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詩集 R40ははのうた



アイドル



結ばれなくてもいい
一生ときめいておきます


走る




紫外線から逃げるために

走る 走る

信号が赤になるまでに

走る 走る

子どもの早退のお迎えに 

走る 走る

ほんとうに 走って行きたいところは

別にあるのに




おみやげ



「こんなのがあったよ」
1人で買い物に出かけても
ひとりになれない
幸福な手枷

レイトショー


家にいると
 あれもこれもと
気になる私

家にいると
 あれやこれやと
聞かれる私

映画館くらい
大がかりな装置でないと
没入できない

人生を、変えられない


枕カバー



におい
におい
それぞれのにおい

…まあ いいか

盲信



もうしんできたら
いちばんしあわせ
なんにもかんがえずに
なんのじょうけんもなく
ただただしんじる 

もうそうだって
おもいたくない
めをあけてもめをつぶっても
しんじられるのがいい

くさくてにおってくるくらいがちょうどいい

宝石



きみに指輪を与えても

どうせ無くしてしまうだけ

きみにネックレスを与えても

こんがらがってしまうだけ

きみと一緒に暮らしていると

こんがらがってしまう僕

そこで終わる恋



恋しい
後ろを向いた姿が

こっち向かないで
恋しく
ならなく
なるから

同じほうを向いて
寄っていきたくなるように

ティントリップ



唇が寂しい

珈琲を飲む
飴を舐める
くうを彷徨う

マスクにもつかない
ティントリップをつけて
情熱を隠して
待っている



あなたと結婚して変わったこと



ラーメンの汁まで飲み干すようになったこと
察してくれない貴方のために「あけすけ」な人間になったこと

あなたとの別れを決意すると、自分が保てなくなってしまうこと
あなたと久しぶりに抱き合うと、ほっとするようになったこと

10年という月日の、光と陰



悪妻



夫:子どもの父親だから大切にしなきゃいけない人

子どもの父親じゃなかったあなたに
もう一度会いたい
条件のつかないあなたに


妻:子どもの母親だから幸せにしなきゃいけない人

子どもの母親じゃなかったらきっと
あなたは私をとっくに捨ててる
あなたはよき父親ね

条件のつかない私に会いに来て
肩書きのないあなたと会いたい

子どもの母親であることを忘れさせて

そういう時間がないと
あなたに優しくできないの
子どもが1番大切なんだもの


あるある



何年もかけて
ちょっとずつズレていく

何年もかけて
ちょっとずつ壊れていく

そうして
何年もかけて
ちょっとずつ
修復しようとする
私たちの努力

前に進まないことが善
後ろを振り返ることが善

思い出が善
前進は悪

育児の完遂は二人の足踏み
一人で歩けぬ子どもらのための
息絶え絶えになったって
持ち堪える修羅の道

いつの日にか、前進しよう

詩の檻 


詩に檻はないなんて、
よく言う
詩に檻はある。
母親という聖域
ちかよらないで!
やすやすと






代行



(帰ってこなくてもいいよ。) 

「今夜は、帰ってこないでね。
 明日の朝、帰ってきて。」

 私だって
 好きな男とお酒が飲みたい
 代わりに
 あなたがやってきて



生活のための結婚



生活と子どものために
ここに居ます
何を文句を言われなくてはならないのでしょう
生活と子どもより大切なものなんて
あるのでしょうか

安定した環境がなければ子どもは守れないし
子どもより大切なものなんて私は知りません
子どもは宗教よりも大切です 日本において

母ほどやりがいと責任のある仕事なんて無い
他のどのような仕事よりもです

この夫(ひと)を傷つける権利など
私にはないのだ
穏やかに育てたれたこの夫(ひと)
何ひとつ悪事をはたらいていないこの人に
そう、デクノボーのように
褒められもせず気にもされず
いつも静かに笑っている
さういうもののこの人に
私が私の個人的人生の怒りを
ぶつける権利なんてないのだ
ただこの人の平穏な生活の
手助けをして
さすれば子ども達も
平穏な生活を送れる
こうして
のらり、くらり
していたらきっとまたいつか
4人で笑える日も来るでしょう
私はそれを75%の確率で
いま信じています
それを子ども達が育つまで
つづける確率は100%でしょう

