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【偏愛本棚#0012】『おひとり様物語』谷川史子

ひとりでいる時間が増えたからこそ、
「おひとり様」という言葉に、前よりも優しい響きを感じるようになった。

誰かといないと足りないわけでも、
ひとりだから寂しいと決めつける必要もない。
そんな感覚を、静かに肯定してくれる一冊がある。

今回紹介するのは、谷川史子さんの『おひとり様物語』。
恋愛漫画の名手が描く、“恋をしていても、していなくても生きている”女性たちの物語だ。


目次

  • 今日この本を選んだ理由

  • 出会ったタイミング

  • あらすじ

  • 偏愛ポイント

  • こんな時に読みたい

  • 電子書籍メモ

  • 一言まとめ


今日この本を選んだ理由

最近、「ひとりでいること」を意識する時間が増えた。
誰かと比べたり、将来を焦ったりするよりも、
まずは“今の自分の生活”をそのまま受け止めたいと思うようになったからだ。

『おひとり様物語』は、
「恋をしているかどうか」「結婚しているかどうか」では測れない日常を、
静かに、でも確かに描いてくれる。

がんばれ、と背中を押されるわけでもない。
それでも読後に、「このままでいいのかもしれない」と思える。
そんな距離感が、今の自分にちょうどよかった。


出会ったタイミング

購入したのは2021年11月。
きっかけは、ネット広告でふと目に入った一枚のイラストだった。

その絵を見た瞬間、
「あれ、これ…昔読んだことがある人の絵じゃない?」と、
胸の奥が少しざわついた。

小学生のころ、親友の家で読んだ少女漫画。
りぼんを愛読していた当時、
谷川史子さんの作品は、王道の少女漫画よりも
少しだけ“大人びた空気”があったような記憶がある。

タイトルまでは思い出せない。
それが少し悔しくて、
「年末年始の集まりで、親友に聞いてみよう」と、
まだ見ぬ答えを宿題のように持ち越している。


あらすじ

本作は、オムニバス形式で描かれるリアルな女性たちの物語。

おひとり様ライフを満喫する書店員・久里子さん。
初めての彼氏に振られ、どうしていいかわからない女子大生・未和ちゃん。
恋人と同棲していながら、生活時間がまったく合わないOL・悠希さん。

それぞれ状況も立場も違うけれど、
彼女たちは皆、日常のなかで小さな違和感や寂しさ、
そして確かな温もりを抱えながら生きている。

切なくて、でもどこかあたたかい。
恋愛の有無に関係なく、
「これは私の物語かもしれない」と思わせてくれる一冊だ。


偏愛ポイント

① “おひとり様”を無理に肯定しすぎないところ
この本は、「ひとり最高!」とも、「恋しなきゃだめ」とも言わない。
ただ、ひとりでいる日常を淡々と描いてくれる。
そのフラットさが、読んでいてとても楽だった。

② 生活の細部がちゃんとリアル
仕事の時間、すれ違う生活リズム、
誰にも言えない気持ちの置き場。
大きな事件は起きないけれど、
「こういうこと、あるよね」と何度も頷いてしまう。

③ 読後に残るのは、ささやかな安心感
劇的なハッピーエンドではない。
それでも、登場人物たちが
“自分の場所に戻っていく”感覚がある。
その余韻が、静かに心を温めてくれる。


こんな時に読みたい

夜、特に予定もなく、ひとりで過ごす時間が少し長く感じるとき。
誰かに連絡するほどでもないけれど、静けさが続くと心細くなる。
そんな夜に、この本はちょうどいい距離で寄り添ってくれる。

恋愛の話を読む気分じゃないときもある。
前向きなラブストーリーが、今の自分には少し眩しすぎる日。
『おひとり様物語』は、恋に夢中になることも、距離を置くことも、
どちらも否定せずに描いてくれるから、安心してページをめくれる。

ふと、昔読んでいた少女漫画を思い出したくなったときにも。
あの頃の自分と、今の自分は違うけれど、
同じ作者の描く空気を、今の感覚で読み返すのは少し楽しい。
懐かしさと現在が、静かに重なる時間になる。

年末年始や連休のあいだ、
大掃除の合間や、特にやることのない午後。
「何か大きなことをしなくてもいい時間」に、
この本はそっと寄り添ってくれる。

ひとりでいることを肯定したいときも、
ただ「今日はひとりだな」と思いながら過ごしたいときも。
『おひとり様物語』は、
そんな日常の一コマに、ちょうどいい温度で置いておきたい一冊だ。


電子書籍

本作は、楽天Koboで電子書籍として購入・閲覧が可能です
紙の本の置き場所を気にせず、
読みたいときにすぐ手に取れるのが電子書籍のうれしいところ。

オムニバス形式で、一話ごとの区切りも読みやすいため、
通院の待ち時間や、寝る前の少しの時間など、
まとまった時間が取れない日にも向いている。

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一言まとめ

ひとりでいることも、誰かを想うことも、
どちらも人生の途中にある“ただの一場面”。

『おひとり様物語』は、
そのどちらにも寄りかからず、
今の自分をそっと肯定してくれる一冊だった。

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