『週刊 ゆきおとこ』 第20号
第 20号 2025/5/19 刊 ▲ 雪男の記事一覧
― スナイダー 『十二月の八つ瀬』 より
誰もが願うものを
ボクらは 手にしていた
だが 十九歳で それを捨てた
まるで もう人生は十分かのように
ボクは ひどく歳をとったのかもしれない
自分は馬鹿なのか
それとも 業なのか
今では 知りようもないが
■ 連続小説 ― アメリゴ・ハウンドドッグ
~ チェロキーの森 (1)
スプリングフィールドに別れて 95号線
車窓に黒いベルモント湾が現れた頃には
空気はすっかりバージニアの香がしていた
古き良き東海岸
それはまるで 家出をした日のような風景で
枯れた蘆原の 茶色いチェサピークの湿原がつづく
その上に 昇ったばかりの太陽は
若くして憧れた頃の バーボンウィスキーのような色
一時間ほど走って リッチモンドに到着
とりあえず 小さな仕事を探す
― 皿洗いか 何か
― ここはあえて命を削るようなところではないけれど
飯は食わねばならない
****
そして我々は 東海岸を最後にして 85号線へ
風は
南へ 南へ と吹いている
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