翌日
4人で笑える日が来る確率…100%
子ども達が育つまで続ける確率…75%

翌々日




家庭



子どもが父親を愛していることが嬉しい
子どもが母親を愛してくれることが愛しい
そういう人間に育ったことを幸福に感じる
私が貴方を、貴方が私をもう愛していなくても
貴方には、子どもの大切な人でいてほしい
私も、子どもの大切な人でありたい
贅たくな  正しい  願い



子どもの存在



私達、結婚なんて、しなければよかったのかな
でも、私達の子どもがそこに存在する事実は
もう変えられないし、変えたくもない
忍耐と幸福とやらを教えてくれた我が子に
私が出来ることは、信じて待つこと  ただそれだけ
良かれと思って与えても子どもはそれに耐えるだけ
こんなにどうしようもなく必要とされるうざさと歓びの狭間で
永遠にゆらゆらと  ふらふらと



恋文


私みんなのものじゃない
あなただけのものになりたい




恋愛体質



恋愛体質は多産体質のことかもしれない

ただ漫然と産んでいいのなら

いくらでも 産んだのに

風刺句


母親は
恋に堕ちれば重罪人
こんな立場に誰がなりたい?

今日が 1番綺麗な私だったのに



あなたを思い出さない時はない
1日が今日も終わる
お風呂に入る前に鏡を見る
今日も抱いてもらえなかった
こんなに焦がれてこんなに熟れているのに
今日も言い出せなかった

瞳で確かめ合っても
秘密のサインを送り合っても
あなたがどんなに私を愛してくれても
今日が 1番綺麗な私だったのに

鏡にうつる、女性の
1番美しくて、 つよい場所
若い娘のそれは、暴力的なまでに
男性の思考力を奪う

赤ちゃんにとってそれは、命のみなもと
だけど万有引力には敵てなくて、
地に還ることを自覚させられる私のそれは、
日ごと熟して崩れてゆく
今日が 1番綺麗な私だったのに

三十四のときの私のそれは、ほんとに綺麗だったのよ
見たかったでしょう? ​
私は知ってる  覚えてる
だから明日の私がどうなるのか、
わかってる
だから――  
1度だけでいい
今日の 1番綺麗な私を抱いて
それを一生覚えていて。

明日も綺麗でいるように、頑張るからだから――今日が 1番綺麗な私だったのに
今日が 1番綺麗な私だったのに
今日が



心のままに?



みんなが心のままに生きちゃったら
世の中どうなっちゃうの
おとなはともかく
こどもは守られなくちゃならないし
おとなの役割はがまん
こどもがおとなになるまでは
広げた網をたたまないで


