『週刊 ゆきおとこ』 第53号
第 53号 2026/1/5 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― ザックス 『救命の合唱』 より
救われし我ら
死神が 骨の笛を削る
死神が 腱の弓を奏でる
損なわれた肉体が
未だに音楽を演奏する
■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ
~ 化石の谷 (2)
かつては 夢の砂金を運んだであろう
クエリノの橋は 落ちていて
誰も居ないサンダースの検量所では
ハウンドドッグの計量は 0 kg と表示された
ペトラファイド・フォレスト・ロード
知った顔と 忘れた顔に出会う でも
今や お互いに他人どうし
就寝前には 戸締りをして ドアに鍵をかけるように
その人達の記憶には 鍵が掛けられていた
「化石の森」
まるで 火星探検隊のような
子供のころに見た原風景のような
あるいは
テレヴィの中にしか存在しなかった 原始人が住むような
赤く焼かれた世界の 3億年を重ねた地層
ここでは
人間の死などというものは はるかに越えてしまっていて
もっと大きな一呼吸に
まるでヴィールスの一生のように
我々の存在は 忘れられている
つまり 我々は ヴィールス
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