『週刊 ゆきおとこ』 第25号
第 25号 2025/6/23 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― ヴァルモール 『サーディの薔薇』 より
薔薇を届けよう と
けれども あまりに多く
帯の結び目は
はじけて 薔薇は風に舞い
みな 海へ
潮に はこばれて
波は 花に赤々と燃ゆ
私の服に 薔薇の香
どうぞ その名残を
■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ
~ ナッシュビル (3)
ナッシュビルに来てから 半年が経とうとしていた
リヴォンの店で 週に一度とか
隔週とかで歌わせてもらい ギターも弾いた
でもぜんぶ あのハーモニカの青年のまね事だった
時々 彼とも一緒に歌ったが
彼には 私の手の遠く届かない 何かがあった
リヴォンは 「まあまあ だね」と言ってくれる
ギターケースには 数ドルの銀貨が投げ入れられた
確かに 望んだ事をやらせて貰えてはいるが
その銀貨の色は 私の欲しい何かと ちょっと違っていた
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