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神話と神話をつなぐ謎世界3 出雲神話

「天」から落っこちて来たスサノオが、出雲の肥の河上にやってきて、「コシ」の八岐大蛇やまたのおろちを退治して、救った美女と暮らし始めたことから「出雲世界」の神話が始まった。

ある時ある若者が、いじめられていた白兎しろうさぎを助けたところ感謝され、心優しい若者はその兎の「言霊ことだま」によって因幡いなばのヤガミのヒメと結ばれることになる。

この事件が、若者の神がかった「黄泉がえり」と「変身」をもたらし、天神が求めてやまない「豊葦原とよあしはら」の「中国なかつくに」づくりのスタートとなった。

神話の「出雲世界」が現在の「島根県」を指すかどうかはわからないが、最終的にこの若者が「神」に封じられて祀られて、年に一度神々が集うという、神話の編まれた場所が「出雲国」となり、「島」の「根」となる物語の聖地となった。

この兎は、あざむいてワニの背中を渡り海を越えたが、最後にウソがばれて身ぐるみ奪われ、更に通りがかった悪い奴らに意地悪をされて苦しみ、最後にこの親切な若者に助けられた。

オオアナムヂの時代

美しいと評判のヤガミのヒメが、その冴えないオオアナムヂという若者を夫としてチョイスしてしまったため、若者はその他大勢の悪い奴らから嫉妬を買って殺されてしまうことになる。

ところが、母の願いによって彼は「黄泉がえり」を果たし、母の言葉に従ってスサノオを訪ねることになる。

わざわざ「白兎しろうさぎ」を登場させたり、若者をここで死なせてわざわざ生き返る話になっているのは、出雲神話が「輪廻転生りんねてんしょうによる魂の浄化」みたいな密儀思想の影響を受けていることを、ほのめかしている気がしてならない。

「白兎」の正体は、もしかしたら白い肌のオリエンタリストな渡来人が、「エリュトゥラー海案内記」を実践していた船で紅海から南インドへたどり着き、更に東へとワニ(ポリネシア語で船)を乗り次いでやって来た、ピタゴラス教団に影響を受けたロマンチストな冒険家で、日本にたどり着く最後のワニ(船)で追いはぎに遭遇してしまった可能性は、ないとは言えないだろう。

これは歴史的に不可能ではなかったし、レイライン等の天文学と結びついた幾何学的な神社の不思議も冥界思想や神話の流入も、1世紀前後のアレクサンドリアや新ピタゴラス主義を視野に入れれば見えてくるかもしれない。

葦原色許男あしはらしこをの時代

この名前の通り、「黄泉がえり」をした冴えない若者は、命が蘇っただけでなく、「色ごと」で世の中を変えるほどの「超イケメン君」に姿を変えていたものだから、スサノオの娘だって彼を一目見るなりに好きになってしまった。

彼を自分の夫とするためにあの手この手を使い・・・そしてこの色男は、とうとうスサノオの婿となり、その異界に暮らすことになった。

ちなみに、生まれ変わる前に妻としたヤガミのヒメは、スサノオの娘の嫉妬があまりに怖くて、子供を置いて逃げてしまったらしい。

ある日イケメン君は、そんな気の強い妻を持て余して優しい美女を求めたくなったのか、それともスサノオの密命で地上の人間界を制覇しようとしたためか、イケメンとしての誉れ高い(?)行動を起こし始めた。

美しく賢いと噂される美女を求め「コシ国」へ、突然旅立ったのだ。

まぁ、この時代にこの衣装や船はありえないけど・・・

八千矛やちほこの神の時代

彼はこの時から「八千矛やちほこの神」と名を変えている。

一人で八千の矛に匹敵する働きをするほどに、美女たちを悩殺する神々しいケメンだったのかもしれない。と、勝手に解釈する。

イケメン君は、「コシ」の「ヌナカワのヒメ」にラブレターを送って見事に彼女をゲットすることに成功した。

イケメン君というと、どうもこういう中華な古装のCGファンタジーを連想してしまう。まぁ、どのみちAIさんには弥生時代のラブファンタジーという設定は難しそうだし、私も描けないし。

このことの意味は、スサノオの婿の勢力はコシまで広がった、ということを意味しているように思う。現実に、南越後の主要な神社はどこも「大国主」を祀っている。

彼は「コシ」の世界に大きな影響力を持つようになったと見えるし、「コシ」エリアの北はずれには、出雲の造船場もつくられていた。

そして重要なのは、イズモの反逆王子が、コシの「ヌナカワヒメ」と、後に「大国主」となるこのイケメン君との間に生まれた男子であったことだ。

実は地元の伝承に「ヌナカワヒメ」は、「シナノの王さま」と「クロヒメさま」の娘である、というものがある。ヌナカワヒメ時代でシナノの王さまといえば、あのホダカの一族しかいないだろう。

長野県には中世頃の「黒姫伝説」というのはあるが、イズモとレイラインをつくる新潟県内の「クロヒメ」という名前は謎であり、「ヌナカワヒメ」と同一視されることがある。ヌナカワヒメが住んでいたのは、黒姫山のカルスト洞窟だったらしいし、その他のことから考え併せても両者の関係は深そうに思える。

ホダカの一族が採掘していたとみられる良質の黒曜石は、製鉄技術が未熟だった古代において実用的価値が高かったし、黒姫山のふもと海岸はヒスイが採れる海岸であり、この硬玉は日本の各地で発見されている。

イケメン君は、コシを得ることで日本海交易を掌握したのではないかと想像してしまう。

志賀高原の「志賀山」に「黒姫池」があり、「青海黒姫山」との中間には「信濃黒姫山」が存在する。穂高の神と関係の深い「志賀」と「黒姫」の関係もまた無視できないように思えたが、大国主の行動を追ってみると何か筋が通っているように見えてくる。

大国主の時代

さて、イケメン君がコシから帰ると、スサノオの娘が嫉妬に狂っていた。

それでイケメン君は、意味不明な手紙を妻に残して「倭の国」へと逃げて行ってしまうのだった。

この「倭の国」がどこを指すのかはわからないが、コシから帰って来てすぐの話なので、もしかしたら志賀島の神さまの勢力地かもしれない。

というのも、倭王の金印が出土したした島は、ヌナカワヒメの父親かもしれないホダカの一族と関係が深いからだ。コシのヒメを最初に口説いた理由も、実は「倭王の姻戚」という裏事情があるかもしれないと勘ぐってみたくなる。

イケメンくんは、「倭国」に向かった直後、志賀島のすぐ隣の宗像大社のタキリビメと関係を持ち、彼女はこの後の神話に登場するアヂスキタカヒコネ(ワカヒコのそっくりさん)を生んでいる。

これ以後、イケメン君はあっちこっちに妻をつくっては子供を増やし、外戚勢力で権力を固め、葦原のド真ん中で、スクナビコナなる渡来の人物と共に中央政権の土台を作り始めたように見える。

そうでなければ、アマテラスが欲することもなかっただろう。

スクナビコナを失った後、三輪山に大神おおみわの神を祀って、国づくりに励んだらしい。

そしてアマテラスは、あの手この手のはかりごとをもって、この国を奪おうとした。「ワカヒコ」なる間者を送り込んでハニートラップを仕掛けるもうまくゆかず逆に懐柔され、最終的に武力を以って奪うしかなくなってしまったようだ。

さてこの時、送り込まれた武の将軍が誰であるのかがわかれば「国譲り」を迫った国の親玉が見えてくる。

Saclaの 古代Note