『週刊 ゆきおとこ』 第65号
第 65号 2026/3/30 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― ブロンテ 『富みにあらず』 より
もしも祈るなら
自然と口をつく言葉は たった一つ
「 私を そっとしておいてくれ
そして 私に自由を 」
■ 連載小説 ― 西行のリュックサック (1)
つきづきに見る近ごろは
山茶花の宿が ふたたび私の名を呼んでいるようで
前回の長旅において 行きだおれる心細さを克服した末には
次にはもっと大胆な旅を と白昼から空想をしている毎日である
それに加えて
自身の風狂の仲間入りへの憧憬は 日に日に強くなっていく
あくがれのヒッピーの生活とでも言おうか
西行法師に 自然斎宗祇
雪舟 さらには利休までもが 私のアイドルとなった
かくして かの忘れていた名所や 叶わなかった出会いと訪問など
憧れだった歌枕への名残りとは どの旅にも残して来てしまうものか
髑髏になりそびれた旅から三年余
旅は二度目が良い と知ったこのごろ
草枕の露のにおいが 妙に忘れられなくなってしまった
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