弱い私を許せなかった私へ ―震災を通して気づいたこと―
今回の熊本地震で、私はたくさんの人に助けてもらった。
全国から来てくださった災害支援の方々、医療関係者の方々、ボランティアの皆様。
そして、遠くから心配してコメントや応援をくださった皆様。
本当にありがとうございました。
まだ大変なことも多いですが、おかげさまで少しずつ日常を取り戻しつつあります。
その中で、私は自分でも気づいていなかったことに気づいた。
今回は、そのことを書こうと思う。
実は私は、昔から人に頼ることが苦手だ。
だから今回も、一番大きかった感情は、
「申し訳ない。」
だった。
私は何も返せない。
返せないのに、こんなに良くしてもらっていいんだろうか。
迷惑をかけていないだろうか。
そんなことばかり考えていた。
今振り返ると、私はずっと、
「人に迷惑をかけてはいけない。」
と思って生きてきた。
無関心な父と過干渉な母のもとで育ち、優秀な姉と比べられることが多かった私は、
「人の役に立たなければ価値がない。」
と、どこかで思い込んでいたのかもしれない。
明るい私。
強い私。
優秀な私。
人の迷惑にならない私。
私は、そうでいなければいけない。
だから、助ける側にいる方が安心だった。
以前、第一子を亡くした時もしばらく友達に会えなかった。
悲しみで、いつものように笑える気がしなかった。
取り繕える気がしなかった。
笑えない私を見せたら、困らせてしまう。
つまらないと思われてしまう。
明るい私でいなければいけない。
そんな思いがあったのだと思う。
私は、私に一番厳しかった。
泣いてはいけない。
弱ってはいけない。
人に迷惑をかけてはいけない。
頼ってはいけない。
きっとそれは、幼い頃、自分を守るために身につけた思考の癖だった。
できる私でいなければ。
そうやって、自分を守ってきた。
でも今回、震災でたくさんの人に助けてもらった。
「頼ってね。」
「無理しないでね。」
そう言ってくれる人がいた。
助けてくれた人たちは、誰一人迷惑がる様子もなく、ただ当たり前のように手を差し伸べてくれた。
何もできない私でも、助けてくれた。
私自身も、誰かを助ける時に、何かを返してほしいなんて思っていない。
困っているから助けたい。
ただ、それだけだ。
だったら私も、
何も返せなくても、弱っていても、そのままで大丈夫なのかもしれない。
そう思った。
まだ、昔からの癖は簡単には消えない。
きっとこれからも、何かを頼む時には「申し訳ない」と思ってしまうだろう。
それでも少しずつ、
「大丈夫だよ。」
と、自分に教えてあげたい。
そして昔の私の心を、少しずつ溶かすように、
「頑張らなくても大丈夫。人は思っているより、ずっと温かいよ。」
と伝えてあげたい。
人間関係は理不尽なこともある。
傷つくこともある。
それでも、温かい人はたくさんいる。
だから私は、やっぱり人が好きだ。
そして今、
私は人との関係だけではなく、自分との関係も、少しずつ結び直している最中だ。
昔の私に、
「もう少し力を抜いても大丈夫だよ。」
そう伝えながら。
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