あるいはもう一度
ふたりきりに戻るまで


誰も傷つけぬ    



「溶ろけるようなキス」
脳に文字で描いて
大きくバツをする
子が産まれてからずっと

「あの娘とのセックス 」
脳で描いて排出し
それで善しとする
精通の頃からずっと


スキンケア



いざとなれば
服は変えられるし
髪も爪も伸びるけど
肌だけは変えられない

スキンケアをするとき
将来どんな恋をするのかなって
楽しみになる 


往生際



ローズヒップティー、
黒豆茶、
よもぎ蒸し 

恋の歌、
一人バー、
高級スキンケア用品

「現役引退」宣言しても
いつまで経っても
未練たらたら







過去形


初めて
唾を付けてくれた
貴方
私の身体にも
付けてほしかった

いいえ



「俺がいない方がのんびりできる?」

そんなこと聞かないで
ううん、も
うん、も
間違ってるし

あなたがあくせくすることが
私達の生活の基盤
私がどーんと構えることが
私達の生活の基盤

どーんと、どんと。
どう。

慈善家



ユニセフに募金なんてしなくても
慈善事業を成し遂げている
少年のあなたの善良な夢
きちんと叶えられている

私はこうして安心して家に
住んでいる
子ども達も
それを当たり前のように
享受して
あなたに支えられている




家政婦は見た



家政婦。
家政婦。
そう言い聞かせ続ける

誰にでも出来る仕事。
誰にでも出来る仕事。
それを繰り返す

知識と教養を身につけて
男を喜ばせる術をいつの間にか身につけて
いつの間にかオバチャンになって
今日も下働き。

るんるんるん

さう言うために
こうしてひたすら人生の修行と
麻痺だけを求めて

不安定な立場と自覚することが
大きな一歩

大丈夫、
世の中の仕事において
お金のほかに
得られるものの殆どは
人生の修行と麻痺だから


残り物



萎びた白菜
側面の茶色くだめになった部分も
切り落として誤魔化して
茹でてお味噌汁に入れたなら
食卓へならべちゃおう

萎びた人参
シャキシャキトントン
いわないけれど
オリーブオイルで焼いて誤魔化して
ケチャップと一緒になれば
そんなにわからないでしょう

味噌汁とナポリタン

変な組み合わせだけど
どってことない
ほかのおうちは黙ってて

今日の我が家の食卓が
ちぐはぐだって
なんの不都合のことやある

ロマンチック・ラブならぬ
コンフルエント・ラブ


スピリチュアルラブ


それは
遺伝子の増殖スイッチが
切れた後に 
できること
だから
人の出生になんて
なんの理由もない
ただのスイッチ
わけわからないところから生まれて
わけわからないところに帰ってくの


肉体


あの世でまた
会いましょう
できれば
この世で添いたかったけれど
未練の涙で
さよならしましょう
どうせ肉体までは
一緒には
逝けないのだから


片割れ


あなたのそばでねむりたい
あなたのそばなら
眠れそうな気がするの


言い訳 


内なる声を
ひたすらに聴きながら
まっすぐに生きてきた
道はくねくね
茨をかきわけ突き進む

「道徳とは自分で作り出すもの」
コールバーグ先生の教え
「人間の良心を信じる」
ロジャーズ先生の教え
道徳の人体実験

私にとっておそらく
夫は手放せないお母さん
背中合わせが心地よい
帰る場所など
私にはここ以外ない

恋しい人は
パズルのピース
夢をおなじくする同志
何も言わなくてもわかりあえる

そばにいてほしい人は
石のように頑とした
今世紀最大の謎
だけど死ぬとき夢に描くのは
きっと恋しい人だろう
きっと最期はあなたのもとへ
最初と最後はあなたと一緒




恋は永遠じゃない
それでも恋に翻弄されて
生きるなんて素敵
あなたのところへかえりたい
これもただの熱病かしら
夢と混ざり合った恋も



死の間際


恋の歌をききながら死にたい
きっと脳内で流せるわ
あの歌
どこにいても


ソウルラブ


あなたに私が必要でしょう?
ずいと一歩
あなたの前へと
だめなあなたの隣に私が
必要でしょう?
漲る私の生命力
今にも華開きそう
次の春にあなたと
桜を見上げたい
あり溢れた夢で
お腹いっぱいになれる




深理




権力者はいつも
陰に隠れてきた


ヨウヤク
モノクロの聖女から

七色の女神へ!

