様々な学問 ~自然科学~ 生物学 1⃣ 生物学の源流
こんにちは。
さまざまな学問について取り上げていくコーナーです。
今回は生物学の第1弾「生物学の源流」です。
生物学という名は18世紀に登場
人間を含めた生物の研究を行う生物学は、学問の中でも古くからあると思われがちですが、実際にはそれほど古くはありません。
実際、「生物学」という言葉が現れたのは18世紀末から19世紀初頭の頃で、ドイツの医学者トレヴィラヌスと、フランスの生物学者ラマルクがほぼ同時期に創り出したとされています。
もちろん、人間は古くから生物に関心を向けてきました。
しかし、古代や中世、ルネサンス期における関心の持ち方は多様で、それぞれ独立した形で継承されてきたのが実態です。
こうした生物学の様々な源流は、大きく眺めれば、博物学と生命論の二つの流れに分けることができます。
博物学
博物学は、自然界の様々な生物を記録する学問であり、いわば多様性の追求と言えます。
この博物学の始祖とされるのが、古代ギリシャの哲学者アリストテレスです。アリストテレスは実際に動物を観察・調査し、種類ごとの特色を明らかにして『動物誌』をまとめました。彼の博物学的研究は、その後ローマ時代に発展し、プルニウスの『博物誌』(全37巻)に結実します。
ただし、アリストテレスの生物研究はもともと生命論に根ざしたものでした。彼は生物の本質を生命(プシュケー)と捉え、その完全性に応じて生物を三段階に区分しました。
つまり、アリストテレスの博物学的研究は、この「プシュケー三段階説」を検証するためにはじめられたともいわれます。
生命論
もう一つの源流である生命論は、生命一般が持つ共通の法則を追求する学問です。この生命論の流れは、解剖学や生理学を形成し、やがて医学という学問の基礎を築くことになります。
生命論の先駆者としては、解剖学・生理学の基礎を築いたアルクマイオンや、医学の祖とされるヒポクラテスが挙げられます。
アルクマイオンは動物を解剖し、脳や視神経、眼の関係を調べ、視覚の仕組みについて考察しました。
ヒポクラテスは体液説を唱え、体液の不調和が病気の原因になると考えました。いずれも、彼らが追究したのは生命の成り立ちそのものでした。
こうして、博物学と生命論という二つの潮流が融合し、近代生物学への道が形作られていったのです。
