幸せになれると言われている。
ロマンチックだ。
素晴らしい。
……なのだが、一個だけ聞かせてほしい。
お前、本当に意味わかって6月に結婚してますか?
すまん、言葉が強いのはわかっている。
お前の大切な記念日を否定したいわけじゃない。
ただ、この話には背景というものがある。
ジューンブライドはヨーロッパ発祥の風習だ。
ローマ神話における結婚の女神・ユノが守護する月が6月で、しかもヨーロッパでは6月が一番気候が安定していて天気がいい。
そういう土台の上に「6月に結婚すると幸せになれる」という話が乗っかっている。
日本に、ユノはいない。
結婚の神は多分オオクニヌシか誰かだ。
そして日本の6月には、梅雨がある。
つまり、日本でジューンブライドは成立していない。
神様も気候も、全部前提が違う。
ヨーロッパの話をそのまま持ち込んで「幸せになれる!」と言い張るのは、沖縄でスキー場の権利を売りつけるようなものだ。
以上により、6月は祝日もなく、梅雨があり、根拠のないロマンだけが漂う月であることが確定した。
五月病などという言葉があるが、5月には連休がある。
クッションがある。
どう考えても6月の方が精神的にきつい。
6月病の方が正しい。
6月病を広めるべきだ。
俺が今から広める。
6月の曲を探す旅
さて、ここで一個気になることがある。
祝日もなく梅雨もある6月、テーマにした曲も少ないだろ。
春夏秋冬はそれぞれ大量の曲があるが、ピンポイントに6月を歌った曲、あるか?
思い浮かべてみた。
ヨルシカの「六月は雨上がりの街を書く」。
ユーミンの「雨のステイション」。
KOTORIの「6月」。
ある。
ある???
あるじゃねえか!!!!!!!
おかしい。
これはおかしい。
「6月の曲ってないですよね〜。俺は知ってますけど一般的にはないですよね〜。え?お前知らんの?俺は知ってるけど。ふ〜ん。お前知らないんだ。そっか。あっ、へ〜。」という記事を書くつもりだったのに。
普通にあった。
考え始めたら次々出てきた。
「ないですよね〜」どころじゃない。
普通にある。
この記事の前提が崩壊した。
まあいい。
ここまで書いておいて今更引き返すのは俺のプライドが許さない。
舵を切り直す。
今日は6月にまつわる曲を紹介する記事だ。
最初からそのつもりだった。
以上。
JUNE JULY♡2023 / chelmico
いや、散々6月の記事と言っておいて7月も入ってんのかい!!!!!!!!
まあ聞いてくれ。
理由がある。
後で説明する。
まず、chelmicoを知っているだろうか。
代表作はEasy Breezyで、アニメ「映像研には手を出すな!」のオープニング曲だ。
このユニットはRachelとMamikoによる2人組で、ラップをやっていてポップもやっていて、つまりその両方をやっているからどっちでもある、という音楽をやっている。
ジャンルで説明しようとした瞬間に言葉が逃げていく。
軽い。
でも軽いだけじゃない。
なぜか残る。
説明できないけど聴けばわかる、という類のやつだ。
「どんな音楽?」と聞かれるたびに俺は顎に手を当てて宙を見る羽目になる。
「ラップ?でもポップ?女の子2人で?」と言いながら相手が首を傾げる。
「まあとりあえず聴いてみて」で強制終了する。
でも聴けばわかる。
毎回そこに着地する。
もっとわかりやすく言うなら、令和版・女RIP SLYMEだ。
実際RIP SLYMEから影響を受けていると公言しているし、アルバムであるPOWERに収録されているPlayerを聴けばそのままRIPだ。
今回は別の曲を紹介するが、そっちもいつか聴け。
ただし今年の3月、chelmicoは無期限で活動休止している。
無期限というのは、終わりが決まっていないということだ。
解散ではない。
でも戻ってくる保証もない。
そういう宙ぶらりんの状態のまま、6月になった。
Perfumeといい、なんで俺が好きなものは立て続けに活休するんだ。
狙っているのか。
世界が俺に的を絞っているのか。
