『週刊 ゆきおとこ』 第14号
第 14 号 2025/4/7 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― ディキンソン 『大声をあげて』 より
大声をあげて 闘うは勇ましい
されど
さらに 雄雄しきは
心の中の
悲哀の騎兵
■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ
~ ワシントンD.C. (1)
我々は
人っ子一人いないマジソン・スクエアを通り抜けて
落書きの激しい階段を下り ペンシルバニア駅に
人ごみは すでに無く
ただ それらの顔だけが 立ち現れて
破かれた壁のポスター
濡れた花びらに 黒いうで
旧式のNECでメトロパークまで行き
ボロボロになった Amtrack に乗り換える
途中 車窓から見たフィラデルフィアの街
昔ながらのベッドタウンたる緑豊かな住宅街
チェックメイトしたチェス盤のように
城や教会が整然と並べられていたが
あまりに生物臭のない景色だった
― 耳には聞こえないオルガンが響いているかのように
つまり 町に人影が見当たらない そして
毅然と整えられた道路には 車が一台も走っていない
― キリコの街そのもの
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