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【第2回】SNSアカウント売買の危険性に迫る国際論文“Exploration of the Dynamics of Buy and Sale of Social Media Accounts” を読み解く

なぜ詐欺師はSNSアカウントを買うのか?

この回では、SNSアカウントがどのように“犯罪の道具”へと変わるのか、そしてこの研究がなぜ今必要とされているのかを、詐欺の進化とともに解説しています。

※本記事は、2024年12月に公開された論文
“Exploration of the Dynamics of Buy and Sale of Social Media Accounts” の第1章 序論(INTRODUCTION)をもとに構成しています。
記事中の数字・内容はすべて、同章で明記された情報に基づいています。


なぜこの研究が必要なのか

SNS(ソーシャルメディア)は今や、私たちの日常に欠かせない存在です。
しかし、利用者の増加とともに、SNSを悪用した詐欺も急増しています。

アメリカの連邦取引委員会(FTC)の調査によると、SNSがきっかけとなった詐欺による被害総額は、2021年から2023年のあいだで約2.7ビリオンドル(日本円で約4,000億円)にも達しました。これは、電話やメールなど、他の手段よりも被害が大きかったということを意味します。

詐欺師たちは、何千もの偽アカウントを使い、複雑な手口で人々をだまそうとしています。
たとえば以下のような手法が使われています:

  • 投資詐欺、なりすまし、フィッシング詐欺

  • クリックを誘う広告で収益を得る「クリックベイト」

  • AIやディープフェイクを悪用した恋愛詐欺

  • 偽の商品販売や、偽の配達・採用情報

  • 恐喝(セクストーションを含む)や世論操作

これらはすべて、SNSが持つ「誰でも使えて」「簡単に信頼される」という性質を悪用しています。

これらはほんの一部の例にすぎません。
こうした詐欺手法は年々巧妙化しており、本論文の続く章では、投稿内容を分析して詐欺の「型」ごとに分類し、その実態を明らかにしています。


なぜ詐欺師はSNSアカウントを欲しがるのか?

詐欺に使うなら、普通は偽のWebサイトを作ると思うかもしれません。
でも、SNSの方がずっと簡単です。

  • ドメインやSSL証明書を用意する必要がない

  • アカウントをすぐ作れて、すぐ動かせる

  • フォロワーや「いいね」が最初からある場合もある

最近では、SNSアカウントそのものを売買するウェブサイトも登場しています。

詐欺師たちは、これを利用することで、「最初から信頼されそうなアカウント」を買ってすぐに悪用を始めることができるのです。

こうしたアカウントには、フォロワー数や「いいね」などの見た目の信頼性がすでに備わっているため、一般のユーザーが疑うことなく接触してしまう危険性があります。


この研究の目的

本研究は、次の3つの視点から問題に迫っています:

  1. SNSユーザーが増え続けていること

  2. SNS詐欺が、昔よりも大規模で多様化していること

  3. アカウント売買サイトの存在が詐欺を助長していること

こうした背景を受け、研究者たちはSNSアカウントを売買している11のマーケットプレイスを調査しました。

そして、そこで38,000件以上のアカウント販売を確認し、さらに11,000件超のアカウントの実態を分析
しています。


この研究で明らかになったこと

この論文では、次のような重要な貢献が示されています:

  • SNSアカウントを売るマーケットを、世界で初めて大規模に調査

  • 詐欺師がSNSのどんな仕組みを悪用しているかを実証的に評価

  • 被害を防ぐための対策と提言も提示

研究者たちは、こうした売買アカウントが、どんな風に作られ、どんな風にだましに使われているかを実際の投稿やフォロワー数などのデータをもとに解き明かしています。


※次回、「第2章 背景および関連研究BACKGROUND AND RELATED WORK)」では、SNSアカウント売買に関する過去の研究と現状を、さらに詳しくご紹介します。


関連リンク・情報源

※翻訳は「rose」名義による参考資料です。正確な内容は原文をご確認ください。

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