ヨウヤク
ペルセウスは

浪漫と
合理の
両輪を使い

知己という
宙の川を疾り抜けて

母もまた
ホモサピエンスであったという
新理に…

復路


もう、おばあちゃんですから。
あとは、若い人でどうぞ。
強がってるのじゃありません
もう足りているから
欲しくないのです
もう十分いただきました
めをつぶったときに
あの人のぬくもりさえあれば
別に確認しなくても
そんなさみしい顔しないで
私とあなたは違うの

索漠 


結婚して
子どもも産んで
夢を見つけても
それでもまだ
見つからない
私の魂の伴侶
どこにいるの
まさか詩だなんて
そんな寂しいこと言わないで
運命




ずっと依存しないようにしてきた
(かけがえのないあなた)に
依存するのが怖くて
「共依存」
夫婦なんて
それ以外の何物でもなく
だけどやっぱり
一人で立っていたい
そのために
他の男とも寝ないと
いけない
失うことが怖いから
ひとりで生きる
決意のようなもの
依存されたら困るのは
目に見えている
そういう夫(ひと)だし
生命力の摂取
なぜ批判されなければならない
ともに沼田打ち回ること

需要と供給



あなたの穴を
私が埋めれる
そんな確信だったの

もがいてももがいても
私の穴は
埋めてはもらえない気がしていた

けどわかったの
あなたクレイジーな人が好きだったのね
私もよ


ユートピア 



家族といる時間は
営業時間
下女の自由時間は
一人の時間
るるるらら
すべてから自由
270円のモンブランで
幸せに浸る
るるるらら
スマホの無料ゲームで
憑き物がおちる
るるるらら
公共図書館で
心があらわれる
みんながいないこの場所で
みんなの気配を感じながら
この世の春を謳歌する


老猫


 子宮が、静かになったんだ
 老猫はこれから
 楽しく歩む
 できるだけ長く
 きみ達の傍で
 日向を向いて姿勢よく
 お茶でもすすっていられるように
 お庭で呑気に
 花に水やりでもしていられるように
 たくさん喧嘩をした君とも
 もし許されるのなら
 これからも傍で
 白髪混じりの毛並みで
 相変わらず
 身勝手な私だけど
 きみ達の傍で
 日向ぼっこをしてたいんだ

自由律俳句


いい男になったね
私が育てた旦那さん
いまなら若い女にもモテると思う

魂の契り


抜き差しならない関係
あなたは私の半身で
私はあなたの半身よ
そう契り続けてきたでしょう
おじいちゃんのあなたを
私が支えるし
おばあちゃんの私を
あなたはきっと支えてくれる
もしかしたら
他に恋人もできるかもしれない
お互いにね
だけど何があっても
お互い看取りましょ
一緒に死んでいきましょう
一緒に老いていきましょう
私たち契りを
交わし続けたのだから
先に死んだ方がきっと
盛大に送ってもらえるわ
どちらが先に行くか
わからないけれど
どっちが先に行っても
残ったほうが
未亡人よ


実  


わたしまだ愛される
女王蜂のように
何度でも
めしべのように
男に囲まれ
愛されまくる
そしてまた
きっと
実がなるの

ミューズ


私ずっとね
貴方に嫌われたくなくて
頑張ってきたの
脇目も振らず
ときに子どもにさえも
目を振らず
そういう時間を
大切にしてきたの
そういう女に
なりたかったの
だからそういう生き方
させてくれてありがとう
だから家事は
最低限しか
出来なかった
向いてないしね
これからも
貴方のミューズで
あれるように
ぐんぐん上を
目指していくから
私を支えてね
もしかしたら
暇ができたら
家事が趣味に
なるかもしれないよ

それだけでいい


理由がなんであれ
私があなたを求めるのは本当で
私があなたに何を見ていたとしても
ここに2つの身体があるのはほんとうで
それが重なり合うのもほんとうで
ほんとうでないことは
口にしない方がよいのでしょう

俳句


奥様で
いさせてくれて
ありがとう

可のう性



あなたが先に
逝くとばかり思っていた

こういうパターンもあるなんて
眼からうろこ

娘たちの
優しい父で居てください

このまま悦んで滅びましょう



REALITY





月の裏側に着いた

人類は

とうと私の正体を見た

正体を知った



身も蓋もない

ざんねんな事実を





ハハ





あたしはサリバンで

あたしはナイチンゲール

あたしは津田梅子で

あたしは未来の紫式部

あたしは下女で

わたしはみすず



わたしはみずで

わたしはこおって

わたしはとけて

わたしはくさって

わたしはにごって

わたしは沈んで

ビーカーの中

息絶える

それからいつかは浮かんで

天に召され

浮かばれる



内裏





権謀術数のあなたには

抜けてる くらいが

たまらないのね

裏をかいても

覆されて



そんなことが

嬉しいのでしょう

抜けてるのが才能だって

気づいているけれど ね



のぞみ





おはよう

 って言おうよ

おやすみ

 って言おうよ

当たり前のこと

なんで出来ないの?



