【偏愛本棚#0015】『深夜食堂』安倍 夜郎
夜が更けて、街が少し静かになる頃。
「今日はもう何も考えたくないな」と思うタイミングで、自然と手に取ってしまう本がある。
ページをめくるだけで、どこか温かい空気に包まれるような安心感。
『深夜食堂』は、そんな夜にそっと寄り添ってくれる一冊だ。
今日この本を選んだ理由
年末の忘年会シーズン。
仕事も人付き合いも増えて、気づかないうちに気持ちが張りつめている時期だからこそ、
「何も考えずに、ただ読める本」を選びたくなった。
『深夜食堂』は、物語に強く引っ張られるというより、
一話一話を“眺める”ように読めるのがちょうどいい。
忙しい時期でも、読書のハードルを下げてくれる存在だ。
出会ったタイミング
出会いは、ドラマ版を先に観たことだった。
映像で感じたあの独特の空気感が印象に残り、
「原作の漫画も読んでみたい」と思ったのがきっかけ。
購入したのは2021年12月。
年末で少し気持ちが疲れていた時期だったこともあり、
この作品の静かさやゆるやかさが、すっと体に馴染んだのを覚えている。
あらすじ
歓楽街の端にある小さな店『深夜食堂』。
営業時間は夜12時から朝7時頃まで。
メニューはごくわずかで、あとは「作れるものなら何でも作る」という、少し変わった店だ。
そこに集まるのは、常連客もいれば、その日限りの客もいる。
それぞれの人生の一場面が、料理と一緒に、淡々と、でも確かに描かれていく。
偏愛ポイント
人間関係が複雑すぎない安心感
深い事情や重たい背景が描かれることはあっても、
人間関係そのものはとてもシンプル。
複雑な人間関係に疲れているときでも、
「人と関わること」にそっと触れられる距離感がうれしい。
料理を通して人が見えるところ
登場する料理はどれも素朴だけれど、
同じ料理でも、少しずつこだわりが違う。
味付けや作り方、その料理を食べる理由。
料理を読むことで、その人の人生が見えてくるのが面白い。
巻数が増えても、戻りやすい構成
現在30巻まで刊行されていて、
新刊を買ったはずなのに「どこまで読んだっけ?」と分からなくなることもある。
それでも一話完結だから、少し前の巻から読み返しても違和感がない。
積み読にも、読み返しにもやさしい作品だ。
こんな時に読みたい
・飲みすぎた次の日、家で静かに休養しているとき
・忘年会や人付き合いが続いて、少し一人になりたい夜
・帰省などで移動時間が長いとき
時間に余裕があるなら、
漫画を読みながらドラマ版、映画版も一緒に楽しんでほしい。
同じ世界観を、媒体ごとの温度で味わえるのも『深夜食堂』の魅力だ。
電子書籍メモ
電子書籍版あり。
楽天Koboなど主要電子書店で配信中。
何巻まで購入したか、その場ですぐ確認できるのが電子書籍の良いところ。
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一言まとめ
人と距離を取りたいときにも、
人の気配に触れたいときにも読める物語。
『深夜食堂』は、休む時間にそっと置いておきたい一冊だ。
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