尊重と放任を区別する!~『オードリー・タンの母が語る「自主学習のすすめ」~
前回、平川理恵さんのご著書『学校はここまで変えられる!』について書かせていただきましたが、今日は、近藤弥生子さんが翻訳をされた本『オードリー・タンの母が語る「自主学習のすすめ」』について、感想をお伝えしたいと思います。
この2冊、セットで読むことを強く強くお薦めします!
“現在の台湾の教育体制で、最も弱点となっているのは、十二歳から十八歳までの中高生です。人生を歩む上で重要な鍵となる思春期に、大人たちの理解やサポートも得られず、自分が何をしたいかもはっきり分からないまま、主体的に学習しなければならないのですから”
というくだりがあります。
日々の活動の中で、私もここは強く感じています。
更に、「自分は何者なのか?」というアイデンティティを探す旅に、大人がどう寄り添っていくかが必要だと。
「自分は何者なのか」
平川理恵さんのお話の中にも、常にこの言葉が出てきます。
学び舎めぶきの相談の中でも、「自分が何をしたいのか分からない」という話はたくさんあります。
では、どうやって「自分とは何者なのか」を見つけていったらよいのでしょうか。
自分自身に絶えず問いかける
この本の中には、たくさんの「問いかけ」が出てきます。
☑人はなぜ生きているのか?
☑私はその答えのように生きられているのか?
☑私はどのような子どもを育てるつもりだろうか?
☑私は、この子どもの人生を、どのように扱おうと決めたのだろうか?
大人自身への問いだけでなく、子どもも同じく、自分自身に問い続ける。
“まずは「前提」を考えて初めて、次のプロセスに進むことができる”とあります。
言葉の「定義」もとても丁寧に言語化されています。
自主とは?
学習とは?
何をもって「学んだ」と言えるのか
などなど。
この問いに対する答えを見つけることは、そう簡単なことではありません。
自分に問い続けるためには忍耐も必要かもしれません。
でも、「自分はどう生きていきたいのか」
やはりここにしか答えはありません。
この本の中に出てくる「問い」を一つずつ親子で考えていくだけでも、学び方、生き方に変化が出てきそうです。
未来を信じる力を育む
「自分は」どう思うのか。
これこそが「自主学習」であり、「探求」。
親や先生がお膳立てをして、レールが敷かれた上で「考えたふり」をしていても、それは何の力にもなりません。
「自主学習」で学んだ子どもたちは、
“自分に誠実で、他者に寛容で、世界の苦しみを感じながらも未来を信じることができています。”
とありました。
未来を信じられること。最高ですよね!
それこそが幸せに生きていく力ではないでしょうか。
尊重と放任を区別する
とにかく全ページ、前のめり状態で読んでいましたが、特に「第五章」-「話し合いの文化を築くー家庭編」にある、「尊重と放任を区別する」という言葉が強く胸に刺さりました。
家庭編とありますが、家庭の話だけではなく、あらゆるところで「尊重と放任の混同」を目にします。
その場しのぎの支援・関わりで、「誤学習」の経験を積んでいってしまう子どもたち。
冒頭の、「私は、この子どもの人生を、どのように扱おうと決めたのだろうか?」につながることだと思いますが、ここでもやはり自分への問いかけ。
自立とは?生きるとは?
この問いから逃げてはいけない、と改めて強く思いました。
この章の中でとても感動したのが、著者である李雅卿さんの保護者への真摯な向き合い方。その裏には、子どもたちを心から信じる気持ちがあるからこそだと感じました。子どもにただ「がんばりなさい」と投げるのではなく、やはり大人の在り方ですね。
私も自分の在り方を振り返っていこうと思いました。
学び方の選択肢を増やす
私たち親世代にとって、「学校」とは、前に先生がいて、言われたことを言われた通りにきちっとやる、が正解だと教えられてきました。
ですが、それではこれからの社会はやっていけないということは明白。
にも関わらず、相変わらず勉強は競争であり、その環境が合わない場合、他の学びの選択肢は全く足りていません。
学校に「行けない」と完全にエネルギーが枯渇する前に、「行かない」選択をし、所得に関わらず誰もが学び方を選択できるようにしていくことが急務だと感じています。
めぶきでも利用のご相談は絶えず続いています。
できることは限られていますが、一人でも多くの子どもたちが生きていく力をつけられるような学びの機会を増やしていきたいと思います。
現状を変えるにはたくさんの困難があります。
ですが、『学校はここまで変えられる!』、『自主学習のすすめ』から感じられるのは、強い可能性。
誰もがより良い人生を歩める社会にするためには、まずは私たち大人が、自分はどう生きていきたいのか、を真剣に考えていかないといけないのだと思いました。
私は、「60歳からの愉快な人生」を目指したいと思っています^^