カサンドラ





変わり果てた友よ




催眠術





寝ぼけた時に

 云う言葉って

  信用できる



  退屈だと寝ぼけちゃう



本当は

 安堵で眠く 

  なりたい



高校生のとき

 数学の参考書を読むと眠くなるから

  数学の参考書と寝ていたの



いつの間にか

 調教されちゃったのね



退屈な方が眠くなるなんて

おとなは厄介で

けったいな

 生きモノだ



妊娠希望





罪悪感のない



真っ白なお腹に、





新しい



真っ赤な命を。





誰にも責められることのない



真っ白な生活の中へ…





真っ赤な私の胸に



放り投げて欲しい



あなたの真っ赤に燃える遺伝子



そうして生まれる

真っ白な命。



私達に届けてください、

真っ白を。


愛想無し





寝るか寝ないか

それは

支配 被支配

シーソーゲーム



こんなにずっと

揺れているなんて

思いもしなかった




種を蒔く女





蒔いた種を刈り取る

なんて

そんなちんぷでばかな

ストーリー

私に起こる

はずがない



きっと蒔かなくても

起こるんだ





延心力 





ぶんぶん ぶんぶん

打ち出の小槌



出てくる 出てくる

お金がでてくる



ぶんぶん ぶんぶん

振り回す



ぶんぶん ぶんぶん

打ち出の小槌




確か不確か





書くために

あなたが育ててと

頼みたいけれど

幸せと一緒に手に入れた不自由

幸せの代わりに自由を手に入れても



ーーー



お金で繋がる

私とあなた



正しい確かな 

つながり



正しくない不確かな 

つながりは

結婚の外で








きみも服を買っていいんだよ?



遠慮がちに貴方が言う

もっと綺麗になってもいいんだよ?



ってことだ



わたしが節約をして

こどもにばかりお金をかけること



わたしがお仕事が続かないこと

型にはまって生きられないこと



日本人らしく生きられないことに

許可を出してくれるあなたは



私が着飾ってもいいのだと

許可を出す



金と外見の美はいつもセットだ

金とルッキズムは仲良しコヨシ



あたしね



おうちで一番

可愛い私



でいたいの



だから

服よりも

肌にお金を掛けるんだよ



私ずっとあなたに

恋されていたいの

庇護されていたいの




全身作家





変わり果てた今の自分が

結構好きだから



異星人とも

意思疎通ができる

今の自分が

かなり好きだから



今の私のままで

今はいたいから



この先もしも

書けなくなったら

どうなるか

わからないけれど



新しいものが

書きたくなったら

どうなるか

わからないけれど



太宰ももう一寸

時間をかければ

好かったのに

生き急いで



ほんとの自分?

なんだろう

全身作家なんて

そんなもん



自分が気持ちよくなりたいわけじゃないの

気持ちいいのはベッドの中だけで充分

社会が気持ちよくなってほしいじゃない?





