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GRAPEVINE『Circulator』時代を振り返りながら再聴する

2026年、GRAPEVINEは”In a Lifetime Circulator Tour”と題して、彼らの4枚目のフルアルバム『Circulator』の再現ライブツアーを行います。2001年8月1日にリリースされたこのアルバムは今年で25周年を迎えます。その記念すべき”再訪”ツアーに先立って、2000年から彼らのファンである筆者が当時の思い出を振り返ると共に、25年経った2026年に再度『Circulator』を聴き返した感想を書き留めておこうと思います。

この記事を書いている人のGRAPEVINE歴

2000年3月にリリースされた3rdアルバム『Here』からのファンです。『Here』リリースから少し経った2000年末にどハマりし、ちょうどこの頃にリリースされたシングル曲「ふれていたい」「Our Song」からリアルタイムで聴き始めました。よって、このシングル曲を含む『Circulator』はまさに私にとってドンピシャの、思い入れありまくりアルバムなんです。そして人生で初めてライブハウスでライブを観たのも、このアルバムのツアー ”Whitewood tour”でした。ちなみにWhitewoodというツアー名は、バインがライブの打ち上げで居酒屋「白木屋」をよく利用していたからでしたよね?ファンも白木屋で打ち上げしてた話を当時ネットで読んで、私は未成年だったのでいいなぁと思ってました笑

2000年頃のGRAPEVINEの印象

GRAPEVINEは1997年にデビューしましたが、デビュー時からよく言われていたのが「演奏が上手い」。デビューしたてとは思えない玄人のような演奏技術に、「本当に新人?」みたいなざわめきが当時ありました。ヴォーカル・ギターの田中和将氏(以下、愛を込めて”田中くん”)は元々ギタリストなのもあり、ヴォーカルなのにめちゃくちゃギターが上手いと驚かれていました。また、脱退した創設メンバーでリーダーの西原誠氏(以下、ダーリー)を含む、バンドメンバー4人全員が作曲ができるというのも印象的でした。そして、作詞担当で読書家の田中くんの書く歌詞がとても文学的で、当時の日本語の歌では珍しいくらい韻を踏み、言葉遊びが多く、ライブでは歌詞カード通りには歌わないことも多いというのも驚きでした。

ダーリーの活動休止

2000年当時、私は4人のメンバーの中ではダーリー推しでした。西原作曲の”なんかちょっと変”な曲が癖になり、またベースという楽器のカッコ良さにもハマっていました。しかし私が好きになってすぐ、ダーリーは病気(ジストニア)のため活動を休止。めっちゃ、めっちゃ、それはめちゃくちゃ泣きました… GRAPEVINEは一時的に3人体制になり、『Circulator』のベースの演奏もプロデューサーである根岸さんが担当。ダーリー不在なのは辛いけど、治療を終えて帰ってきてくれることを信じていました。そんな中での『Circulator』リリースと、Whitewoodツアー。私にとっては初めてのライブハウス体験で、初バインライブでした。サポートに入ったのはベース金戸覚氏とキーボード高野勲氏。現在のGRAPEVINEのツアーメンバーです。当時はダーリーがいないので複雑な思いでしたが、このWhitewoodツアーから現在に繋がるバインが始まったんですよね。

『Circulator』を再聴する

さて、ここからは『Circulator』を聴き返して、思い出話と現在の感想を書いていきます。

  1. Buster Bluster
    疾走感あふれるギターから始まる半分インストの曲。2001年のWhitewoodツアーのセトリでも1曲目だったと思います。始まりのワクワク感を告げる曲。歌詞の”Hasta la vista”はツアーマーチTシャツのデザインにもなってましたね。

  2. 壁の星
    私、今度の再現ツアーではこの曲さえ聴ければもういいかな?ってくらい好きな曲です。なんていうか、すごくRadiohead!笑 当時レディヘにもハマっていたので、ドンピシャに好みの音でした。冬になる前の、キンとした空気の夕暮れに見える一番星を眺めながら聴くのが好きでした。(青春!)音的にかなり実験的なことをしているなと改めて聴くと思いますね。「我身を過信して剥がれた爪」という歌詞が素晴らしい。

  3. discord
    私がどハマり後に初めて「バインが次の新曲を出す!」となり、発売を待ち焦がれていたのがこの曲。アルバム先行曲にまで抜擢されたのにあんまりライブでは聴いたことない印象の、ちょっと地味目なシングル曲。当時はあんなに待ち焦がれてたのに辛辣な感想!

  4. 風待ち
    “GRAPEVINEで一番好きな曲は?”と聞かれたら、私はこの「風待ち」をあげます。メロウで切なく美しいメロディーに、情緒的な歌詞。もう、完璧です。冒頭の「季節はずれの雨が好きな あなたに悪いけど」がまず天才。「今 夏の香りがしました」これも、天才。「髪を少し短くした」みんな髪切ったら言いたくなる、天才。「また夏の感じがしました 明日も晴れだったなら 会いにいこうなあ」まごうことなく天才。これぞ田中文学。一編の小説を読んだような気分になりますね。作曲のDr. 亀井亨氏の美メロを存分に活かしたGRAPEVINEの最高傑作のひとつだと思います。

  5. lamb
    個人的にはあんまり響かなかった曲なんですが、当時私がよく閲覧していた個人HPを運営していたバインファンのお姉様はこの曲をめちゃくちゃ褒めていたのが記憶に残ってます。再聴してみたけど、いまいち良さがわからず…うーん

  6. Our Song
    バイン冬の定番ソングといえばこの曲。捻くれたバインらしからず、ストレートなラブソングで、当時物議を醸しました。「君を失くすくらいなら 死んだほうがマシ」が直接的すぎる!どうした田中!?みたいなことを、上記サイトのお姉様方が言ってましたね。私はピュアなお子ちゃまだったので、素直にめっちゃいい曲じゃん!?と思ってました笑

