見出し画像

『週刊 ゆきおとこ』 第22号

第 22号   2025/6/2 刊      ▲ 雪男の記事一覧



― ポッジ 『祝辞』 より

 
  いと高き愛 ― 記憶を越えていくもの
 炉もなく 私の火となったものよ
  描いたのは どのような運命か
   夢に輝いたのは どのような栄光か
    おお わが住処の 
 
 

■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ

      ~ コロンバス (1)


ハウンドドッグは
 旧ウェストバージニア 70号線を西へ

ケンブリッジのIC を過ぎてからは 
 いつ竜巻が発生してもおかしくないような風模様 
それさえも 時々
 パトカーが サイレンを鳴らして追い越していく

真っ暗なハイウェイ
 草原の向こうの丘に ちらほら
  朱い火
  青い火
  稲光のように忙しい光
 そんな田舎らしいモーテルの灯が
  鬼火のように浮かんでは消えた
 まるで
  この尊い時間の
  この新世界でみてきた夢まぼろしが
   燃え尽きる 最後の光を放つように
 あるいは
  見ている火はすでに
  彼岸に揺れるカムパネルラの記憶のようなものだろうか

ここから先は

6,939字

¥ 150

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?