魚鱗癬と歩んだ家族の物語⑤〜プールの後、トイレに隠れていた僕〜
小学6年生の頃。
私はプールの時間が好きでした。
でも同時に嫌でもありました。
入りたい。
でも入りたくない。
そんな複雑な気持ちでした。
魚鱗癬の人なら分かるかもしれませんが、私の場合、水に長く浸かると角化している部分が白く目立つようになります。
特に手でした。
だからプールの授業が始まってもしばらくは、なるべく手を水につけないようにしていました。
もちろん、そんなことをしても意味はありません。
結局は水に入るので白くなります。
それでも少しでも目立たなくしたかったのです。
そして私にはある習慣がありました。
プールの授業が終わると、誰よりも早く教室へ戻ることです。
急いで着替える。
そして小さな容器に入れて持ってきたクリームを持ってトイレへ向かう。
誰にも見られないように。
隠れるように。
トイレの個室で手にクリームを塗っていました。
最初はクリームを塗れば何とかなると思っていました。
でも違いました。
プールの後の手は水を含んで白くなっています。
その状態ではクリームを塗っても変わらないのです。
私はトイレの中で一人、
「あっ、そうか。乾かないと意味がないか」
と呟いていました。
それでも諦められませんでした。
意味がないと分かっていても。
少しでもどうにかしたくて。
少しでも普通の手に見せたくて。
私は毎回クリームを塗り続けました。
そしてトイレの中で、
「お願いやけん❗️」
「お願いやけん、早く乾いて‼️」
と涙目になりながら言っていました。

今こうして書いていると、
少し泣けてきます(笑)
でも当時の私は本気でした。
プールの後の給食も嫌でした。
給食当番になると手を見られるかもしれない。
食べる時は班になって向かい合う。
何か言われた記憶はありません。
もしかしたら何もなかったのかもしれません。
でも嫌だったことだけは覚えています。
授業中も手を隠していました。
太ももの裏に手を入れる。
後ろの席になると少し安心する。

窓側の席も好きでした。
片方の手を窓際へ出し、太陽の光で乾かそうとしていました。
今思えば、ずっと手のことを考えていた気がします。

プールの授業は楽しい。
でも終わった後が怖い。
そんな小学校生活でした。
そして中学生になると、その「隠したい」という気持ちはさらに強くなっていきます。
雨の日の自転車通学。
逃げ場のない夏の部活。
次回、その話を書きたいと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました🙇