だとしたら狙いが良すぎる。
効いてる。
かなり効いてる。
ダメージ特大だ。
7年間眠っていた曲が帰ってきた話
この「JUNE JULY♡2023」、来歴がまず面白い。
結成してすぐ、2曲目にレコーディングした曲らしい。
できたはいいが当時はSoundCloudにしか上げられなくて、そのまま7年間どこかで眠っていた。
7年だ。
7年前の自分が作ったものを引っ張り出せるか。
出せるは出せるだろうが、俺にはかなり自信がない。
このnoteでも過去作品を出す時はガッツリ再構築するか、最悪なかったことにする。
でも彼女たちは引っ張り出した。
しかもリアレンジして再レコーディングして、友達になって10周年の七夕にリリースした。
「友達になって10周年」という数え方をしているのが肝心だ。
結成10周年じゃない。
友達10周年だ。
仕事じゃなくて友達の話として10年を数えている。
その区別をちゃんとつけているところに、chelmicoという2人組の性格が出ている。
タイトルのJUNE JULYは、Rachelが6月生まれ、Mamikoが7月生まれで、2人の誕生月を合体させた名前だ。
「7月も入ってんのかい」と言っておいてなんなのだが、そういうことだ。
6月に生まれたRachelと7月に生まれたMamikoが友達になって10年、その記念に2人の誕生月を名前に持つ7年前の曲を今に出す。
構造として綺麗すぎる。
狙ったのか自然にそうなったのか知らないが、綺麗だ。
これを知った瞬間に「あ、やられた」と思った。
6月の話を書こうとして辿り着いた曲に、こういう背景があるとは思っていなかった。
曲の話
この曲、全然じめじめしていない。
6月の話をしているはずなのに、6月らしさが一個もない。
雨も憂鬱も湿気も出てこない。
あるのはただひたすら、気怠くて浮かれた夏の空気だけだ。
何もしない。
特に反省もない。
ただそこにいる。
なのになぜか聴いていると気分が良くなる。
だらしなさをここまで肯定的に描ける曲というのは、実は意外と少ない。
たいていの曲は、だらしない自分を反省するか、ネタにして笑いに変えるかのどちらかだ。
この曲はそのどちらでもない。
だらしないまま浮かれている。
反省も開き直りもなく、ただそういう状態として存在している。
その温度が妙に心地いい。
俺も似たようなもんだ。
冒頭で「メシをしてクソをして寝ていたら6月になっていた」と書いたが、あれは比喩でも誇張でもない。
本当にそうだった。
5月に何をしていたか聞かれたら、メシとクソと睡眠の記憶しかない。
その合間にnoteを書いていた。
それだけだ。
生産性とか自己成長とか、そういう言葉が5月の俺の辞書には存在していなかった。
でもこの曲を聴いていると、それでよかった気がしてくる。
というかそれ以外の選択肢があったとも思えなくなってくる。
悪いことも良いことも全部夏のせいにするという発想が、この曲には流れている。
暑いから仕方ない。
湿気があるから仕方ない。
そういう季節だから何もかも仕方ない。
そうだ、全部夏のせいにしちゃおう。
メシをしてクソをして寝ていたのも夏のせいだ。
光陰が矢の如しなのも夏のせいだ。
祝日がないのも夏のせいだ。
ユノが日本にいないのも夏のせいだ。
梅雨があるのも夏のせいだ。
chelmicoが活休しているのも夏のせいだ。
全部夏が悪い。
夏に謝ってほしい。
謝った上で精神的損害賠償を一括で払ってほしい。
でも夏は毎年来る。
来るくせに何も補償しない。
図々しい季節だ。
6月の嫌なところを一個も引き受けていないのに、6月として成立している曲だ。
でも曲はまだそこにある。7年間どこかで眠っていたものが、10周年の七夕に出てきて、2人が休止した後の6月にも普通に聴ける。
残るものは残る。
それだけは確かだ。
炭酸が抜けたような空の下で、今日もこれを聴いている。
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