共同親権





お前たちのお父さんを

守りたいのよ

お前たちが大事だからよ

たとえいっとき

どんなに

憎くたって

お前たちの血を分けたおとうさんやもの



お前たちのお母さんだから

守られるの 

お前たちが大事だからね

たとえいっとき

憎まれたって

心配 しないで





一親等





イッシントー

イッシンキョーかとおもったら

タシンキョーだった  

自由律俳句





詩の翼をくれた貴方に

返しきれない恩





生活のセックス





今日は嫌そうだから

近づかないわ



でもたまにセックスしたい日には

求めあうこともあるの



あるでしょ

そういう日って

人肌が恋しい日



思い切り触れあってもいいのが

素敵だわ

好き合っていたのがたとえ過去でも

ずっと工夫を重ねてきたもの

そんな夜に



身体が覚えている



それを批判する権利なんて

他人にはないわ



夫婦のことは夫婦にしかわからない

夫婦喧嘩は犬も喰わないし

空想の翼で乗り越えるのよ



もともと恋なんて

空想の翼なんだもの



だけど

子宮だけが

空想じゃない

紙切れと同じで

ちゃんと存在している

卵子や精子みたいに

トイレに流れていかないの



子宮だけは記憶をとどめて

それを次世代に繋いでいくのよ



次世代への責任を

子宮は負っている



精子の責任は

遺伝子だけね。

精子よりも

生死はuncontrolだから

私に足りない能力に

惹かれるようにできてるの



羽ばたいても

羽ばたかなくても




女に生まれてよかった 





美人じゃない

お金も稼げない

だからといって

ウィークネスフォビアでもない

自分が自分であることを

認めてくれる人がいる

愛してくれる人がいる

そんなあなたの傍で

自分の人生を愛している




いちにんまえ  





お父さんは大人として

いちにんまえになりたいから

子どもを育てたんだと思う

お母さんは

おなかにできてしまったから

産んだんだとおもう



大人としていちにんまえって

なんだろう



いちにんまえを認めてもらえる

子どもってなんだろう







18まで死なずに生きたら

立派なものだ



死んだらいやだ

犯されたらいやだ



ただそれだけのことで

懸命にやってきた



本能が望むのは

それだけのことだ





子育て  





弱い お母さんを

大事にしてくれる子どもたち

不健康に負い目を感じるより



〈坂本龍馬の母だって

 病弱でずっと寝てた〉

心優しい子にきっとなる

そんな予想に甘んじた

乙女姉ちゃんもいないのに



私にも出来る

反面教師策士的子育て



自分が貰えなくて悲しかったもの

自分がもらって嫌だったもの

そういうトラウマこそが

私の〈母性〉



家を途中で出て行かないこと

夫選びを間違えないこと



性のケアをしてあげること

職業意識の醸成

世の中のことを教え

アドバイスしてあげること



私の〈母性〉





不都合な果実  





愛人をつくるのを

許してくれないのは



子どもらだけだ



親はよいと言ってくれるのよ

きみたちのおじいちゃんおばあちゃんだよ



「犬も喰わない夫婦喧嘩

一時の熱病なんて過ぎ去ってしまうのよ

まあまあ、収めといて

帰ってくる港が

うちの子なら

そのぐらいあることよ

あんたたち、



Win-Winなんだから



浮気で収めといて」って

君たちのおじいちゃんおばあちゃんが

そう言うんだよ



君たちは



自分のお金がなくなることが

嫌なんでしょう

お母ちゃんを奪われるのが

嫌なんでしょう

あたらしい恋人に



そんなに怒らなくても

味見よ、

たまのデザートの






専業主婦





たとえばおならを我慢するとか

おなかが鳴ったらきゃっとうつむくとか



デスクの前では

恥じらいをどこへ

恥じらいをどこへ

逃せばよいのか

それはあなたが留守の家



身体への圧力

同調圧力

他を出し抜く圧力

圧力のなかで



向いていないのだ

わたしの身体は

圧力に



何も聞いちゃいない

自分の詩をかくだけ








この虫喰われた身

悲痛な様相



無の空間に居る

母を救うは誰?



身体が欲しい

半身が欲しい



もう実には

戻れないから



次世代の実に

願いを託す



なるたけ重くない

思い の実

落とす





式年遷宮





わたしのターンと

あなたのターン



どちらもありでしょう

あなたがずっと握っていたら

必ずいつかだめになるもの



だから

今の私に  は要らない




illustration: ©yuppi











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