「ITパスポート試験実践活用の勧め17」 ドラッガーとルイス・ガースナーから、学ぶやっぱり基本は「顧客第一主義」だが、それは「顧客の創造」を意味する。
「ITパスポート試験実践活用の勧め③」 でバランスト・スコア・カード(以下BSCと記述)を紹介したが、今読み返して見ると、主にBSCの使い方であり、根底にある「顧客第一主義」に触れていないことに気がついた。
ドラッガー著『マネジメント 基本と原則』(上田惇生編訳2001年12月13日 ダイヤモンド社)
「企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的の定義は一つしかない。それは、顧客を創造することである。」
ルイス・ガースナー『巨象も踊る』(山岡洋一・高橋祐子訳2002年12月2日 日本経済新聞社)
「顧客からの要請。顧客はすべてのIT要素を1社で統合(インテグレーション)してくれる存在を求めている。初めて情報技術企業ではなく、サービス企業が主役になる。」
「単体のコンピューターがネットワーク型に取って代わられる。それには、このネットワーク世界は、オープンな標準規格に基づくものになるのは確実」
上記の視点「顧客の創造」からガースナーによるハードウェア企業からサービス企業へと変身したIBM復活劇を見てみよう。
まず ガースナーは、
(1)「顧客が価値を認めるもの」への事業再定義を行なった。
当時のIBMは「高性能な大型コンピューター」という自社製品を売ろうとしていたが、顧客が求めているのは機械ではなく「バラバラのITシステムを繋ぎ、経営課題を解決する手段(ソリューションサービス)」を提供した。
(2)分割論を退けた「トータル・ソリューション」
ガースナー就任当時、ウォール街や社内からは「IBMをPC、ソフト、メインフレームなどの子会社に解体(分割)すべきだ」という考えが支配的であったが、(1)のように「顧客はすべてのIT要素を1社で統合(インテグレーション)してくれる存在を求めている」と確信し、解体を拒否した。
この過程をBSCモデルで検証すると
「顧客の視点」
に徹底的に立つことで、顧客の要求をいち早く認知し、それを「顧客の創造」を実現する戦略、実行計画に落とし込んだ。
「内部プロセスの視点」
ハードウエア中心から、サービス中心へと内部のプロセスを変革した。
「学習と成長の視点」
『巨象も踊る』第20章「企業文化」の中で
「私は企業文化が経営のひとつの側面などではないことを理解するようになった。ひとつの側面ではなく、経営そのものなのだ。」と言う観点から、「行動のルール(服装・訪問・評価)を変えることで、結果的に社員の意識を書き換える」という方法をとった。
また、「ビジョン、戦略、マーケティング、財務管理の側面が正しければ、そして、経営システムの他の側面が正しければ、正しい道を歩むことができる。」ミッションやビジョン、戦略の重要性は、「「ドラッガーから学んだ実践⑨」 映画『ボストン市庁舎』にみるドラッガー流マネジメントの実践。」で書いた。
