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33,000円は払えたのに、210円で落ち込んだ話

朝一番。
私は33,000円を払いました。

ポチッ。

ずっと迷っていたのに、
押した瞬間はあっさり。

「よし!」

なんだか気分も軽くなりました。

その日の私は、
まさか210円で落ち込むことになるとは、
夢にも思っていませんでした。

今日はそんな、“33,000円より210円が気になった日”のお話です。


その後、用事があって電車に乗りました。

座ってぼんやり。
さっきの決断を思い返します。

よかったのかな。
楽しみだな。
何着ていこうかな。

そんなことを考えていたら、

駅に着きました。
私は降りました。

迷いなく。
なんなら少しカッコよく。

……。

あれ?
ここ、降りる駅じゃない。

え?
なんで降りた??

私にも分かりません。

降りる必要なんてないのに、
なぜか降りていたのです。

ホームで立ち尽くす私。

結局、余計に210円払うことになりました。

その瞬間です。

私の頭の中に現れたのは、
未来へのワクワクではなく、

ドーナツでした。

210円。
なぜだろう。

33,000円は納得して払えたのに、
210円は妙に悔しい。

210円あれば、

ミスドの、
あの美味しいドーナツが買えたのに。


ヨガ哲学の八支則の中でも、ニヤマに
【サントーシャ(知足)】
という教えがあります。

これは、今あるものに満足すること。

足りないものではなく、
すでに与えられているものを見ることです。

つまり私は、
33,000円で買ったワクワクより、
失った210円のドーナツを見ていたのです。


人間って面白い。

33,000円は未来へのワクワク。
210円は今日のドーナツ。

どうやら私の脳は、

未来より、
ドーナツの方が想像しやすかったようです。

でも今思えば、
この210円は、

何かを失った日ではなく、

新しい流れが始まった日の、
小さな笑い話でした。

……そのときは、まだ知る由もありません。

この日の「ポチッ」が、
その後の出来事を次々と連れてくることを。(笑・つづく)


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