  7. (All the young) Yellow
    再現ツアーで楽しみな曲のひとつ。バインがツインギターで良かった!と心から思う、最高にライブでの演奏が楽しい曲ですね。それぞれのソロパートからテンションがどんどん高揚していきます。歌詞は田中くんらしく、皮肉たっぷりの韻踏みまくり。これぞGRAPEVINEだ!という要素を詰め込んでいて、ワクワクが止まらない曲ですね。

  8. フィギュア
    実は当時この曲めっちゃ苦手でした!だって歌詞はすごく怖いし、曲も不穏だし…と思っていたんですが、待って待って、めちゃくちゃ良い曲じゃないですか!?お子ちゃまにはわからんかったんやな!今のバインが演奏したら、すごく合うと思う!最近のバインってちょっとシューゲイザー要素がちょいちょいあると思うのですが、これはその走りみたいな感じ?かなり実験的な曲だったんですね。

  9. ふれていたい
    爽快感溢れる、最高に楽しくハッピーな曲。なんてったって「君が笑った 明日は晴れ」ですからね。当時のバインはトライセラトップスと比較されることが多かったですが、この曲はかなりトライセラっぽさがありますね。ダーリー好きな私は、この曲のPVのダーリーがめちゃくちゃカッコよかったことを今も忘れない…!

  10. アルカイック
    このアルバムの肝ともいえる曲で、ツアーのセトリでも大詰めを迎える時に演奏していたと思います。ミドルテンポでどこか切なく、優しく、感情に訴えかけてくる演奏で、田中くんのヴォーカルも美しいですね。現在の田中くんならファルセットのパートももっと楽に、さらに素晴らしく歌い上げてくれるんじゃないかな?と期待してしまいます。若い頃より歳を重ねた今の方が歌が上手いってどういうこと?って感じですが笑

  11. 波音
    昨今の音楽シーンの流れから言えば「アルカイック」でアルバムは終わりそうなものですが、このアルバムはまだ続きます!これもなかなか挑戦的な曲で、マンドギターを使ってますね。浮遊感のあるアレンジが気持ちよく、バインではちょっと珍しいタイプの曲では?こういうのも好きです。再現ライブが楽しみな曲のひとつ。

  12. B.D.S.
    ブレーキ・ダウン・シンドロームの略だというB.D.S.(そんな症候群はありませんよね?笑)。ツインギターどころか、この曲はあらきゆうこ氏とのツインドラムです!ここでもまた挑戦!でも正直なところ、ドラム2つもいったかなぁ?と思ってしまいましたが、骨太なバンドサウンドでかっこいい曲です。この頃のバインはラスト曲の前の、この曲までが”本編”という扱いでしたよね。

  13. I found the girl
    恒例の、アルバム本編後のお遊び?おふざけ?枠的な曲。当時のライブではこの曲のハーモニーをGt. 西川さんがするのに、田中くんの主旋律につられないように耳を塞ぎながらコーラスしててめちゃくちゃ可愛かった思い出があります。これって田中くんの結婚ソングですよね?「いつまでも子供じゃないんだし いいかげんにここらで腹をくくるか」というわけで、できちゃった結婚?おめでとうソング。

Circulatorを聴き返しての総括

一通り聴き返してみて、このアルバムはそれぞれの曲の完成度が高く、バンドとしても実験的なことをたくさんやってるんですが、ちょっとアルバム通してのまとまりにはかけるかな?という印象でした。しかし私の人生に多大なる影響を与えたアルバムであることは間違いなく、Circulate、繰り返し循環し、何度も聴きたくなるアルバムです。Circulat∞rというように、無限∞ループアルバムですからね!ちなみにこのアルバムのジャケットは換気扇らしいですよ。誰のうちの換気扇だろう…笑

めっちゃ換気扇!


Circulator時代のカップリング曲がすごい

もし今回の再現ツアーに行こうかな?と迷ってる方は絶対行った方がいいことは間違いないのですが、このアルバムの時代はシングルのカップリング曲がどれも秀逸なんです!特筆すべきはやはり、Whitewoodツアーのライブアルバムである『Naked Songs』にも収録されている「パブロフドッグとハムスター」。原曲とは!?というくらいアレンジを加え、ジャムりにジャムりまくり、ライブアルバムに収録された曲の長さは12分半!GRAPEVINEのファンが辞められない理由のひとつは確実に彼らのライブが素晴らしいことなのですが、特にこの曲をライブで聴いた時の衝撃は忘れられません。

はっきり言って、私の今の音楽人生の礎を築いたのはこの曲を始めとするように、もはやなんの曲が始まったのかわからないくらいライブアレンジをして、いつまでやってんねん!くらいジャムりまくる彼らのライブを観たことです。今でもいろいろなライブに通い詰めてしまうのは、ライブならではの、この一度きりの興奮を味わいたいからだと思います。その瞬間でしか体験できない音楽を体験したい、この欲望が根底にあります。その醍醐味を教えてくれたのが、GRAPEVINEでした。

終わりに

いろいろと自由に書きましたが、とにかく”GRAPEVINEはライブを観ろ”に尽きますね。これを読んだ皆さん、まだチケットを取っていなければ間に合います!ぜひチケットを取って、彼らの一度っきりの素晴らしい音楽体験を堪能してみてほしいです。その演奏技術に唸らされ、最高に気持ち良いグルーヴを、美しいメロディを、素晴らしい音楽を感じることができると信じています。

GRAPEVINE 『Circulator』

GRAPEVINE『Naked Songs』

GRAPEVINE 公式Website

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