あなたは「わざわざ会いに行きたい人」ですか?便利すぎる時代に、あえて足を運んで分かったこと。
AI時代だからこそ見えてきた、私たちが「選ばれる」ための本当の理由
なぜ、スキルを磨けば磨くほど、仕事に行き詰まりを感じるのでしょうか?
何でもオンラインで完結し、AIが秒で素晴らしい答えを出してくれるこの時代。技術は日進月歩で進化し、私たちを取り巻く環境は信じられないほど便利になりました。
分からないことはAIに聞けばすぐに解決し、遠く離れたクライアントともZoomを開けばいつでも打ち合わせができる。
クラウドソーシングのプラットフォームを使えば、一度も顔を合わせることなく、プロジェクトの開始から納品、報酬の受け取りまでがスムーズに完了してしまいます。
私自身、フリーランスのデザイナーとして独立したばかりの身であり、日々の恩恵を痛いほど感じています。
家から一歩も出なくても仕事が回る。
それは、ひと昔前なら夢のような働き方かもしれません。
でも、その便利さの中で、ふと立ち止まってしまうことはありませんか?
「この仕事は、本当に『私』である必要があるのだろうか」と。
普段なら行かないイベントに参加した理由
先日、私はある企業イベントに参加してきました。
AI活用や、企業さん向けの提案をテーマにしたイベントです。
正直にお話しすると、普段の私なら、こういったゴリゴリの最新技術やビジネス提案がメインのイベントには足を運ばなかったと思います。
私自身、デザインや「水引」といった、どこかアナログで「人の手」や「想い」を感じるものを大切にしてきたからです。
効率化やAIという言葉とは、少し距離を置いて生きてきた自覚もありました。
では、なぜ重い腰を上げて、わざわざその場へ足を運んだのか。
参加を決めた最大の理由は、とてもシンプルなものでした。
「会いたい人がいたから」です。
今回、ヤスさんに温かいお声がけをいただき、どうしても直接お会いして、その空気感を感じてみたい。
普段画面越しに見ている方々が、どんな温度感で言葉を紡ぐのかを知りたい。
その一心だけで、私は会場に向かいました。
対面でしか得られない“温度”と“関係性”
ここで少し、疑問に思う方もいるかもしれません。
「オンラインでいくらでも話せるのに、わざわざ時間と労力をかけて会いに行く意味はあるの?」と。
私自身も、家で黙々と作業をする日々の中で、どこかそう思っていた時期がありました。
でも、会場に足を踏み入れ、多くの方と時間を共有したことで、その考えは心地よく裏切られました。
画面越しでは絶対に伝わらない「温度感」。
初対面なのに、同じ空間を共有しているだけで自然と生まれる「空気感」。
そして、目を見て言葉を交わすことで少しずつ育っていく「信頼」や「絆」。
ヤスさんのご縁で、まったく初対面の方々とお話しする機会をいただき、名刺を交換して他愛のない雑談を交わす。
そこには、みきち先生や円谷さんといった、いつもSNSの向こう側で拝見していた方々の「生の言葉」と「人間味」がありました。
オンラインのチャットなら数秒で済むようなやり取りかもしれません。
でも、その場に流れる空気や、言葉の端々に滲むお人柄、ちょっとした間や表情の変化は、決してテキストやモニター越しでは受け取れないものでした。
そこで生まれる関係性は、オンラインの何倍も深く、色濃いものだったのです。
スキルではなく「関係性」が仕事を生む
この体験を通して、私は自分自身の「過去」を振り返っていました。
私はこれまで、クラウドワークスなどを通じて、企業さんからたくさんの案件をいただいてきました。
始めたばかりの頃は、「とにかく質の高いデザインを作らなければ」「少しでも早く納品しなければ」と、PCの画面とにらめっこし、スキルを証明することばかりに必死でした。
でも、どれだけ美しいデザインを作って納品しても、「単発」で終わってしまうことが多かったのです。
深夜まで作業して、完璧だと思えるものを納品しても、次には繋がらない。
そのたびに、「私のスキルが足りないからだ」と自分を責め、また新しい技術を身につけようと焦っていました。
けれど、ある時、行き詰まりを感じてやり方を少し変えてみたんです。
納品物に添えるメッセージを、ただの業務報告ではなく、相手の背景や苦労を想像した温かい言葉に変えてみる。
「こんなふうに使っていただけたら嬉しいです」という、ちょっとした提案を添えてみる。
オンラインという顔の見えないテキストの向こう側にいる、「生身の人」を想像してコミュニケーションを取るようにしたのです。
すると、少しずつ変化が起きました。
「丁寧な対応に救われました」
「次回もぜひ、あなたにお願いしたいです」
そんな言葉をいただける機会が増え、少しずつ継続してお仕事を任せていただけるようになったのです。
この経験から私は、仕事を得てきたのは決して「スキル」だけではなく、その根底にある「人との関係性」や「コミュニケーションの積み重ね」だったのだと気づかされました。
今回のイベントで私が得た一番の学びも、まさにこの「関係性の価値」でした。

これからの時代に必要な“人としての価値”
AIやIT化が進み、なんでも効率化できる時代。
デザインの技術すら、AIが数秒で代替してしまうかもしれない時代。
そんな便利さが当たり前の世界だからこそ、「人として何ができるか」が、これまで以上に問われているのだと思います。
ヤスさんがごく自然に、誰かと誰かを繋いでいく姿。
その繋がりから、新しい会話が生まれ、そこから仕事やアイディアが花開いていく過程。それは、どれだけAIが進化しても決して生み出せない「温もり」そのものでした。
「人を繋げられる人」には、計り知れない価値がある。
その場にいる人たちが安心でき、互いの強みを活かし合えるような空気をつくること。
それこそが、これからの時代を生きる私たちにとって、最強の武器になるのだと肌で感じました。
私はこの日を境に、自分も「人を繋げられる存在になりたい」と強く思うようになりました。

私にとって、それは「デザイン」や「水引」という形かもしれません。
水引が本来、人と人とのご縁を結ぶためのものであるように。
私のデザインが、クライアントとその先のお客様を繋ぐ架け橋になれるように。
ただ正解を提示するだけの存在ではなく、考え方やプロセスを共有し、誰かが自分で選ぶためのヒントを手渡せるような、そんな温かい関係性を紡いでいきたいのです。
効率や時短を否定するつもりはありません。
私自身、日々の仕事の中で新しいツールにたくさん助けられていますし、AIの力はこれからも積極的に借りていくと思います。
でも、「直接会う価値」や「人と人とのつながりの価値」は、絶対になくならない。
むしろ、デジタルが普及すればするほど、そのアナログな温もりの価値は跳ね上がっていくのだと、私は考えています。
正解を出すのは、AIに任せてもいい。
でも、その正解を使って「誰と手を取り合うか」「どんな空気感をつくり出すか」は、私たちが自分で選べるんです。
あなたにとって、「わざわざ足を運びたい人」はどんな人ですか?
「オンラインでも温度を感じる関係性」とは、どんなものでしょうか?
その答えの中に、これからの時代を私たちらしく、しなやかに生き抜いていくための大きなヒントが隠されているような気がしてなりません。
最後になりますが、今回このような気づきを与えてくださり、私を新しい世界へと引っ張り出してくださったヤスさんに、心からの感謝をお伝えしたいと思います。
そして、お話ししてくださった皆様、本当にありがとうございました。
これからも、一つひとつのご縁とプロセスを大切にしながら、私なりの歩幅で進んでいこうと思います。
