魚鱗癬と歩んだ家族の物語②〜兄の姿を見て気付いたこと〜
次は兄についてです。
兄がいつ頃から自分の肌に違和感を持ち始めたのかは分かりません。
ただ、今振り返ると、兄もずっと自分の肌に悩んでいたんだろうなと思います。
私が覚えているのは、兄が小学5〜6年生くらいの頃のことです。
一緒にプールへ行った帰りでした。
魚鱗癬の人なら分かるかもしれませんが、長い時間水に浸かっていると角化している部分が白く目立つことがあります。
「ふやける」という表現が正しいのか分かりませんが、普段よりも皮膚の状態がはっきり見えてしまうのです。
兄はプールの帰り、自分の手を見ながらものすごく嫌そうな顔をしていました。
その表情だけは今でも覚えています。

なんとなくですが、自分の手が嫌なんだろうなぁ
と感覚的に思ってました。
確かに私自身もそうですが、皮膚が白く目立った状態を見ると気持ち悪く感じてしまい、とても嫌な気持ちになります。
(ただ、当時わたしは小学1年生、まだ自分の皮膚に対して色々思ったことはなかったです。)
兄も同じだったのだと思います。
また、こんな出来事もありました。
ある日、兄の同級生から私に向かってこう言われました。
「お前の兄ちゃん、病気とやろ?」
当時の私は小学1年生くらいでした。
病気の意味もよく分かっていませんでしたが、その言葉を聞いた瞬間、なんとなく察しました。
「うん」
私はそう答えました。
今思うと、その頃から私たちは何かしらの病気なんだと認識し始めたのかもしれません。

当時思い付かなかったのですが
言われてたぶん病気なんだ
と思った記憶があります
さらに覚えているのは、兄が中学生になった頃のことです。
兄は洗面所で異常なくらい手を洗っていました。
もしかしたら自分の肌が嫌だったのかもしれません。
もしかしたら少しでも綺麗にしたかったのかもしれません。
本当の理由は分かりません。

と思っていました。
でも今振り返ると、兄なりに自分の肌と必死に向き合っていたように思います。
私自身は比較的軽度の魚鱗癬ですが、母と兄は私より症状が強かったように感じています。
時々、兄と一緒にお風呂へ入ることもありました。
はっきりとは覚えていませんが、自分たちの肌について話した記憶があります。
兄について語れることはそれほど多くありません。
ただ一つだけ言えるのは、兄も間違いなく自分の肌にコンプレックスを抱えていたということです。
でも、今思うと少し笑える思い出もあります。
兄弟で肌を見比べながら、
「俺はここは綺麗」
「いや、ここは俺の方が綺麗」
そんなことを言い合っていました。
当時は真剣だったのでしょうが、今振り返ると少し笑ってしまいます。
ただ、それだけ自分たちなりに肌のことを気にしていたということなのかもしれません。

羨ましく思ってた子がいたのですが、
「〇〇くんとか、がば(かなり)綺麗やけんね」
と言ってた記憶がある 笑
母が肌を隠して生きていた姿。
兄が肌に悩んでいた姿。
それを見ながら育った私は、少しずつ自分自身の肌にも違和感を持つようになっていきました。
そして、その違和感はやがて確信へと変わっていきます。
次回は
わたしの肌は
やっぱり人と違うんだと思ったきっかけ
です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます🙇
