悪化していく謎の体調不良。そして突然告げられた「難病」の影|SLE発症の記録②
当時、栄養士を目指す大学生だった私が突然「難病」と言われるまでの記録です。今は元気に過ごしているので安心してくださいね!同じSLEの人や、いま病気と闘って不安な人の心が、少しでも軽くなったらいいなと思って書いています。
2021年10月。ただの疲れだと思いたかった私の体は、いよいよ本格的に悲鳴を上げ始めました。
10月1日 ついに限界がきた
朝から手全体がパンパンにむくんで、体中が痛い。
1限目の授業中に例のチカチカが始まり、ホワイトボードの字が所々、強い光で見えなくなっていました。
2限目には激しい頭痛。そして、2限目のラスト30分で猛烈な吐き気が襲ってきて、授業が終わった瞬間にトイレへ直行、そのまま嘔吐してしまいました。実は、関節痛が出始めた9月ごろから髪の毛も抜け始めていて、皮膚科でもらったセファランチンという脱毛症に効く薬を飲んでいたんです。「もしかして薬の副作用?」と思い、母に連絡をとって、午前中で早退するように促されました。大学の先生にも許可を取って早退することに。
いや、でも、さすがにおかしいと感じて、夕方、母が看護師として働いているクリニックへ行き、採血をしてもらいました。
10月2日 血液データを持って皮膚科へ
皮膚科の先生に「私の症状、薬の副作用ですかね?」と聞くと、先生は「こんな症状、今まで知らないな…」と困り顔。皮膚科の先生曰く、「鉄欠乏性貧血?っぽいから、お母さんが働いてるクリニックで鉄の薬を出してもらって下さい!」とのこと。その足で母が働いているクリニックの先生に診てもらうと、「いや、これ鉄欠乏性貧血じゃなくて『溶血性貧血』じゃない?」と…。えー?どっちーー!?(笑)
どっちにしろ全身はだるいし、関節も痛いしで、もう何がなんだか分かりませんでした。とにかくこのしんどさが取れてくれればそれで良い。その想いしかありませんでした。
【ちょこっと解説】
💡「鉄欠乏性貧血」と「溶血性貧血」ってなに?
◎鉄欠乏性貧血とは?
体内の「鉄分」が足りなくなることで、全身に酸素を運ぶ赤血球がうまく作れなくなってしまう貧血です。
◎溶血性貧血とは?
何らかの原因によって、赤血球が通常よりも早く破壊されて(壊れて)しまうことで起きる貧血です。赤血球の膜が破れて、中のヘモグロビンという成分が外に漏れ出してしまうのが特徴です。
※実は、私がのちに診断される「SLE(全身性エリテマトーデス)」では、自分の免疫の異常によって赤血球を攻撃してしまう、この「溶血性貧血」が起こることがあります。
10月4日〜5日 スニーカーが入らない…?
10月4日は1〜3限、5日に至っては1〜5限までぶっ通しで授業に励みました。授業と課題がたくさんあり、さらに帰るのも遅くなって疲れはピークに。
ふと、足元に違和感があり、朝、普通に履けたはずのスニーカーがめちゃくちゃキツい感覚がありました。
「あれ?やっぱり足まで腫れてる……?」
この時、体重が少し増えていて、「ダイエットしなきゃなぁ〜」と思っていたのですが、今思えば、全身浮腫(ふしゅ)により体重が増加していました。その影響で靴がキツくなっていたのです。
10月6日 友達の一言と、左膝の激痛
すでに、朝起きた時点で、手がむくみすぎてパンパンで痛いし、全身の関節もズキズキしていました。
大学で友達からも「指、捻挫したときみたいに太くなってるよ!?大丈夫?!」と言われるレベルになっていました。この日は3限目で終わりだったのですが、18時から学外活動があって帰れない…。そんな中、お昼頃から今度は左の膝に強烈な激痛が走りました。絶対に何かがおかしい…。
10月7日 怒涛の検査、そして「難病」という言葉
今日も朝から全身激痛。いつもなら寝たら治ることが多かった関節痛、昨日痛んだ左膝の痛みが、翌日に持ち越されました。「これはいよいよダメだ」と思い、ドーナツ屋さんのバイトを代わってもらうことに。
朝イチで母の働くクリニックから紹介状を書いてもらい、大きな病院へ向かいました。そこからが本当に大変で……。
血液検査、尿検査、レントゲン、CTにエコー。10時から14時まで検査のフルコース。朝ごはんを食べていなかったからクタクタです。
最初は原因が分からないので、「総合診療科」宛てだったのですが、なんとその日の担当がたまたま「膠原病内科」の先生でした。「僕は膠原病内科を担当してるのでラッキーでしたね。」って言われました。(笑)「何だその自信は?(笑)」と私たち親子は思っていたのですが、優しそうな若い先生なので、まあこれで良しと。
一通り検査が終わって言われたのは、「SLE(全身性エリテマトーデス)の疑い」。最初は「えす・える・いー?何それ?」って感じでした。でも、看護師の母に聞いたり自分でもスマホで調べたりしていくうちに、それが「国が指定する難病」だと知ったんです。
「私が?難病?え?なんで?」
って、自分の状況を理解できずに頭の中が真っ白になりました。でも、その反面、今まで原因がわからずにずっとしんどかったから、「あぁ、しんどいのは気のせいじゃなかったんだ」って、病名が分かって少しだけホッとした自分もいました。
家に帰ってから、母に
「はよ気づいてあげられへんくてごめん」
って言われて、二人で大号泣。でも、これは医療従事者の母でも絶対に気づけないレベルの急展開だったと思います。間もなく、検査をした病院の先生から不在着信が…。次の水曜日に受診する予定だったのに、
「月曜日から入院してください」
って。えっ!?どうやら「腎生検」という検査をするらしいです。人一倍ビビりな私が、そんな怖い検査に耐えられるの……?もう心配しかありませんでした。
そこからは大学の授業を休む連絡、バイトに行けない連絡、いろんなところに電話をかけて状況説明に追われました。
これから私の体、どうなっちゃうんだろう。
まるで夢の中にいるような、現実味がなくてふわふわした、よく分からない感覚は今でも忘れられません。
病名が分かった安心感も束の間、先生からの「即入院」の電話で事態は急変。授業もバイトもすべてストップし、私の世界が一気に動き出しました。
待ち受けるのは、人生初の入院と、名前からして怖すぎる「腎生検」。
【ちょこっと解説】
💡「腎生検」ってどんな検査?
「腎(じん)生検」という、名前からしてちょっと怖そうな検査ですが、具体的にはこんなことをする検査です。
◎何をするの?
背中から腎臓に細い針を刺して、腎臓の組織(細胞)をほんの少しだけ採取します。それを顕微鏡で詳しく観察して、腎臓の状態を調べるために入院して行います。
◎なぜやるの?
腎臓の病気にはたくさんの種類があり、血液検査や尿検査、エコーなどの画像検査だけでは正確な原因を見つけるのが難しいからです。
◎この検査の目的は?
「腎臓の病気の本当の原因」をきっちり突き止めて、これから先の最も効果的な治療法を決定するために、とても大切な検査になります。
次回、「ついに始まった入院生活。恐怖の検査にビビリが挑む!」に続きます。(次回もお楽しみに!)
