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Jホラーとゴジラ

 Jホラーの幽霊は、あり得ない場所に立っていたり、パンフォーカスで撮られているのに幽霊のピントだけが外れていたり、アウトフォーカスの彼方に揺らめいていて観客が発見するのを待ち構えていたりする。
共通点は「ただそこに立っているだけ」ということだ。
時には前傾姿勢でゆっくりと歩いてきたりもするが、ハリウッドのホラーのように殺意剥き出しで飛びかかってくる化け物ではない。幽霊を見た者は「勝手に自滅する」のであり、化け物の暴力に殺されるイメージはない。
(もちろん例外もある)
「そこに立っているだけで怖い」のがJホラー、「襲ってくるのが怖い」のがハリウッドのホラーと区分けしてもいいかもしれない。

Jホラー以後に作られたゴジラ映画で、最もJホラー的だったのは「シン・ゴジラ」だろう。
「シン・ゴジラ」のゴジラはセリフにもあるように「ただ歩いているだけ」の存在であり、存在自体が恐怖である、という点がJホラーの幽霊に重なる。
一度怒れば、熱線で都市を破滅させてしまうが、これは黒沢清の一連のホラー作品に見られる、最終的に幽霊が世界を破滅に導く構造と同じだろう。

黒沢清の映画に登場する幽霊や化け物は、肩を怒らせ、前傾姿勢で腕をやや突き出してゆっくりゆっくりと歩いてくるのだが、これは子供がやる「ゴジラのモノマネ」のスタイルだ。
「黒沢清にゴジラを」の声は常にあるが、怪獣が暴れる「リアル完全なる首長竜の日」も含めて「もう撮っている」という感じもする。

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